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おたべさん(60代・女性・主婦)
のご相談にお答えします。

【Q】こんにちは。61歳の主婦です。

私は、アルコール依存症の父と
共依存の母のもとで育ちました。

両親共に深い愛情を注いではくれましたが、
しかし、一度怒り出すと手がつけられなく
なる父と泣き叫ぶ母のやりとり、

そして、いつ父が怒り出すかわからない
恐れの中育ちました。

今調べると、きっとパーソナリティ障害
だったのだと思います。

そんな機能不全家族で育った私も、
やはり夫とも上手くいかず、
私の3人の子ども達も
それぞれに生きづらさを抱えております。

両親は最近亡くなりましたが、
「こんな家に生まれてさえいなければ、
私や子ども達もちゃんと幸せになれたのに」
という憎しみの気持ちと、

遺品整理をする中で、
「こんなにも愛してくれていたんだ」
という気持ちとの狭間で苦しく、

他の自分自身の生き辛さも含め、
現在カウンセリングを受けています。

ご相談したいのはここからです。

長男がパートナーと上手くいかず
離婚の話になっているのですが、

そのパートナーから聞く長男の言動が
私の父と全く同じで、
多分パーソナリティ障害かと思われ、
離婚話も難航しています。

この病名を調べると、
脳のもともとの器質もあるが、
生育環境や愛着障害などが影響すると
書いてありました。

私も父と同じで、怒りのコントロールが
できない状態で子育てをしていましたので、
長男をこんな風にしたのは私のせいだと
思うと苦しくて、

謝っても、今更どうすることもできず、
取り返しのつかないことをしてしまったと、
生きていていいのかと思い悩む毎日です。

悔やんでも事態は何も動かないのは
わかってはいますが、
この気持ちをどうすればいいか、
何かアドバイスをいただければ幸いです。

カウンセリングにかかってはいるものの、
内省を促すばかりで、
なかなか今の苦しみをどうすればいいか
には繋がっていないという状況です。

どうぞよろしくお願いいたします。

【A】おたべさん、
本当に苦しいお気持ちの中で
毎日を過ごしていらっしゃるのですね。

ご自身もアルコール依存症のお父様と
共依存のお母様のもとで育ち、
その影響を感じながら子育てをされてきた。

そして今、お子さんの生きづらさを
目の当たりにして、
「すべて私のせいではないか」と
ご自身を責め続けていらっしゃる…。

そのお気持ちは
とても自然なものだと思います。

もちろん、「あの時は申し訳なかった」
と思うことがあれば、
お子さんに謝ることは大切です。

でも、おたべさんがお子さんの人生
すべての責任を背負わなければならない
ということではありません。

人はそれぞれ、育った家庭だけでなく、
学校や社会、人との出会いなど、
さまざまな影響を受けながら
人生を歩んでいます。

そして、お子さんにはお子さん自身の
課題があり、おたべさんには
おたべさんの課題があります。

どうか、「私さえ違っていれば…」と
ご自身を責め続けるのではなく、
おたべさん自身にも
優しさを向けてあげてください。

動画では、なぜ親は必要以上に
責任を背負ってしまうのか、

そして、お子さんの人生を信頼して
見守るための考え方について、
もう少し詳しくお話ししています。

動画の視聴はこちらからどうぞ。

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【Q】仕事が決まっても、
体調が悪くなってしまい、
長く続けることができません。

