
【Q】同居している義母についてのご相談です。
現在義母、主人、娘二人の5人で暮らしております。
わたしは少しでもモノを減らして
暮らしやすいようにしたいと思っておりますが、
84歳の義母はモノを溜め込み
『処分する』『減らす』ということに
抵抗を感じるようで
空間を作ることができません。
3月に義父が亡くなりましたが、
その直前いよいよ危ない、という時に
わたしは意を決して義母に
『片付けなきゃならないよ、
手伝うから一緒にやろう』と言って
主人と3人で一日で義母の部屋を片付けました
(いずれは仏壇を置かなければなりません)。
ゴミ袋20袋にも及びました。
すると病院から電話がきて、
あれよあれよという間に義父は亡くなりました。
間一髪でした。
義母はわたしに感謝してくれました。
スッキリした気持ち良さをわかってもらえたかと思い、
先日、リビングの二段になっている棚の上段部分を
主人が撤去しました。
窓を開閉するのに弊害があったためです。
すると『こうやって私の居場所がなくなって
いくんだな!』と義母が言いました。
わたしは驚きと共に、悲しくなりました。
連れを亡くしたばかりで淋しいのかも知れませんが、
私からすれば、25年前モノに占領された家に
嫁いだ私は、当時から居場所がなかった…
そう言いたいです。
どうしたら義母に抵抗なくモノを
処分してもらえますでしょうか。
苦痛な日々です。
【シャクヤク・50代・女性・会社員・宮城県】
【A】自分以外の人間のモノがひしめく空間に住む
というのは息苦しくストレスフルな経験ですよね。
シャクヤクさんがお義母さんと同居されて
25年にわたり忍耐と努力されてきたことが
ひしひしと伝わります。
お義父さんがご逝去され、お義母さんが
住まいの整理をするにはよいタイミングが
訪れていることと思います。
シャクヤクさんもお義母さんや家族が
健やかに暮らしてほしい思いから
モノを減らす提案をされているのですよね。
ただし、お義母さんの態度にも現れているように、
今は喪失後のとてもセンシティブな時期でもあります。
モノはその人の心がこもりやすく、ときに
自分のアイデンティティーという感覚も伴います。
ですので、このような時期はなおさら、
自分のアイデンティティーや夫の生きた証
を喪失してしまうようで不安も強まるため、
存在価値を否定されているかのように感じて
しまうので反発心も湧いてしまうのです。
まず、お義母さんにとって、それらのモノは
心の拠り所であることを理解してあげること
からスタートしてみてください。
そこが理解されていないと感じると、
空間はすっきりしても、人間関係まで
寒々しいものになってしまいます。
また、高齢になればなるほど、
新しい変化に適応するのは困難になります。
シャクヤクさんが想像する以上に
お義母さんにとって新たな変化は
精神的な負担がかかることも
覚えておいてください。
では、どうすればお義母さんの心を傷つけずに
片づけが進められるのかといえば、
まずコミュニケーションを
少し工夫してみてください。
お義母さんのモノへの気持ちを受け止め、
寄り添ってあげてください。
共感や理解なしに信頼関係を築くのは難しいです。
「お義父さんがいなくて寂しいですよね。
私も寂しいです。心にぽっかり穴が空いた
ような気がしちゃいますよね」などの
言葉かけをして寂しさに共感を示してください。
そして、断捨離を進めるときは、
「捨てる」ことにフォーカスを当てるのではなく
「大切なものを選びぬく」ことを強調し、
そのことでお義母さんにとって
大切なものを守るためなのだという
アプローチに変えてみてください。
捨てることで自分の存在価値を否定されるという
イメージを、自分が選びぬかれ大切に扱われる
イメージに変化させます。
お義母さんが安心して気持ちよくまた健康的に
暮らせるために、大切なものを選び抜いて、
きちんとそれらが生きるようモノの居場所を
つくりましょうと提案してみてください。
これはお義父さんの思い出のものも、
それらをきちんと大切にできるように整理する
ことをもちかけてみるのも良いでしょう。
このことでお義母さんの防衛的な姿勢が
緩和される可能性があります。
また、一気に行うのではなく、
スモールステップで徐々に慣らして
いくことも大切です。
手を付ける場所をいくつか区切り、
範囲を限定して、お義母さんに
いちばんどこが気になるか選んでもらい、
「一緒に手伝うのでそこから始めてみましょうか?」
と尋ねてみると良いでしょう。
そのことで、周囲からやらされている感が減り、
お義母さん自らの選択で行動した感覚が
芽生えることでしょう。
どうしたら家族全体の調和がとれるかを考え、
ご主人とも協力しながら
丁寧に取り組んでみてください。
お義母さんが大切だからこそ、
健康や清々しい人生のお手伝いをしたいという
気持ちが伝わるように寄り添ってみてください。
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