180312

こんにちは。川畑のぶこです。

今日は、ヒロシさん(51歳・自営業(美容師))のご相談にお答えします。

~~~~~~~~~~~
51歳男性美容師です。独立して25年が経過しました。
以前はスタッフもいましたが、出産などで退職したりで、
ここ10数年は1人で経営しています。妻は会社員で子供は2人です。

8年前にお店を引っ越し新規にして間もなく、過呼吸になり、
その後、心療内科にてパニック障害と診断され、向精神薬と安定剤、
その他ウォーキングや瞑想や日光浴やらで、5ヶ月ほどで改善しましたが、
安定剤だけは睡眠前に1錠服用していました。


そんな日常でしたが、先日、妻の口の頬にちょっとしたシコリがあり、
歯医者にて診てもらい、2月に口腔外科にて病理検査となりました。
妻の母親が5年前に歯肉癌を患い、手術し、現在は入れ歯等で不自由に
していますが、元気に生活しています、

まさか妻も!と思った時から、妙に胸のざわめきや焦燥感、不安感に
とらわれてしまい、またパニックかと思い、心療内科に通院し始めました。
妻が不安な時に支えられない自分の弱さなのでしょうか、
よくわからない感情コントロール不能状態です、

妻はかなりのポジティブな思考で、なったら取ればいいことだから…と、
毎日、仕事と子供の世話をしています。

一方、私は、また不安で嫌な気持ちが出てしまいました。
再発してしまった後悔の念と、妻の結果が心配です。
先の事は考えても仕方のない事だと分かっていますが、頭の片隅にいつも、
検査の不安と自分の焦燥感があり、悩まされています。
~~~~~~~~~~~

もともと過呼吸やパニック障害と診断されていながら、
これが5ヵ月で改善したとのこと、かなりいい結果を辿られましたね。

そして、奥様の頬に、要は、がんの疑いがあるということで、
また、ざわざわして再発してしまったのですね。

それに対してヒロシさんは、自責の念や後悔の念があって、
こんなときに妻を支えられない自分が情けないという思いがある
のではないかと思いますが、実は、患者さんのすぐそばにいる人、
夫だったり妻であったり、親であったり子だったり、
いちばん身近にいるサポーターというのは「第二の患者」とも呼ばれます。

辛いのは患者さんだけではなくて、周りにいる人たちも同じなのです。
自分も「第二の患者だ」と見れば、パニックになったり、不安があったり、
焦りが出たりするのは当然のことなのだと受け止めてみてください。

また、愛する者ががんというような病気になったときの、心の持ちように
ついて。

がんは今となっては、手術すれば生存率が高いものや、寛解したり完治する
ものもある時代になってきていますから、何でもかんでも「がん=死」と
不安になる必要は全然ありません。

現に義理のお母様も、歯肉がんがあったけれども、オペをして今は元気に
生活されているのですよね。非常によい経過を辿っているわけですから、
がん=死ではないわけです。

でもやはり、がんのイメージとして、なんだかすごく攻撃的で恐ろしくて、
私たちをやっつけて、人生を惨めにしてくるというようなイメージを
ヒロシさんがお持ちになっているので、こういったざわめき、不安、
焦燥感が出てくるのだと思います。

愛する者がそういった社会的バイアスのかかった病気になったときに、
こうなるのは当然、それだけ愛がある証拠だと思うのもいいと思います。

ただ、ここからは、今、奥様が持っている病気が本当にただのちょっとした
しこりなのか、良性のしこりなのか、悪性腫瘍なのかというのは分かりま
せんが、仮に悪性腫瘍だと分かったときに、どのような心持ちでいたら
いいか、パニックにならなくて済むかということに関しては、
まず、病気というのは通過点であってゴールではないということを知って
おくとよいでしょう。

 
続きは、ビデオでお話しします……

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こんにちは。川畑のぶこです。

おととい(4/9)は、「ステージ4をぶっとばせ」と題して自分たちが主催した、
がんサバイバーの方たちのフォーラムがありました。

がんの進行度にはステージ0から4まであり、4は最も進行しているレベルなのですが、
そのステージ4のサバイバーの方たち4名が、病気と向き合いながら人生をどのように
輝かせて生きているかを語り、300名の参加者の方たちとシェアする会でした。