そんな時に限って
家賃の値上げが決まり、
引っ越しをせざるを得なくなりました。

春には子どもの進学で大きなお金も動き、
今は借金が増えるばかりです。

本当は少し休んで体調を整えたいのですが、
生活のことを考えるとそうもいかず、
無理をして仕事に出ています。

けれど、休みがちになってしまい、
職場でも居場所がないような気がして、
ますます苦しくなってしまいます。

目の前の問題を一つずつ
片づけたい気持ちはあるのに、

毎日が不安で前向きに動けず、
気力も体力もついていかず、
へとへとです。

こんな私は、
何からどう動けばいいのでしょうか。

【ジュンコ・50代・女性・会社員】

【A】ジュンコさん 
ご相談ありがとうございます。

まず、これだけ大切なことが重なる中で、
今日まで仕事に出続けてこられたこと自体、
本当によく頑張ってこられたと思います。

どうか、ご自身の頑張りを
ねぎらってあげてください。

体調不良、家賃の値上げ、進学費用、
そして休みがちになることへの
職場での気まずさ——

これらは、一つひとつが重いものですが、
同時に押し寄せている状態ですから、
オーバーキャパとなるのは当然のことです。

「何から手をつければ」と分からなくなる
のは、決してジュンコさんの気力が
足りないからではなく、

単純に、処理すべきことが
処理能力を大きく上回っているからです。

重量挙げ選手でも、
500キロのバーベルをひとりで
持ち上げろと言われれば無理です。
それは人間技ではないのです。

私たちの脳は、不安な状態が続くと、
「全てを一気に」何とかしなければ
いけないというモードになりがちです。

でもこれは、体調にも判断力にも
一番負担のかかるやり方です。

今のジュンコさんに必要なのは
「一気に片づける」ことではなく、
「一つずつ、順番に」という視点を
意識的に取り戻すことだと思います。

具体的にできることとして、
まず、動かせないものと、
動かせるものを分けてみてください。

このときに、
見える化して書き出すことは
頭を整理するのに有効です。

たとえば、進学費用や借金全体は、
今日明日でどうにかなるものでは
ありません。

一方で、引っ越しの段取りなど、
期限があるものは動かす必要があり、
優先順位は高いものです。

書き出したものの中で
優先順位の高いものから
実際に取り組み始めてみてください。

同時に、
ジュンコさんのような状況では、
すべてを一人でやろうとせず
周囲に助けを求めることも大切です。

このとき、専門窓口を積極的に使う
ことも大事です。

ジュンコさんのお住まいの自治体にも
くらしや仕事の相談支援センターなど
の窓口があることと思います。

ギリギリまで自分で頑張るのではなく、
ご自身の心身が、
また経済的にも破綻してしまう前に、
予防的にどんどん活用してください。

たとえば、家賃、進学費用、借金が
重なっている状況は、

自治体の生活相談窓口や
社会福祉協議会の「生活福祉資金」相談、
あるいは弁護士会の無料法律相談
(借金の整理も含め)が対応する領域です。

住宅確保給付金という、
家賃の支払いが困難な場合に
自治体から家賃相当額が支給される
制度があります。

(条件を満たせば、引越し前でも
利用できる可能性があります)

社会福祉協議会(緊急小口資金など)では、
一時的な生活費の貸付や
サポートについて相談できます。

一度、家計全体を
客観的に整理してもらうだけでも、
頭の中の不安がかなり軽くなります。

体調と仕事については、
「休む」か「無理する」の二択に
しないことです。

今のジュンコさんは、
本当は休みたいのに休めない、
でも無理して出れば体調を崩す、

という板挟み状態にいるかと思いますが、
この悪循環を断ち切る必要があります。

いまは、心身ともに
限界を超えていますので、
医療機関(内科や心療内科)を受診し、
現在の状態を医師に正直に話してください。

診断書が出れば、
傷病手当金を受け取りながら休職して
体を休める選択肢も生まれます。

職場での「居場所がない」という感覚
に関しても、体調が悪いときは
周囲の視線を過剰にネガティブに
受け取ってしまいがちです。

今は「職場でどう思われるか」よりも
「自分の命と生活を守ること」を
最優先に考えて大丈夫です。

きっとジュンコさんの友人が
同じ様に悩んでいたら、ジュンコさんも
同じことを伝えるのではないでしょうか?

これは決して「逃げ」ではなく、
ジュンコさんが長く健全に働き続ける
ための現実的なアプローチです。

私たちは、不安な状態が続くと、
体はずっと「戦うか逃げるか」の
スイッチが入ったままになり、

それ自体が
体調をさらに悪くしてしまいます。

1日のうちほんの数分でいいので、
ゆっくり深呼吸する時間、
ご自身を緩める時間を
意識的に挟んでみてください。

問題を解決する力というのは、
休んでいるときにこそ回復するものです。

繰り返し、
一人で全部を背負おうとせず、

まずは今日できることとして、
お金の相談窓口に電話を一本かけて
みることから始めてみてください。

今日できることはあるのです。

助けを求めることは甘えではなく、
ご自身とお子さんの生活を守るための
立派な対処法です。

ー川畑のぶこ

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本日は、「お悩み相談」への回答をお休みし、
川畑のぶこからのメッセージをお届けします。
——————–
FROM 川畑のぶこ
   
こんにちは。川畑のぶこです。

毎日、仕事や家事、
人とのやり取りに追われ、
気がつけば一日が終わっている…。

そんな日々を過ごしている方も
多いのではないでしょうか。

実は、私たちは知らず知らずのうちに、
心だけでなく脳も疲れています。

「もっと前向きになろう」
「気持ちを切り替えよう」

そう思っても、なかなか
うまくいかないことがありますよね。

そんなときは、
無理に心を変えようとするのではなく、
いつもと違う環境に身を置いてみることを
おすすめします。

自然の中でゆっくり呼吸をする。
空や海を眺める。
何もしない時間を過ごす。

環境が変わることで
緊張していた心や体が自然とゆるみ、
本来の自分を取り戻しやすくなることが
心理学の研究でもわかっています。

今回のYouTubeでは、
そんな「リトリート」の考え方について
お伝えします。

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そして今年の夏は、
私の心のふるさとでもある沖永良部島で、
3泊4日のリトリートを開催します。


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美しい海や満天の星空、
ゆったりと流れる島時間の中で、

自分自身をやさしくもてなし、
本来の自分に帰る時間を
ご一緒できたら嬉しく思います。

詳しい内容や、私が沖永良部島を
おすすめする理由についても
お話ししていますので、
ぜひ、続きは動画でご覧ください。

動画の視聴は、こちらからどうぞ。

 

*  *  *

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【Q】医療系の営業事務として働いています。

失敗を隠したり、他人のせいにしたりする
年下男性で営業職の同期社員に
辟易しています。

彼は口が達者で、上司も先輩も
注意すると倍以上で返ってくるため、
注意を諦めている状態です。

上司、先輩に相談した際、
実際にそう伝えられました。

失敗を隠したり、
事務の私のせいにするため、
その弁明に時間を取られたり、
揚げ足を取られたりしないように
神経を使います。

現在は、指示内容の証拠が残るよう、
会話はほとんどせず
チャットで指示を出しています。

話さなければならない場面や指示を出す時に、
恩を仇で返されるとわかっているのに
親切にしてしまったり、
過緊張してしまったりする自分が嫌です。

いい人と見られたい欲から来ているのかな
と思います。

彼は変わらないとわかっているので、
自分の心構えを変えることが
必要だと思いますが、
どういう心がけや行動が必要でしょうか?

