
【Q】43歳、独身です。
片づけと掃除ができません。
子どもの頃からそうでした。
現在は一人暮らしですが、
部屋は完全にゴミ屋敷。
さすがに生ゴミは出していますが、
それ以外は手つかずで、
水回りもお風呂もひどい状態です。
先日、仲のいい女友達が家に来たのですが、
あまりの汚さに絶句されました。
「彼氏でもできたら、嫌でも片づけるように
なるんじゃない?」と言われましたが、
「いない歴」がもう10年以上ですし、
今のところそんな気配もまったくありません(笑)
よく「病的に片づけができないのは精神的な問題」
や「発達障害の一種」だとも言われますが、
私は普通に働けていて、趣味もあって、友達もいます。
空気も読めますし、人間関係で
トラブルを起こしたこともありません。
学生時代もそこそこの成績でしたし、
前の会社は20年勤め、そこを退職して独立、
今はフリーランスで一応生活はできています。
「掃除と片づけだけ壊滅的にできない」以外、
自分は社会的には普通以上だと思っています。
ただ、これまではごまかしごまかし
やってきたけれど、年齢を重ねるにつれ、
「このままだと将来、他人に迷惑をかけるかも
しれない」と思うようになりました。
精神科に相談すべきかとも思うのですが、
「単にだらしないだけ」かもしれないと思うと、
受診していいのか迷ってしまいます。
川畑さんなら、こんな私のことを理解くださり、
アドバイスいただけるのではないかと思い、
恥を忍んで相談させていただきました。
よろしくお願いいたします。
【ナナミ・40代・女性・フリーランス・兵庫県】
【A】このたびは、「恥を忍び」、
勇気を出してナナミさんの胸の内を
お聞かせくださり、ありがとうございます。
ご相談内容から、ナナミさんがとても客観的に、
そして誠実にご自身と向き合って
いらっしゃることが伝わってきました。
現在は20年勤めた会社から独立され、
フリーランスとしてご活躍されており、
ご友人とのつながりや趣味もおありとのことで、
ナナミさんが社会性豊かで、多くの才能と魅力を
お持ちであることも伝わってきました。
ただし、「掃除と片づけだけが壊滅的に苦手」
とのことで、ナナミさんの人生の大きな課題
としてのしかかっているのですね。
まず、片づけられない背景は
複合的な要因が絡み合っていることがありますので、
単に「だらしなさ」で片付けたり、
ご自身を責めたりしないようにしてください。
実は、この「できる/できない」や「正常/異常」と、
白黒はっきりつけたがるクセ、すなわち完璧主義が、
気軽に片づけをさせない心理的要因になることも
あるのです。
「やるなら完璧に」
「一気に全部やらなきゃ意味がない」と思うあまり、
スタート地点に立てなくなってしまう方も多いです。
これはとても真面目な方に多い傾向で、自ら
ハードルをぐんと高く上げてしまうパターンですね。
私たちの心や行動は常に白黒はっきりできるわけ
ではなく、グラデーションです。
そのグラデを受け入れる姿勢も大切にしてください。
即でも完璧でもなくても、たとえ少しずつでも
着手することに意味があると、
新たな価値を定めてみます。
そのような、片づけが苦手な背景にある心の動きや
認知(ものごとの受け止め方)のクセにも
気づいてあげてください。
ナナミさんが触れていらっしゃった発達障害も、
たしかに可能性のひとつかと思います。
空気が読めて、たくさんの友人がいても、
ADHDの方は段取りを組むことや
ものごとを整理して処理する力が
他の能力に比べて偏りがあり、
日常生活の中でその部分だけが
極端に苦手に感じられることがあります。
ADHDの方はむしろ刺激や人とのふれあいが好きで、
周りの人を楽しませるちからを持っていることも
多いです。
同時に、いろいろなものを抱え込みやすく
オーバーキャパになりコントロール不可能になる
こともあります。
だからといってそれは必ずしも
「劣っている」からではありません。
むしろ、その要素こそがそれ以外の部分で、
たとえばフリーランスでクリエイティブに
仕事をするなど、社会にうまく適応する
のに役立っている部分でもあるのです。
ですから、全か無かではなく、
コインの裏表の問題でもあるということも
知っておいてください。
キャパがオーバーしてしまうことが問題なら、
キャパの範囲内でご自身がコントロールできる
レベルにモノを絞り込むことは大切です。
片づけは「取るに足らないこと」とか、
「時間が余ったならそのときにすればよい
こと」などと過小評価しがちですが、
刺激的な人生を好む人は
時間が余ることはめったにありませんから、
「そのとき」はいつまでも訪れません。
また、精力的にいろいろなことに取り組む
ナナミさんは、仕事にも多くのエネルギーを
注いでいらっしゃることと思います。
そのため、家のことに向ける余力が残らない
という問題もあるのではないでしょうか。
そうであれば、やはりナナミさんは
だらしないのではなく、がんばりやさんで
エネルギーを他のことに使い切って
しまっているだけですから、
エネルギーの配分を意識して変えていくこと
が大切になってくるでしょう。
楽しいことを存分に楽しみ
イキイキと過ごすためにも、
まず断捨離が大事なのだと
優先順位と意識を切り替えて、
自らそのための時間を作り出してみてください。
もしADHDが気になる場合は、
精神科の受診もお勧めします。
敷居が高く感じるなら、
地域の保健センターやカウンセラーに
相談してみるのも良いと思います。
専門家のちからを借りて、
ナナミさんがご自身の傾向を理解するだけでも、
見通しが立ちやすくなるかもしれません。
また、苦手をすべて克服せずとも、
片づけが得意な人や断捨離トレーナーなど、
専門家のちからを頼ることで
いったんリセットを図ることも、大切な選択です。
「苦手なことを任せて、得意なことに集中する」
ことは、自分らしく生きるための戦略でもあります。
どうか一人で抱え込まず、助けを求めて、
サポートを活用しながら、小さくても構わないので
一歩を歩みだしてみてください。
心の整理と空間の整理は必ずつながっています。
ナナミさんをとりまく空間を整えることは、
ナナミさんの人生そのものを整えること
なのだということをどうかお忘れなく。
ナナミさんの清々しく健やかな日々を応援しています!
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