なかには、数年前の初診で「緩和ケアを」と勧められたという人もいらっしゃいました。
4名のサバイバーの方たちの、人生の困難に直面し、辛い感情を認めつつも、
そこに飲み込まれることなく、人生に起きる姿、
そして病気になったからこそ得られた好ましい変化や、感謝できることに意識を向けて
日々前進する、肩肘張ったポジティブさではない、しなやかな姿勢からは
私自身多くを学びましたし、目頭が熱くなるも のがありました。

人生には困難はつきものですし、どうしようもないこともあるものですが、
そのような局面を、穏やかな心を取り戻して前進することは重要なライフスキルであり、
幸福度というのは、人生に何が起きたかではなく、それぞれの出来事にどのように
向き合ったかに依存するのだという ことを再確認しました。

さて、今日は、60代の女性(匿名希望・求職中)から
「息子の治療方針で迷っています。」というご相談です。

~~~~~~~~~~~

25歳の息子の件です。17歳で高校中退後、統合失調症を発症しました。

幻聴に対してキレて、入退院を繰り返し、薬の効果が全くないので、
最後の薬を使える県外の病院に5カ月入院後、
現在は、その県で訪問看護を受けながら、アパート暮らしをしています。

が、最後の薬(登録病院しか使えない)の効果もほとんどなく、
被害妄想のために警察に電話したりしています。
一見、普通なので、分かりづらいのです。

あと考えられる治療は、電気治療だけですが、
今かかっている病院では電気治療は扱っていません。

病院を変えてでも電気治療を試みるべきか、様子を見るべきか、迷っています。

夫は、息子の病気におののくばかりで、全く頼りになりません。
こんな時こそ協力してほしいのに、状況から逃げてばかりで、不信感が募ります。

頑張って他の病院を検討するべきか、もう、なるに任せるか。正直疲れています。

~~~~~~~~~~~

統合失調症というのは、精神疾患のなかでも本当に大変で、
ご本人だけではなく家族が巻き込まれて、
かなり長期間にわたってストレスを強いられる病気だと思います。

お子さんが17歳のときからということですので、
8年間がんばってやってこられているのだなということが伺えます。

ちなみに、統合失調症は100人に1人ぐらいがなると言われており、
数字としては、喘息を患っている人と同じくらいの数の人がなると考えられるわけです。

要は、他人事ではないということです。

統合失調症はその病気の性質から、偏見を持たれがちです。
また、家族の方がカバーしたり、社会に出ないようにしたりして、
さらに問題が増幅してしまうことがあります。

ですから、まず周囲の人が理解していくということが大事なのはもちろん、
ご家族が周囲へ理解を促し、協力要請していくことも大きな課題です。

私は、治療に関して専門的なアドバイスをできる立場にはありませんが、
電気治療が残っているということですので、できることは最後までやってみようと思う
のであれば、セカンドオピニオンやサードオピニオンを聞いて、
最終的にどうするか、ご家族で決めていかれたらよいと思います。

なかなか頼りにならないというご主人への働きかけ方について、
また、今後の闘病生活において、息子さんのサポーターとして、
ご相談者さんがどのような動きをとったらよいか、病気とどのように関わり合ったらよいのか
について、続きはビデオでお話しします。
https://youtu.be/WMA09LHd1Jo

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こんにちは。川畑のぶこです。

3.11の黙祷は、近所の小児病棟からとなりました。

いったんはコートを脱いだと思ったら、先週は寒の戻りで、
私自身、体に負担を感じていたのですが、
幼稚園バスから降りてきた息子の咳込みが激しく、近所の病院で受診したところ
「通院か入院か悩ましいが、念のため1週間ほど入院」と告げられました。

えっ?念のためなのだから……1〜2日ではないの?と食い下がりたくなりましたが、
命や健康は何物にも代えがたく、とりわけ呼吸は生命線ですから、
素直に受け入れるしかありません。