【アヤ・20代・女性・営業事務】

【A】アヤさんの周囲との調和を
大切にできる優しいお人柄と、
誰に対しても丁寧に誠実に対応しよう
という努力が伝わってきます。

これは、
アヤさんの素晴らしい資質だと思います。

同時に、アヤさんの心のエネルギーは
身体のエネルギーと同様に有限です。

適切につかわないと
いずれ枯渇してしまいます。

ですので、この貴重なエネルギーは、
それを真摯に受け取るに相応しい
大切な人たちのために取っておくことを
お勧めします。

 
己の失敗を認めず、それどころか
周囲やアヤさんのせいにしてしまう同僚が
近くにいるのは、本当にエネルギーを
消耗することだと思います。

その同僚は、上司や先輩でさえ
注意すると倍以上になって返ってくるので
指導を諦めている状況とのことですから、

アヤさんの努力で変わるということは
ほぼないと考えて良いでしょう。

このような人とは適度な距離感を取って
接することが重要です。
 
その中で、アヤさんが、口頭ではなく
チャットを活用し、指示や経緯を記録に残す
という工夫をされていることは、

とても現実的で賢明なリスク管理であり、
すばらしいバウンダリー(境界線)の
引き方です。

こちらは良策として継続してみてください。

 
同時にアヤさんの内面の課題にも
取り組んでみてください。

本当にアヤさんを苦しめているのは、
その同僚の存在そのものよりも、

「こんな相手だと分かっているのに、
親切にしてしまう自分」だということにも、
アヤさんはすでにお気づきなのですね。

ご自身で「いい人と思われたい」気持ちが
あることを分析されていますが、

まず、私たちは社会的な生き物ですから、
相手との対立を避けたい、
円滑に仕事を進めたい、
好意的に思われたいと願うのは
当然のことですし、

多くの場合そのような姿勢が
人間関係に良好に作用するでしょう。

ただ、度が過ぎると
それはネガティブに作用してしまいます。

アヤさんの

「社会人として誠実でありたい」
「礼儀は尽くしたい」
「相手が誰でも丁寧に接したい」

という美しい姿勢が、

「どんな相手にも
    必要以上に配慮しなければならない」

と変化すると、
自分自身を苦しめることになります。

境界線のない優しさは結果的に
自己犠牲につながってしまうのです。

その親切心をぜひ、「丁寧な事務処理」
に置き換えてみてください。

 
アヤさんがご自分の行動の目的を
明確にすることは、
心を安定させる助けになります。

おそらく、アヤさんの注意はこれまで
良好な人間関係を築くことに注がれていた
ことと思いますが、これからは、
業務を適切に遂行することに注いでみます。

親切心ではなく、丁寧な事務処理です。

挨拶はきちんとしますし、
必要な連絡もします。
また、礼儀も尽くします。
ただし、
それ以上の心理的な働きかけはしません。

ホテルの受付や銀行の窓口のように、
淡々と、しかし礼儀正しく業務を遂行する
イメージです。

相手の感情の責任までは負う必要はなく、
ビジネスマナーをもって接するだけで
十分です。

いったん「いい人」から離れてみて、
「健全な人」を目指してみてください。

「いい人」でいようとすると、
理不尽な相手にも必要以上に
尽くしてしまい消耗しますが、

この背景には、「誰からも好かれたい」
心理が隠れています。

ただ、「皆から好かれる」ことは
そもそも不可能です。

不毛なチャレンジをする代わりに、
自分の尊厳を守れる人になることを
目指してください。

これは毅然としたプロフェッショナルの
姿勢でもあります。

 
プロは、相手に応じて
使うエネルギーも適切に変えます。

たとえば、飛行機のサービスは、
ファースト、ビジネス、エコノミーと
クラスごとで変わりますね。

これに文句を言う人はいないでしょう。

これは客がそこにどのような価値を見出して
エネルギー(お金)を使うか、
に対応するサービスの差です。

アヤさんも、同僚がアヤさん(や周囲)に対して
どのような価値と、どのようなエネルギーを
もって接しているのかを振り返ったうえで、

相手が受け取るにふさわしい
心のエネルギーで接してみてください。

心のエネルギー配分を変えるだけで、
ぐんと楽になるはずです。

 
同時に、相手の立場も理解してみます
(同調する必要はありません)。

相手がまた責めてくる、
揚げ足を取ってくる、というときは、

「相手は自分の課題に直面しているのだな」
と自分の課題と相手の課題を
区別して考えてみます。

責任転嫁や言い訳、揚げ足を取るなどは
多くの場合、相手の未熟さや不安、
自信のなさから生まれる防衛反応です。

アヤさんの価値や能力とは、
何の関係もありません。

職場には残念ながら、一定数、
責任転嫁や自己防衛を繰り返す人がいます。

その人の課題を、
私たちが背負う必要はありません。

もし理不尽なことを言われたら、心の中で
「ああ、また彼の課題が始まったな」と
一歩引いて眺められるようになると、
心はずいぶん楽になります。

心理学では、このような俯瞰した状態で
物事を観察することをメタ認知と呼びます。

感情の中に飲み込まれるのではなく、
一歩外から観察する姿勢です。

対面の必要があるときも、
漫然と相手に合わせて話をするのではなく、

時間を短めにする、「予定があるので
5分ほどでお願いします」など、
時間の境界線を引いて、

相手が土足であなたの大切な時間や心に
