Senior,Woman,Walking,With,Dog,In,Park

【Q】75歳の母のことでご相談です。
母は私の家から徒歩10分ほどの実家で
一人暮らしをしています。

昨年、18歳まで生きた愛犬を看取り、
その数ヶ月後には闘病中だった父も
亡くなりました。

母はしばらく深い悲しみの中に
いましたが、最近ようやく少しずつ
元気を取り戻してきました。

そんな母が、ここへきて
「また犬を飼いたい」と言い始めています。

母は昔から大の犬好きで、
子ども時代・独身時代も含めると
5頭の犬と暮らしてきました。

昨年亡くなった犬も、散歩や世話は
ほとんど母が最後までしていました。

今度飼うなら、
小型犬で室内飼いができる犬、
幼犬でなく保護犬でもいいと言っています。

ただ、もし幼い犬を迎えた場合、
犬が10歳の時には母は85歳、
15歳まで生きれば母は90歳になります。

犬の世話に慣れている母なら
大丈夫かもしれないとも思いますが、
将来のことを考えると楽観もできません。

私も犬は好きなので、母の体調が悪い時
などは手伝うつもりですが、
それがずっと続けられるかどうかは
正直わかりません。

父と犬を続けて亡くし、寂しさを
抱えている母の気持ちは理解できます。

でも、だからといって、
「いいよ」と簡単に背中を押すのも
娘として無責任な気がしてしまいます。

母の気持ちを傷つけずに、この問題と
どう向き合えばよいのか悩んでいます。

犬を迎えることを止めた方がいいのか、
それとも何か別の形で母の寂しさを
支える方法があるのか、
アドバイスをいただけたら嬉しいです。

【ポチ・50代・女性】

【A】ご相談ありがとうございます。

お母さん思いのポチさんの気持ちが伝わり、
わんこオーナーの私もお話を伺って
切ない気持ちです。

お母様は18年間生きた愛犬を看取り、
その数ヵ月後に夫(お父様)も
亡くされたとのこと。

大切な家族を続けて亡くすことは、
人生のなかでもとても大きな
喪失体験であったことと思います。

ただ、そのような中で
「また犬と暮らしたい」と思えるように
なったのは、お母様の心が少しずつ
回復してきた兆しでもあると思います。

長年犬と暮らしてきたお母様にとって、
毎日散歩をしたり、話しかけたり、
世話をしたりしてきた犬は、
生活そのものであったと思いますし、

ポチさんの悩みも、そのことが
わかっているからこそだと思います。

心理学的な視点からは、
今回のご相談のテーマは、喪失のあとに
新しい愛着の対象を持てるかどうか
ということになります。

人は大切な存在を失うと、
もう二度と同じ悲しみを味わいたくない
と思う一方で、

それでもまた誰かを愛したい、
誰かを大切にしたいと願う心も
持っています。

その力は、人が人生を前へ進めるための
とても大切なエネルギーでもあります。

また、高齢者の心身の健康と
犬を飼うことには深い関係がある
という研究もたくさんあります。

東京都健康長寿医療センターが
行った研究では、
犬を飼育する高齢者では
フレイル(加齢にともなう心身の活力低下)
や自立喪失のリスクが
大幅に低いことを報告しています。

認知症リスクと犬飼育に関して、
約1万1千人の高齢者を対象にした
大規模研究では、

犬を飼っている人は
認知症発症リスクが約40%低く、
犬の散歩など運動習慣がある場合は
さらに低下することが報告されています。

死亡率・心血管疾患に関する、
メタ解析と呼ばれる複数の研究を
まとめたレビュー論文では、

犬の飼育は死亡リスクの低下と関連し、
特に心血管死亡の減少と関連という
結果が報告されています。

心理研究でも、ペットを飼う高齢者は
孤独感が36%低いという結果があります。

これらの研究から、
犬の健康に関するメカニズムとしては、

定期的な運動(犬の散歩 → 身体活動増加)、
規則正しい生活、社会交流(散歩で犬を通じ
て同じ関心を抱く人との会話が発生する)、
愛着の形成による孤独・抑うつの緩和
などが考えられます。

とはいえ、将来の責任をどうするか?
という現実的な心配は無視できませんね。

これから幼犬を飼うとなると、
犬が10歳のとき、お母様は85歳。
15歳まで生きれば90歳です。

もちろん、今どきの90歳は
お元気な方がたくさんですが、
その時の状況は誰にもわかりませんので、
年齢や体力、将来のことを
現実的に考える必要はあります。

ポチさんの迷いも、
「母の願いも大切にしたい」
「でも現実も考えたい」
という、両方を大切にしているからこそ
生まれているものだと思います。

ここで、ポチさんが「飼うか、止めるか」
という二者択一の決着をつける役割を
背負ってしまうと重たくなってしまいます。

そうではなく、
お母様の願いを尊重しつつ、
なにかのときの準備をしながら、
安心できるかたちを
一緒に考えていくことは可能です。

たとえば、お母様ご自身が
「保護犬でもよい」と
おっしゃっているのであれば、

お母様との年齢のバランスもとれて、
活動性もさほど高くない落ち着いた成犬
を迎えることができると思います。

小型犬であれば、散歩量が負担になる
こともないかもしれません。

さらに、もしものときの引き受け先を
あらかじめ決めておくことで、
安心できるかもしれません。

親族が引き取れるのか、
保護団体のサポートがあるのか、
出口を決めておくと、
不安はぐっと減ります。

昨今では、レンタル犬などのサービスも
提供されていますから、不安なら
お試しで一時的にワンちゃんを預かって
様子を見るのひとつかもしれません。

お母様が「また犬と暮らしたい」と
思えるくらい、元気になってきた喜びを
純粋に伝えつつ、現実的な問題を
丁寧に一緒に検討していくことで、

お母様も「娘が自分を大切にして
くれている」ということが伝わり
安心できることと思います。

今回のやりとりは、
母と娘の溝をつくるどころか、
愛情を交わし深める
またとないチャンスでもあります。

ぜひ、そのチャンスを
活かしてみてください♪

ー川畑のぶこ

——*——*——*——

【帯津良一×川畑のぶこ講演会】
 
やましたひでこと共著もある
90歳の現役医師・帯津良一と川畑のぶこが
いくつになっても健康で元気に過ごす
生き方についてお伝えします。

「豊かな日常をつくる
 ホリスティック養生訓
 ─ 心から健やかになる暮らしかた ─」

3月26日(木)まで
早割価格で参加できます

くわしくはこちら

——*——*——*——

 
★あなたが今抱えている『悩み』をお聞かせください。
 毎週2件をピックアップし、
 月曜日(YouTube版)・水曜日(テキスト版)に
 配信のメルマガで、
 川畑のぶこが直接お答えします。

 ご相談はこちらから

コメントはこちらから

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、 が付いている項目は必須項目となりますので必ずご記入をお願い致します。