昨年10月に引き続き、病院に付き添いで泊まりながら、
病院と自宅を行ったり来たりの日々となっております。

幸い、息子の咳は、酸素マスクと薬のおかげで、嘘のように止まりました。
機嫌もいつもと何ら変わらず、マスク越しにマシンガンのように話してきます。
延々続くしりとりは、「するめ」→「めかぶ」までディープに展開しています。

仕事の穴を埋めてくれた、サイモントン療法認定トレーナーで鍼灸師の佐々木弘氏が、
東洋医学的にみると、この時期は自分自身の中から全てのものを発散させようとする
時期なので、様々な身体反応がおこりやすいと教えてくれました。
何より「寝る」のがいちばんだそうです。

病棟は20時消灯、6時起床なのですが、おかげで息子だけでなく私自身、
刻々と身体が楽になってきているのを感じます。

読者の皆さんも、季節の変わり目に体調不良を感じていらっしゃる方もいらっしゃる
のではないでしょうか。ぜひ「とことん寝る」時間をつくられてみてくださいね。

さて、今日は、Kiwi様(40代・主婦)という女性から
「がん治療後の定期検査が毎回恐怖です。」というご相談です。

~~~~~~~~~~~
川畑先生
サイモントン療法の本を読み、できることを実践しています。

私は4年ほど前に初期のがんが見つかりました。
今は治療を終えて、元気に暮らしております。

初期であったため、症状は全くありませんでしたが、
当時はただただ心が不安と恐怖でいっぱいになりました。
「治療して治ったのだ、初期で見つかり私は何と幸運なのだろう」と感謝し、
しばらくは落ち着きを取りもどしました。

3か月~半年に1回は検査を続けるのが理想的だといわれ、
その通りに通院していますが、検査のたびに不安になるのが
今の一番の悩みであり、心に重くのしかかっています。

検査を続けるということは、もちろん再発の可能性がゼロではないからであり、
最初に病名を告げられた時の衝撃が毎回よみがえってしまい、
検査結果までの1~2週間が苦痛です。
このような心の苦痛は身体に悪影響だと分かってはいても、
自分の心をコントロールできません。

現代は予防医学が発達し、初期で病が見つかるのは大変ありがたい一方、
健康診断などでかえって多くの病気や症状を指摘され、不安をあおることになったり、
精神的に落ち込むという負の側面があるという記事を読んだことがあります。
確かに私も病気を告げられてからは、一般的な健康診断でさえ、結果待ちも
つらく感じられ、1つでも要再検査があるとまた恐怖の連鎖が始まってしまいます。

このような恐怖心をなくすのは難しいかもしれませんが、少なくしたり、
うまく付き合っていく気持ちの持ち方をアドバイスいただけたらありがたいです。
よろしくお願い致します。
~~~~~~~~~~~

再検査は、皆さん緊張なさいますね。
前日や数日前など、検査の寸前から不安になったりするのは
誰でも起こり得ることで、さほど心配しなくてもよいでしょう。

また、もしKiwiさんが、それが3ヵ月に一度であれ、半年に一度であれ、
その検査前だけ落ち込むのであれば、もうそれは乗り越えるしかない、
検査が終わればまた前進できる、今までもそうやって乗り越えてきた、
と割り切るのも一つですね。

ただ、それが検査の寸前ではなく、常にそのことばかり気になる、
検査が終わってもすぐに、そのまた3ヵ月後のことを気にしてしてしまう
ということであれば、KiwiさんのQOL(人生の質)を落としてしまいますから、
何らかの対応が必要です。

まず、頻度に関しては、「理想的」と言われている頻度とは別に、
Kiwiさんご自身が健康的に、生き生きと日々を過ごすために適切な頻度を、
もう一度考え、ご自身の心で決めていかれるとよいのではないでしょうか。

再発や転移の不安や恐怖は、その病気のステージや進行度に関わらず、
患者さん皆さんにあります。手術が終わり、抗がん剤治療や放射線治療も終わって、
一応完治したという人でも、やはり再発の不安で、
私のところへ定期的にカウンセリングに来られる方もいらっしゃいます。
やはりこの悩みは、根深いものがあると感じます。

次に、病気をどのように受け止めるかということです。
病気を攻撃者としてではなく、メッセンジャーとして受け止めてみる。
これは、初発であっても再発であっても、同じです。