入り込めないようにすることも大切です。

そうすることで、相手の反応に
心が振り回されにくくなります。

 
相手の言いがかりに弁明したくなったときも、
事実だけを示します。

「それはあなたのせいだ」と言われても、
感情的に反論したり、弁明したりせず、
チャットという証拠をもって

「○月○日のチャットのとおりです」
「指示内容はこちらになります」と、
事実だけを淡々と提示すれば十分です。

事実は議論するものではなく、
単に確認することです。

ですので、
弁明よりも、説明を心がけてください。
 
「冷たいと思われるかも」
「嫌な人だと思われるかも」
という不安が出てきたら、
ぜひ思い出していただきたいのは、

相手の評価は、
その人個人の都合による評価であって、
私という人間の真の評価ではない
ということです。

とくに、自己中心的な人や依存的な人は、
境界線を引く人を「冷たい」とか
「いじわる」と感じるかもしれませんが、
それは相手の自己都合による評価です。

私たちは、
万人から100点をもらう必要はありません。

なにより、アヤさんご自身が

「私は誠実だった」
「私は礼儀を尽くした」
「私は自分の仕事をきちんと果たした」

と、胸を張ってご自身に言えることが、
ずっと大切です。

このようにご自身を大切に守る姿勢が
育まれるほどに、相手に振り回される
時間もエネルギーも少しずつ減り、

その分、本当に大切な仕事や人間関係に
心を注げるようになるでしょう。

ー川畑のぶこ

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あすかさん(50代・女性・派遣社員)
のご相談にお答えします。

【Q】いつも川畑先生の
的確で温かなアドバイスに励まされ、
自分自身に当てはめながら
勉強させていただいています。

「どんな小さなことでも相談してください」
とのお言葉に背中を押され、
思い切って相談させていただきます。

私は14年間勤務した職場を退職し、
転職を考えていた時期に、知人から
「新しく開業するので一緒に働かないか」
と声をかけていただきました。

信頼していた方からのお誘いだったことも
あり、思い切って転職しました。

仕事は専門的な内容で、
勉強しながら取り組んでいましたが、
私は物覚えが早い方ではなく、
なかなか思うように戦力になれませんでした。

その後、正社員として男性が入社し、
人件費の関係から
「誰か一人の勤務時間を減らしたい」
という話になりました。

そして数か月後、私に対して
勤務時間を減らしてほしいと言われました。

私は、当初聞いていた条件と違うのでは
ないかと伝えたのですが、
「契約は更新制です」と言われました。

私は更新制だと知っていたら
転職しなかったと話したところ、

「半年間あなたの仕事ぶりを見て、
戦力にならなければ更新しません」
と告げられました。

結局、その言葉を受けて
自分で転職先を探し、退職しました。

その後の転職先も業績不振により
契約更新がなくなり、
一時はアルバイト生活をしましたが、

現在は派遣社員として
希望に近い仕事に就いています。

客観的に見れば、その出来事から3年が経ち、
仕事もあり、前に進んでいるはずです。

しかし、今でも当時のことを
何度も思い出してしまいます。

突然条件を変えられたこと、
自分の能力を否定されたように感じたこと、

信頼して転職しただけに
裏切られたような気持ちが
残っているのかもしれません。

過去の出来事だと
頭では理解しているのですが、
心がついていかないようです。

本当の意味で前に進むためには、
私はこの出来事とどのように
向き合えばよいのでしょうか。

ご助言いただけましたら幸いです。

よろしくお願いいたします。

【A】あすかさん、
とてもつらい経験でしたね。

信頼していた相手からの出来事だからこそ、
傷は深くなりますし、

「もう過去のこと」と頭で分かっていても、
心が追いつかないのも
自然なことだと思います。

ただ、私は今回のお話を伺っていて、
あすかさんの苦しみは

「仕事の評価」と「自分という人間の価値」
が心の中で結びついてしまっていることに
あるように感じました。

仕事上の判断と、自分自身の存在価値は、
本来別のものです。

今回の経験は決して望んだものでは
ありませんでしたが、

この出来事から何を学び、これからの人生に
どう生かしていくかによって、
苦しい経験を”傷”のままで終わらせることも
“成長”へと変えていくこともできます。

傷ついた出来事を「人生の学び」へと
変えていく考え方や、過去に縛られず
前を向くためのヒントについて、
動画で詳しくお話ししています。

 
動画の視聴はこちらからどうぞ。

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【Q】川畑先生、こんにちは。

ためになるメルマガを、
いつもありがとうございます。

自分の性格について相談させてください。

少し前に
ぎっくり腰になったことをきっかけに、

「人に頼ることができない私は、
人を信頼できない人なのかもしれない」
と考えるようになりました。

痛みで思うように動けない中でも、
「これくらいならできる」と家事を続け、
仕事も休まずに行っていました。

大学3年生の一人娘がおり、
授業のない日は家にいることも多いので、
家事や買い物などを頼むこともできたはず
なのに、気づけばいつも通り
全部一人でやっていました。

