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【Q】59歳の女性です。
3つ上の姉がいます。

私たちはそれぞれ家庭を持ち、
実家の隣県に住んでいます。

今年の初めに、3年間の闘病の末、
父が亡くなりました。

父は現役時代の職業柄、
本や書類など紙ものが多く、
家の中はどの部屋も
父の物であふれていました。

もともときれい好きな母は
長年それに悩まされていたようで、

「私の居場所がない」と
こぼすこともありましたが、
いつしか何も言わなくなっていました。

そんな父が亡くなったあと、
母はまるで何かに突き動かされるように
遺品をどんどん捨て始めました。

四十九日も終わらないうちから
迷いなく処分していく姿に、
正直驚きました。

姉や私も時間を見つけて
手伝いに行きましたが、
私たちはつい手を止めて、
父の物を眺めながら
思い出話をしてしまいます。

けれど母は一切立ち止まらず、
黙々と手を動かし続けます。

本当は、形見として手元に残したい
ものもありましたが、そんなことは
言い出しづらい雰囲気でした。

その後、無理がたたったのか、
母は腰を痛めてしまい、
現在は遺品整理を一時中断しています。

焦ることはないし、
少し休んだほうがいいと伝えると、
そこは素直に受け入れてくれました。

姉も私もほっとする一方で、
できればこのまま、父の部屋を
少しの間そっとしておいてほしい
という気持ちもあります。

両親は仲の良い夫婦でしたが、
母には母なりの長年の思いやストレス
もあったのだと思います。

夫婦のことは夫婦にしかわからない――
それは頭では理解しています。

それでも、娘としての私たちには
父との思い出や気持ちがあり、
母のやり方に戸惑いを感じてしまう
のも事実。

いずれ体調が戻れば、
母はまた整理を再開すると思います。

そのとき、私たちが残しておきたい
と思うものも、迷いなく
処分してしまうかもしれません。

母の気持ちを尊重したい思いと、
大好きだった父の娘としての
気持ちの間で揺れています。

こういうとき、どのように母と関わり、
どんな言葉をかけていけば
よいのでしょうか。

【ミチル・50代・女性・主婦】

【A】お父様のご逝去、
心よりお悔やみ申し上げます。

ミチルさんも、お父様の3年間の
闘病を見守り、そして見送られた後、
お母様の遺品整理の姿に
戸惑いを感じながら、
気持ちを抑えてこられたのですね。

お母様を傷つけたくない、
でもお父様との思い出も大切にしたい。

そのはざまで苦しまれていらっしゃる
のが伝わります。

お母様の「突き動かされるような行動」
について、四十九日も明けないうちから
迷いなく処分していく姿は、

ミチルさんやお姉様から見ると
「悲しくないのか?」と
映るかもしれません。

でも、もしかしたらこの行動は、
お母様なりの喪失の乗り越え方かも
しれません。

喪失の痛みがあまりにも大きいとき、
人は無意識に、「動き続けること」で
痛みを紛らわして自分を守ろうとします。

立ち止まろうものなら、
感情があふれ出してしまいそうなので、
心の均衡を保つのに必死で
手を止められないということもあるのです。

ですので、お母様は
決して薄情なわけではなく、
それどころか、麻痺させねばならないほど
深く傷ついている可能性があることも
知っておいてください。

悲嘆の表現が、お母様とミチルさんや
お姉様とでは違っただけかもしれません。

お母様が腰を痛めたことの意味もまた、
崩れてしまった心理社会的なバランスを
取り戻す機会かもしれませんね。

身体は正直です。

アタマが暴走してしまうところを、
「もう少しゆっくりしていいよ」と
身体がサインを出して
手綱を引いてくれたのかもしれません。

ミチルさんが「休んでほしい」と伝えたら
素直に受け入れてくれたとのことですので、
お母様自身もどこかで止まる許可を
必要としていたのでしょうね。

この機会にぜひ、お母様とゆっくり
話す時間も作ってみてください。

責めるでも諭すでもなく、
お父様の死に関して
お母様の中にある思いを外に出せる場
を作ってあげてみてください。

そして、じっくりと耳を傾けて
受け止めてあげてください。

これまでのお母様の献身や努力に
感謝を伝えることも忘れずに。

そのような会話の中で、
お父様の形見の希望を伝えてみてください。

お父様の部屋や遺品に囲まれていると、
親密さを感じ、懐かしみながら弔うことが
できる、ミチルさんにとって服喪の
大切なプロセスになるということを
伝えても良いと思います。

その際、お母様の整理の仕方に言及する
のではなく、ミチルさんご自身が
お父様が亡くなっても身近に感じたい
というニーズを、

そして、そのニーズをモノを通じて
満たせるので、形見を手元に置かせて
もらいたいと伝えてみてください。

もしかしたら、お母様も
嬉しく思うかもしれませんよ。

お母様が整理したいのは
あくまでも自分の家の空間であって、
娘たちの気持ちを踏みにじりたい
わけではないはずです。

お母様が長年望んできた
スッキリしたご自身の空間、開放感を
肯定したうえで、お願いとして伝えれば、
理解してその気持ちを受け取ってくれる
のではないでしょうか。

形見を分けることができたら、
その後の処分も一緒にすることを
提案してもよいかもしれませんね。

家族で思い出を語りながら整理する時間も、
お母様にとってもミチルさんやお姉様に
とっても、癒しのプロセスになるかも
しれません。

また、喪のプロセスがそれぞれである
ように、何より、夫婦のことは
夫婦にしかわからない……

これは、ミチルさんご自身も書いて
いらっしゃるとおり、
お父様とお母様お二人の課題があること
も受け入れてあげてください。

遺品整理のプロセスが、ミチルさん、
お母様、お姉様にとって豊かな
心の整理の時間となりますように。

応援しています!

ー川畑のぶこ

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