病気をメッセンジャーとして、バロメーターとして使っている女性の例を、
ビデオでお伝えしますね。また、健全な「死生観」の育み方や、「今この瞬間」
をよりよく生きるために有効な「マインドフルネス」という、
仏教瞑想をベースにしたメソッドについてもあらためて触れてみたいと思います。

これは、まだ起きていない未来に連れ去られたり、起こってしまった過去に
引っ張られている意識を、今この瞬間に戻すにはとてもいいです。
ぜひ取り組んでみてくださいね。

続きはビデオでお話しします。
https://youtu.be/BFvG6VM0EYM

ーーー
ビデオ内でご案内した、がん患者さんのためのフォーラム詳細はこちらです。

●2016年4月9日(日)開催
「STAGE 4 をぶっとばせ!『がんでも幸せ』」乳がんサバイバーシップフォーラム」
ーーー

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皆さん、こんにちは。川畑のぶこです。

とても暑くなりましたが、皆さん、夏バテなどしていませんか。
先週、私は、蒸し暑い日本を脱出して、過ごしやすい気候のロサンゼルスに一週間行ってきました。

いつもは、皆さんからのお悩みのご相談にお答えしていますが、今日は、このロサンゼルスの旅で私が気づいたこと、感じたことを皆さんにシェアしたいと思います。

前回のメルマガでお伝えしましたが、この旅に先だって、私は左足を捻挫してしまいました。
旅の2週間前にギブスをはめられて、3週間は着けたままでないといけないとのことで、すごく憂鬱な気持ちで、自分の不運を呪っていました。

でも、そんな中にも意味があるということを、私自身、サイモントンの教えから学んだり、実践したりしていますし、何よりも、日々臨床で向かい合っている患者さんたちから、辛い病気の中にも必ず意味があるということを教えられています。

今回のけがもきっと何か意味があるのだろうと思い、「さあ、いったい何が起きるかな。何を学べるかな」という好奇心に切り替えることにしました。

すると、どうでしょう。
ハッピーでラッキーなことが次々と起きましたよ!

意味のない出来事など、ありません。
目線をちょっと変えてみるだけで、世の中や周りの人たちはまったく違って見えてきますし、そこからたくさんの気づきを得、恩恵を受けることができるのです。

さて、私が体験した、豊かで幸せな出来事の数々。
続きはビデオでお話ししています。
あなたにもハッピーが訪れますよう、ぜひシェアさせてくださいね。
https://youtu.be/1oygltY4sKM

 

PS
「最近、なんだかツイてない」
「私にばかり不幸が襲ってくる気がする」
……嘆きたくなるような気持ちになることが多いなら、
こちらのプログラムが役に立つかもしれません。

http://www.kawabatanobuko.com/sp/CPK_KSM/index_kw.php

 

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Pink festive Valentine's day background

断捨離メルマガ読者の方からいただいた、
川畑のぶこへの相談をあなたにシェアします。
――――――――――
【Q】同僚が乳がんの手術を受けます

同僚が、急きょ乳がんで全摘出手術をすることになりました。

みなに知ってほしいということで、お話があり、知りました。
以前にも一度手術をしたとのことです。

がんについての情報をネットで見てみたのですが、
生活習慣(食事・お酒・運動など)も影響しているようです。

手術前の今でも、高カロリーなものを食べたり、
お酒を飲んでいるのでびっくりしています。

本人は、
「食事に気を遣ったり、健康グッズをかって、気を付けている」
というので、注意するのも出すぎてるかと思い、悶々としています。

自身の親戚が、おととし、乳がんであっという間になくなって
しまったこともあり、いい方向に向かってほしいのですが、
どう接したらよいのでしょうか。

【40代 事務 匿名希望】

――――――――――――――――――――

FROM 川畑のぶこ

【A】
自分の友人や同僚、そして家族等身近な人が病気になると
とりわけがんのような私たちが「重篤」ととらえがちな(実際重篤でなくとも)
病気になると、とても心配でサポートしたくなりますね。