そして、そんな私を見て、娘からは
「お母さん、なんでも一人でやりすぎだよ。
もっと頼ればいいのに」と言われました。

その時は、「そんなことないよ」と
笑って返しましたが、その言葉が
なぜかずっと心に残っています。

今思い返すと、もしかしたら娘は、
そんな時くらい自分に頼って欲しかった
のかも、頼ってもらえないことを
寂しく感じたのかも、
という気もしてきました。

振り返ると、
私は昔から人に頼ることが苦手でした。

仕事でも、家のことでも、
「自分でやった方が早い」と思ってしまい、
つい何でも引き受けてしまいます。

夫はまだ働いており、
娘と3人暮らしですが、家事も
「頼むくらいなら自分でやった方が気が楽」
と思い、結局ほとんど私がやっています。

また、同じ町内で一人暮らしをしている母も
高齢になり、通院の付き添いや買い物なども、
できる限り私が動いています。

職場でも、「悪いから」「忙しそうだから」
と思うと、人にお願いすることができません。

その代わり、自分が少し無理をすればいい、
とこれまでずっと考えてきました。

でも最近、その“少しの無理”が積み重なって
きているのか、疲れが抜けづらく、
休日は何もする気が起きず、
一日寝て終わってしまうこともあります。

夫からも、
「そんなに一人で抱え込まないで、
もっと人に頼ればいいのに」と言われます。

頭ではその通りだと思います。
でも、人にお願いすることに
強い抵抗があります。

迷惑をかけるくらいなら、
自分が頑張ればいい。

そんな考えが、いつの間にか
当たり前になっていました。

一方で、「どうして私ばかりこんなに
頑張っているんだろう」と感じることもあり、
そんな自分にも嫌気が差します。

頼れないのは、
責任感が強いからなのでしょうか。

それとも、人に迷惑をかけてはいけないと
いう思い込みが強すぎるのでしょうか。

はたまた、
人を信頼していないのでしょうか。

50代も半ばになり、
このままでは心も体もこれまでのようには
続かない気がしています。

私はこれから、自分の性格と、周囲の人と、
どんなふうに関わっていけば
よいのでしょうか。

【サリー・50代・会社員】

【A】サリーさん、
いつもメルマガをお読みくださり、
ありがとうございます。

ぎっくり腰をきっかけに、
ご自身の生き方を見つめ直されたのですね。

私たちは体に不調が起きると、
「早く治さなければ」と考えがちですが、

ときに身体は、頭では気づかなかった
人生の大切な課題を
教えてくれることがあります。

私の師であるサイモントン博士は、
病気には痛みや苦しみのみならず、
恩恵といえる側面が必ずあると説きます。

もちろん、病気になってよかった
という意味ではありません。

病気が、無意識のうちに、
そしてときに否定的なかたちで、

それまで満たされてこなかった
大切なニーズを満たそうとする
はたらきがある、という見方です。

サリーさんの場合、ぎっくり腰は
「助けてもらう」「休む」「支えられる」
「人とのつながりを受け取る」という、

これまで後回しにしてきた
大切な真のニーズに
気づかせてくれたのかもしれません。

サリーさんご自身の問いに、
「私はなぜ人に頼れないのだろう」
というものがありますが、

その理由として、私たちは
「頼る」ことを「脆弱さ」や「未熟さ」
と受け止めてしまいがち
ということがあると思います。

サリーさんのように、責任感が強く、
人への配慮ができる人ほど、
この悩みを抱えやすいものです。

そして、
「自分でやった方が早い」
「迷惑をかけるくらいなら私がやればいい」
「忙しそうだから頼むべきでない」

などと、家庭でも職場でも、
そしてお母様のことも、
ご自身が中心となって
支えてこられたのではないでしょうか。

サリーさんのそのような姿勢に
助けられてきた人はたくさんいるはずですし、
そのような献身的な生き方を
否定する必要はないでしょう。

ただ、身体はアタマよりも正直で、
サリーさんもお気づきのように、

その優しさが長年積み重なるうちに、
ご自身の心と体が少しずつ疲弊してきた
可能性は否めません。

今回、身体が
「もうそろそろ荷物を下ろしてもいいよ」
と思いやりあるメッセージを携えて
やってきたように感じます。

「頼ること」は決して
「迷惑をかけること」ではありません。

ここで少し、
立場を入れ替えて考えてみてください。

