【Q】川畑先生、こんにちは。
孫のことで相談させてください。
私は65歳で、夫と二人で暮らしています。
一人娘(38歳)は、夫と小4の男の子、
小2の女の子の4人暮らしです。
娘たちは少し離れたところに住んでいるので
普段は2〜3ヵ月に1度会うくらいですが、
孫たちがかわいくて
会えるのをいつも楽しみにしています。
先日、お盆休みに
娘と孫たちが数日泊まりに来ました。
久しぶりにみんなで過ごせるのが嬉しくて、
私は張り切ってしまいました。
孫たちが起きる前に朝食を用意したり、
好きそうなものを買っておいたり、
汗をかいたらすぐ使えるように
タオルを出しておいたり。
「暑いから外に出るなら帽子をかぶってね」
「そろそろお風呂に入ったら?」
「明日は出かけて疲れるから、
今日は早く寝た方がいいよ」
と、ついあれこれ言ってしまいました。
娘からは、
「もう小4なんだから、自分でできるよ」
「そんなに先回りしなくても大丈夫だよ」
と、何度か言われました。
孫たちからも、「大丈夫だよ」
「自分でやるから」と言われることがあり、
少し嫌がられているのかな、
と感じる瞬間もありました。
それでも、私からすると、まだ小学生です。
転んだり、忘れ物をしたり、
暑い中で無理をしたりしないかと心配ですし、
せっかく一緒にいるのだから、
できることはしてあげたいと
思ってしまいます。
娘からは、「お母さんは昔から、私のことも
何でも先回りしてやってくれたよね」と、
ちょっとチクリとした感じで言われました。
そう言われると、確かに私は昔から、
家族が困らないように、先に気づいて
動くことが多かったと思います。
娘や孫たちが帰ったあとは
家の中が急に静かになって、
少し寂しく感じました。
でも同時に、どっと疲れが出ました。
数日間、朝から食事の準備や片付けをして
孫たちのことを気にかけていたので、
自分でも思っていた以上に
気を張っていたようです。
娘から言われたことも、
あとになって気になっています。
「お母さん、
もう少し何もしなくていいんじゃない?」
「私たちは私たちでやるから」
そんな言葉が、頭に残っています。
娘や孫たちのためにしてあげたいという
気持ちは、私にとって負担ではありません。
むしろ、頼られることも嬉しいですし、
孫たちが喜ぶ顔を見るのが
私の楽しみでもあります。
でも、最近は「私は少し世話を焼きすぎ
なのかな」と思うようにもなりました。
孫が大きくなっていくにつれて、
私のしてあげられることも
変わっていくのかもしれませんし、
実際にもうそれが
始まっているのかもしれません。
それでも、かわいい孫を見ると、
つい手や口を出してしまいます。
私は、いつまで、どこまで、
孫のことに関わっていいものでしょうか。
かわいくて、してあげたいと思う気持ちと
少し距離を置いた方がいいという気持ちに、
どう折り合いをつければいいのでしょうか。
【はな・60代・女性・パート】
【A】はなさん、こんにちは。
お盆の数日間、朝から晩まで
娘さんとお孫さんたちのために
動き続けていらしたのですね。
みんなが帰ったあとの静けさに寂しさを
感じるのは、はなさんが長年育んで
こられた愛情の証だと思います。
娘さんの「お母さんは昔から先回りして
やってくれたよね」という言葉には、
少しチクリとした響きもあったかも
しれませんが、
それだけ支えられてきたという
感謝も含まれているはずです。
そして、お孫さんたちから返ってきた
「自分でできるよ」「大丈夫だよ」
という言葉は、
はなさんを拒んでいるのではなく、
成長の合図であり、
本来喜ぶべきサインです。
自立心のある子たちに育っている、
その証でもあります。
心理学的に見ると、
乳幼児期から幼年期にかけては、
周囲が先回りして世話をすることが
安心感や愛着の土台になります。
ですが、小4・小2という学童期は、
「自分でやってみたい」
「自分の力を認めてもらいたい」という
気持ちが育つ、次の発達段階です。
ここで祖母としての気遣いが
幼年期と同じ形で重なると、
お孫さんにとっては「信頼されていない」
と感じられることがあります。
これは、はなさんの愛情が間違っている
という意味ではなく、お孫さんが
幼年期から学童期へと歩みを進めている、
その途中にいるということなのだと思います。
これからは、
「できた!」「やったー!」という達成感を
はなさんが先取りするのではなく、
お孫さんご自身に味わってもらう——
そんな関わり方も一つの愛情表現です。
「自分でできてすごいね」と手柄を譲る
ことで、承認されたい気持ちも満たされ、
自立への後押しにもなります。
転んだり忘れ物をしたりする失敗も、
命や安全に関わる重大なことでない限り、
大切な学びの機会として
あたたかく見守ってあげてください。
真のサポートとは、
こちらが与えたいものを与えることではなく、
相手が真に必要としているものが
何かを確認し、吟味して与えることです。
そこには、あえて行動を起こさず、
経過を見守るということも含まれます。
目安としては、「求められる前に動くか、
求められてから動くか」を
意識してみることです。
帽子や水分補給など、安全に関わること
はこれまで通り声をかけて大丈夫。
お風呂や就寝時間など
本人たちで判断できることは、
聞かれたら答える、困っていそうなら
「手伝おうか?」と一声かける程度に
留めてみる。
それだけで、「してあげたい」気持ちを
我慢するのではなく、
形を変えて表現できます。
娘さんの「私たちは私たちでやるから」
という言葉も、冷たさではなく
「お母さんにも自分の時間を楽しんで
ほしい」という気持ちの表れかも
しれません。
相手を思う気持ちがあふれていても、
体の疲れは案外、
周りに伝わってしまうものです。
はなさん自身がゆとりを持って過ごせるほど、
娘さんもお孫さんたちも、安心して
自分たちの生活を歩んでいけるはずです。
ぜひ、はなさんご自身の体の声に
耳を傾けながら、ご自身のセルフケアを
大切にしつつ、お孫さんたちの成長を
サポートをされてください。
ー川畑のぶこ
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