ここで、健全なサポートとはいったいどのようなものか
と考えてみると良いと思います。

私の師、サイモントン博士は真のサポートとは
自分が相手に出して欲しい結果を支持することではなく、
相手が出したい結果を支持することと説きます。

たとえば治療でも、自分は手術をしたほうが良いと思っているけれど、
相手はしたくないと思っていることもあります。

そのようなときに、手術をするよう説得するのは、
相手が自分の思いどおりになることで安心したいという
己の精神的なサポートにはなるかもしれませんが、
実際には相手のサポートになっているとは限らないのです。

もし、相手には相手なりの価値観ではなく、自分の健康に対する価値観
に沿って歩んで欲しいとコントロールが出ると、サポーター自身が
苦しくなってしまい、人間関係がいびつになってしまいます。

そこに癒しのエネルギーは存在しません。

食事や運動もしかりです。

がんはたしかに生活習慣が影響する病気でしょうから、
食事やお酒や運動は重要な要素ではあるでしょう。

ただし、中には食事もお酒も運動も、さして気を使っていないけれども
病気にならない人もいます。

タバコもお酒も呑まない、食事もそこそこバランスを気遣ってきたけれど
肺がんになったという話はよくカウンセリング現場で聞きます。

私の知人のおじいさんは、95歳で他界し、亡くなる2週間前まで
現役で仕事をしていましたが、このおじいさんの健康長寿の秘訣は
ビールにタバコにチーズにピーナッツというから驚きです。
自分の親なら「死ぬからやめろ!」と迫ると思います。

また、ある患者さんは医学的に成す術が無く、あとは余生を楽しく
過ごそうと、ストイックな食餌療法やストイックな生活を手放し、
やりたいことはなんでも自由に楽しく行い、
甘いものもお肉もお魚も、悔いの無いように丁寧に味わって楽しんで
いたら、半年後の検査でがんの消失が認められました。

人間のバランスというのは、あるひとつの側面からのみとらえること
はできず、ホリスティック(全体的)にとらえていく必要があります。

ライフスタイルにはものごとの受け止め方や感情の波など、
心のあり方も深く関係します。

食事や運動など、見えるものには積極的に取り組むのですが、
見えないこれらの領域は多くの人は野放しになりがちです。

相手に癒えて欲しいと望む場合、まずは自分と相手との関係性が平和で
癒えているものなのかどうかを振り返ってみることをおすすめします。

このひとと一緒にいると、安らぐとか、希望がもてるとか、元気になれる、
とかといったあり方で関わっているかどうかを振り返ってみてください。

また、食事など、気がかりなことをコミュニケーションするときは
「こうしなきゃだめだよ」と決めつけたり、指示したりするような伝え方
ではなく、「私はこう思うな」と、主語を相手ではなく「私」にして
伝えると効果的です。

あるいは、「こういう情報もあるよ」と、客観的な情報提供なども
思いやりや愛情を込めて提供してみるのも良いのではないでしょうか。

相手を裁いたり批判したりせず、思いやりややさしさのエネルギーで
包み込むことを心がけてみてください。

* * * * * * * *
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――――――――――
【Q】支えになってくれない夫

現在難治病で通院中2年目です。ただ、私の悩みは
病気のことというよりは、夫との夫婦関係です。
病気も夫婦関係のストレスで生じたと思っています。

夫は私が困っているときに支えになってくれない人間です。
これまで、育児のことや姑との問題など、私が辛いことを
吐露しても、そんなの大したことないとか、放っておけ
といって取り合ってくれません。

私が病気になっても、さほど心配している様子はなく、
大丈夫だとか気力のせいだなどと言って
目を背けようとします。

私は家族としてサポートして欲しいと思い、そう伝えても、
通じません。

家事などをする頻度は増えたものの、常に仕事優先で、
帰宅する時間も毎日遅いです。

最近はこんな夫婦関係に終止符を打ちたいと考えることも
増えてきました。

私はいったいどうすればよいのでしょうか。

【女性・40代・S子さん】

――――――――――――――――――――
FROM 川畑のぶこ
A:
S子さんのようなお悩みはカウンセリングルームでは
頻繁に受けます。

始めは病気のことに対する悩みの相談をしていても、
話しているうちに夫婦関係などの人間関係に行きつくこと
がほとんどです。

臨床経験から、悩みの9割以上は人間関係という感があります。
(これは自分自身との関係を含みます)