もし、サリーさんにとって大切なご家族や
ご友人が、腰を痛めて思うように動けなく
なっていたら、サリーさんはどうされますか。

「代わりに買い物に行こうか?」
「何かできることある?」
「今日はゆっくり休んで」

きっと、自然にそんな思いやりある言葉を
かけるのではないでしょうか。

ところがその相手が、
「ありがとう。でも自分でやった方が早いし
迷惑をかけたくないので結構です」と言って、

痛みをこらえながら、
必死に何でも一人でやろうとしていたら、
サリーさんはどんな気持ちになるでしょう。

少し虚しい気持ちや、寂しく悲しい感情が
湧いてくるのではないでしょうか。

私たちにはみな
「相互扶助の精神」が宿っています。

困っている人がいれば「力になりたい」
「役に立ちたい」という気持ちは、
多くの人が自然に持ち備えているものです。

心理学でも、人は
「誰かの役に立てている」
「必要とされている」と感じることで、
幸福感や生きがいが高まることが
わかっています。

アドラー心理学では、
それを「共同体への貢献感」として
人の幸福の大切な要素と考えていますし、

近年の自己決定理論でも、
「誰かの役に立てた」という有能感や
人とのつながりを感じることが、
心の健康につながることが示されています。

つまり、「頼る」ことは一方的に迷惑を
かけることではないということです。

それどころか、相手に
「役に立てる喜び」や「貢献する機会」
を贈る、大切な行為でもあるのです。

娘さんが
「お母さん、もっと頼ればいいのに」
とおっしゃったのも、
「私もお母さんの力になりたい」という
気持ちが込められていたのかもしれません。

「頼られたい」「大切な人の役に立ちたい」
と願う人は、私たちが思っている以上に
多いものです。

そして、もう一つ大切な視点として、
人は、頼られたり期待されたりすることで
成長することがあります。

娘さんは、お母さんを手伝うことで
生活力が育ち、ご主人も、家庭を支える
実感を持つことができることと思います。

職場で、仕事を任されることで経験を積み、
自信を深めていくのと一緒ですね。

全部自分で抱え込むことは、一見すると
周囲への思いやりのように見えますが、

ときには相手が成長する機会や、
誰かの役に立つ喜びまで奪い取って
しまうことにもなりかねません。

これまでの人に頼らないサリーさんの
自立心あふれる信念は、
当時のご自身を守るためには
必要な知恵だったことと思います。

でもいま、その知恵の旬は過ぎて、
新たな価値観に入れ替える時期が
訪れたのかもしれません。

価値観の断捨離ですね。

もちろん、何でも人任せにしましょう
という話ではありません。

ほんの小さなことから…たとえば、

「牛乳だけお願い」
「洗濯物を取り込んでくれる?」
「今日は食器洗いをお願いできる?」

のような、小さな依頼をすることから
第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

そして、頼んだ後は100点を求めず、
「ありがとう」で終えてみてください。

頼ることが苦手な人ほど、
「やっぱり私がやった方が早かった」
と採点を始めてしまいがちです。

でも、人はそれぞれやり方が違います。

80点でもいいし、ときには60点でもいい。

そんな柔軟さもまた、
「人を信頼する」うえで
大事な学びのプロセスです。

病気は、そんなこだわりを捨てて
柔軟さを得るために、私たちの人生がかける
「強制終了ボタン」のようなもの
かもしれません。

人生は、
「いかに一人で頑張り続けられるか?」
の競争ではありません。

支える日があれば、支えられる日もある。

サリーさんはこれまで
たくさんの人を支えてこられましたので、

これからの人生では
「支える力」と同じくらい、
「支えられる力」も育ててみてください。

その循環の中で、人はつながりを感じ、
生かされ、生きる意味を育んでいくのだと
思います。

サリーさんがこれまで誰かを助けることに
喜びを感じてきたように、今度は周囲が、
サリーさんを助ける喜びを味わわせて
あげてください。

それもまた、相手への信頼であり、
思いやりなのです。

ー川畑のぶこ

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れもんさん(50代・女性・パート)
のご相談にお答えします。

【Q】50代のパート主婦です。
子どもは二人とも社会人となり、
夫婦二人の生活が5年ほどになります。

最近、夫を怒らせることが増え、
「家を出て行ってくれ」と言われ、
実際に家を追い出されました。

夫は50歳手前で会社を辞め、
不動産賃貸業を始めました。

もともとはシステムエンジニアでしたが、
残業続きで体調を崩しかけたこともあり、
賃貸収入だけで生活できるようになった
タイミングで脱サラしました。

今では中古の収益物件を購入し、
自らリフォームや管理を行っています。
私もパートをしながら時々手伝っています。

ただ、本音を言うと、
土日までリフォームや清掃を
手伝わなければならない生活に、
長年不満がありました。

「普通のサラリーマン家庭だったら
こんなことをしなくて済んだのに」
と思っていたのです。

一方で、私には夫との信頼関係を
損ねる出来事もありました。

夫が嫌っている宗教に18年間
内緒で通っていたことが発覚し、

その時に「宗教はやめる」
「嘘はつかない」
「偉そうな態度を取らない」
と約束しました。

そんな中、今年の春、夫が
長男に中古物件を買わせてはどうか
という話を持ち出しました。

長男は不登校を経験し、
就職した会社も数年で辞め、
現在は職業訓練校に通っています。

威圧的な人との関わりが苦手で、
私たち夫婦も、長男は
サラリーマンとして働き続けるのは
難しいかもしれないと思っています。

だからこそ夫は、長男が
賃貸収入を得られるようになり、
自分が培ってきたリフォームの
ノウハウも引き継げる機会になれば
と考えていたようです。

ただ、その物件は破格の安さである
一方、土台の石垣は崩れ、
家も傾いていました。

私はあまりにも危険な物件に思え、
購入に反対しました。

すると夫は激怒しました。

「俺は長男のためを思ってやっている
のに、お前は批判ばかりだ。
嘘ばかりついてきたヤツが、
なぜそんな偉そうに言えるんだ。

あの時の約束を忘れて、
怒られなかったら調子に乗る。
ずっと人をなめている」

と言われました。

私は謝りましたが、
その後も何度か夫の怒りを買い、
家を出るよう言われました。

夫の言い分は一貫しています。

「不動産も畑仕事も
家族のためにやっている。
作業を手伝わなくてもいいが、
批判や命令はやめてほしい。

作業をしないなら、
せめて関連業者とのやり取り
ぐらいはしてほしい」

というものです。

私は命令しているつもりはないのですが、
夫にはそう受け取られているようです。

夫は普段、不満をため込むタイプで、
ある日突然爆発します。

私はいつ夫の逆鱗に触れるのか
分からず戸惑っています。

また、私の再三の思いやりのない言動
に対し、夫はこれまで何度も
冷静に話を聞こうとしてくれたのに、

私が言い訳をしたり、
「何が悪かったのか分からない」と
言ったりすることで、
「性根が腐っている」と思ったそうです。

離婚は望んでいません。

でも、今、帰ることを許されたとしても、
私の心の中が変わらなければ、
また同じことを繰り返してしまう気が
しています。

私は本当に
夫に感謝できていないのでしょうか。

家族のために働いている夫を心から尊重し、
感謝できるようになるには
どうしたらよいのでしょうか。

また、夫が言うような
「性根を叩き直す」とは、
どういうことなのでしょうか。

アドバイスをいただけたら幸いです。

【A】れもんさん、
ご相談ありがとうございます。

突然、ご主人から
「家を出て行ってくれ」と言われ、
夫婦関係がここまでこじれてしまったこと、
本当にお辛かったですね。

ご主人のため、家族のためを思って
伝えた言葉のはずなのに、
それが「批判」と受け取られ、
お互いの気持ちがすれ違ってしまう…。

どうしたら関係を立て直せるのか、
途方に暮れてしまうお気持ちも
よく伝わってきました。

私はまず、お二人とも
「わかってほしい」「認めてほしい」
という思いを抱えながら、
すれ違ってしまっているように感じました。

感謝できていないのではなく、
その思いが相手に伝わる形に
なっていないのかもしれません。

夫婦関係を変えるために大切なのは、
「もっと感謝しなければ」と
自分を責めることではなく、

感謝や信頼を”どう伝えるか”という
コミュニケーションを見直すことです。

相手を否定せず、自分の思いや不安を
どう表現すれば伝わるのか。

関係を修復するための具体的なヒント
について、動画でお話ししています。

夫婦のすれ違いに悩んでいる方にも、
ぜひご覧いただければと思います。
 
動画の視聴はこちらからどうぞ。

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【Q】川畑先生こんにちは。
実母84歳について相談させてください。

今年3月末に父を認知症の末に亡くし、
父の葬儀5日後に
今度は母が脳梗塞で倒れました。

病気の治療とリハビリのため
1ヵ月半ほど入院した後、退院しました。

半側空間無視という後遺症が残りましたが、
家で過ごすことはできるように
なってきています。

ただ、後遺症の1つになるのか、
不安障害が強く、
今少しずつできていることよりも
起きていないことへの不安が過度で、
どうしても苛立ってしまいます。

私の弟は母と同居していて、
父が亡くなった後、
本当によく面倒をみています。

私は職業柄、病院の付き添いや
医師からの説明をわかりやすく
母に説明することや、
介護申請を含めたいろいろな段取りは
私の役割として勤めていますが、

感謝をしているという言葉を口にする
ものの、常に顔を歪め、不安を象徴する
ような眉間に深く刻まれた皺を見ると、
どうしても関わりを最小限にしたいと
思う自分がいます。