「病気のことでなくてすみません」と詫びを入れて話をする
人もいますが、病気は心理的ストレスと密接であるため、
そのストレッサー(ストレスをつくりだすもの)を解消する
ことはとても大切な過程となります。

さて、S子さんはご主人がご自身のことを親身になって考えず、
サポートをしてくれないことに落胆していらっしゃるようですね。

辛いときに必要なサポートが得られないというのはとても辛い
経験だと思います。

人間は楽しいことや嬉しいことが共有できないことよりも、
辛いことが共有できないことにより苦しみを覚えると思います。
とくに、健康や命に関わる、人生でもとりわけ重要な課題において、
そのことが共有できないというのはさぞお辛いことと思います。

ただ一つ、少し一呼吸おいて観察していただきたいのは、
もしかしたらご主人は、S子さんの望む形ではないかもしれない
けれども、彼なりに心配していたり、サポートしていたりしないか、
ということです。

これも臨床経験からの傾向ですが、S子さんのような問題に直面
している夫婦(男女)には、「サポート」のとらえ方に差異が
あることが多いのです。

女性はサポートと言えば、情緒的なサポートを意味することが
多いのに対して、男性は物理的なサポートを意味することが
多いです。

女性はフィーリングに重きを置きますが、
男性は合理性に重きを置く傾向があります。

「体調が悪い」と訴えた際、女性は、背中を撫でて大丈夫かいと
眉をひそめて心配して欲しいと望み、それを真のサポートと
とらえることに対して、

男性は「病院へ行ったか?薬は飲んだのか?」といった合理的で
物理的な解決策を見つけようとします。

女性側は、これは「愛していない証拠」と鬼の首を取ったように
訴えるのですが、実は「合理的な解決法」は愛情表現であり
サポートなのです。

額に汗して仕事をして稼ぎ、家族が経済的に困ることなく生活や
医療サービスを受けられるようにするというのも、
合理的・物理的で立派なサポートです。

要するに、彼は愛していないのでも、サポートしてくれないの
でもなく、「彼なりに」愛しているし、サポートしている
ということです。

残念ながら、それが妻の求める愛し方やサポートの仕方でない
ということです。

問題解決法も、女性の多くは誰かと気持ちをシェアすることで
解消しようとするかもしれませんが、男性は独りでじっと考え、
自分のことは自分で解決しようとする傾向があります。

ですので、夫は妻が問題に直面しているのを見て
「何もしない」のではなく、自分がそうして欲しいように
「そっと、自己解決することを見守っている」のかもしれません。

どうでしょう、ご主人は何か問題があったときに、
あなたに解決策を求めるでしょうか?

求めない場合、それはあなたを信頼していないからではなく、
自分で解決することこそ能力と思っているからかもしれないのです。

私達はそれぞれに「自分のやり方」があります。
ところが「自分のやり方」にあまりにも固執することによって、
知らずして人間関係を損なってしまうことが少なくありません。

もし、やり方に問題があり、それを改善したいのであれば、
「私は物理的なサポートよりも、情緒的なサポートを求めている」
ということを明確に伝えることが大切となります。

そしてその際には具体的な例も提示することです。
たとえば、先述の「体調が悪い」と訴えたときのケースなど、
実際に背をさすりこのように声掛けをしてほしいなどを伝えるのです。

そんなこと、言わなければわからないのかと憤りを感じる女性も
多いですが、そこはぜひ、「言いさえすればわかる」という風に
切り替えてみてください。

多くの女性にとって「以心伝心」は生得的かもしれませんが、
多くの男性にとっては「どこの道場へ行けば学べるのだ?」
という感覚かもしれません。

私たちはみな完璧ではありませんから、学ぼうとする姿勢を称える
ことが大切であり、思いやりではないでしょうか。

これは単純に差異だと認識してみることをおすすめします。
無論、本当に愛情や思いやりがなく、非人間的な扱いを受けている
ケースであるならば、対応はこのような流れに限りませんが、

ぜひ、もういちど、一呼吸おいて、本当に関心や愛情がないから
生じている言動なのか、それとも単なる認識の差なのかを
観察してみてください。

* * * * * * * *
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