その理由は、父が亡くなる際に、
母がどうしても家で看取りたくないという
独特な思想を持っていて、

それに対して
とても強い違和感を持ちながら、
葛藤しながらも奔走し、

父の介護サービスの手続きも
全て私がやっていたからです。

結果的には、母の思い通りに、
家で看取ることなく
救急車の中での最期でした。

その出来事がどうしても引っ掛かり、
許せずにいます。

短い期間で起きた親問題に翻弄された私に、
アドバイスをいただけませんでしょうか。

どうぞよろしくお願い致します。

【キャリコ・50代・看護師】

【A】お父様を亡くされた悲しみも
癒えないうちに、お母さまが脳梗塞で倒れ、

入院やリハビリ、介護保険の申請、
医療機関とのやり取りなど、
本当に目まぐるしい日々を
過ごしてこられたのですね。

しかも、看護師というお立場から、
ご家族の中では自然と
「説明役」「調整役」「問題解決役」を
担われてきたことと思います。

キャリコさんが、今感じていらっしゃる
お母様への苛立ちは、
思いやりが足りないからではなく、

むしろ、それだけ責任感をもって
懸命に家族を支え続けてきたからこその
心の反応だと思います。

ご相談から、
「母を許せない娘」ではなく、
「父の最期まで誠実に向き合おうとした娘」
の姿を感じました。

キャリコさんにとっては、
お母様の不安そのものよりも、
お父様の最期についてのわだかまりによって
お母様を許せない気持ちが強いのですね。

「家では看取りたくない」というお母様の
気持ちに、キャリコさんは強い違和感を
覚えながらも、自分の気持ちには蓋をして、
お母様の希望を尊重したのですね。

そして結果として、お父様は救急車の中で
最期を迎えられた出来事が、
キャリコさんの心の中で

「あれで本当に良かったのだろうか。」
「もっと違う形があったのではないか。」

と、未だに十分に整理されていないのが
感じられます。

そんな思いが残っているからこそ、
今、お母様の不安げな表情や悲観的な言葉に
触れるたび、当時の葛藤が呼び起こされて
しまうことと思います。

私たちは、解決できていない悲しみや怒りを
抱えていると、その感情のきっかけとなった
相手の言動に敏感になります。

おそらく、
今キャリコさんが反応しているのも、

現在のお母様だけではなく、
ご自身の未解決な気持ちを呼び起こす
「あのときの母」に強く反応していることと
思います。

ただ、ここでキャリコさんに
一つ忘れないでいただきたいことがあります。

それは、
お母様も、キャリコさんも、お父様も、
誰もが、その時点での限界の中で最善を
尽くしていたということです。

キャリコさんは、お父様にとってできる限り
良い環境を整えようと全力を尽くされました。

お母様もまた、家で看取ることへの恐怖や
自分にはその責任を負えないという
限界の中で、

「病院で看てもらいたい」という選択を
されたのではないでしょうか。

それがキャリコさんの価値観とは
一致しなかったとしても、お母様なりの
精一杯だった可能性があります。

夫の存在が大きいからこそ怖く辛く、
正面から死に向き合えなかったのかも
しれません。

その直後に脳梗塞になったという経緯からも、
口にせずとも、お母様にとって夫の死が
いかにダメージがあったかが伝わります。

キャリコさんもおそらくそのことには
気づいていたので反対せず、

救急車の中で逝くことなどは想定せずに、
お母様の意に沿った流れを支援したのでは
ないでしょうか。

もちろん、救急隊員を含む医療者も
介護者も、それぞれの立場で
最善を尽くしていたはずです。

振り返れば、「もっとこうすればよかった」
と思えることはあるかもしれませんが、

しかし、それは結果を知っている今だから
見える景色であり、

そのとき、その場で、
それぞれが持てる力と情報の中で
選択していたことも、
同時に忘れないでいただきたいのです。

そのように、お母様の行動をすぐには
許せなくても、その背後にある苦しみを
深く理解していくことは、
キャリコさんの癒やしにとって
大切なプロセスとなると思います。

まずは、

「私はまだ怒っているんだな。」

「私は父のことをそれだけ
 大切に思っていたんだな。」

と、ご自身の気持ちを
認めてあげてください。

もう一つ、キャリコさんの苦しみは、
親の感情の責任まで背負おうとしていること
によるものではないかということです。

キャリコさんは、看護師というご職業柄、
「苦しんでいる人を安心させなければ」
「不安を取り除かなければ」という姿勢が
自然と身についているのかもしれません。

ですので、
お母様の辛そうな姿を見ることで、
ご自身の不甲斐なさを感じて
辛くなるのかもしれません。

ただし、お母様が不安になること、
お母様が悲しむこと、
お母様が将来を心配することは、

お母様自身が向き合っていく人生の課題で
あって、キャリコさんが責任を取れる範囲外
のことです。

キャリコさんは、
寄り添うことや話を聴くこと、共感すること
はできても、相手の不安を消すことや、
安心を保証してあげることはできません。

相手の感情の責任は、最終的には
相手本人しか負うことができないのです。

もし、「母を安心させる責任は私にある」
という思い込みがあると、お母様の不安は
そのままキャリコさんの重荷になり、

それが積み重なるほど、
疲れや苛立ちとなって表れてしまいます。

ですから、お母様の不安は受け止めつつも、
その先の

「安心させなければ」
「何とかしなければ」

までは引き受けることなく、
手放す勇気が必要です。

家族といえども、適度な距離を保ち、
一本の境界線を引いてよいのです。

それは決して冷たい態度ではなく、
お母様の人生を尊重する態度でもあります。

自分の不安と向き合い、折り合いをつけて
いく力は、本来お母様自身の中に
育まれていくものだからです。

キャリコさんは、お母様の伴走者には
なれても、お母様の人生や感情の運転手
にはなれません。

どうか今は、
お母様を変えようとすることよりも、

「私は本当によくやった」

「私もあのとき、
 私なりの最善を尽くしていた」

そう、ご自身を労う時間を
大切にしてください。

その優しさをまず自分自身に向けられたとき、
お母様との関係にも、きっと少しずつ
穏やかな風が吹き始めることでしょう。

「母も同様に、私の理想通りではないが、
 彼女のその時点での最善を尽くした」

と受け入れることができるようになるかも
しれません。

許しは、
無理な努力をして生み出すものではなく、

十分に悲しみ、十分に怒り、
自分自身もまた限界の中で最善を
尽くしていたことを認められたとき、
結果として心に訪れるものです。

今その大切なプロセスにいることも
覚えておいてください。

最後に、キャリコさんはお父様に
手を合わせることはありますか?

もし、お父様のたましいが今もどこかで
継続していて、キャリコさんやお母様を
見守ってくれているのであるとすれば、

自身の人生の卒業式の場所について、
未だにこだわり苦しんでいる娘を
見守ることをどう思うでしょうか?

そのように自分のことを大切に思って
くれている娘がいるということ自体が
何よりも大切ではないでしょうか。

肉眼や肉声でやりとりができずとも、
ぜひ、心の声でお父様と対話をして、
これからも良い関係を継続してみてください。

ー川畑のぶこ

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