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Q:看護師をしています。
介護や家族関係について相談です。

父が脳の病気になり手術を受けました。
 
退院後術後経過は良かったのですが、
勝手に一人でお風呂に入り
意識を失いました。
 
熱湯と水を出してお湯をためるタイプのお風呂で、
ぬるかったのか
熱いお湯を出したままだったため
全身火傷をし救急搬送されました。

母からの電話で急いで駆けつけ
命に別状はなかったものの、
状態が悪化し私が働く病院に転院しました。
 
突然、死や介護に
向き合うこととなりました。
 
父は事業をしていて借金や、貯蓄がないこと、
仕事も正直だらしないやり方で、
突然父がいなくなり母も一人では何も出来ず
身辺整理も兄弟を呼んでしました。
 
しかし、私にばかり負担がかかっています。
 
それまでの通院や病状説明、意思決定支援、
内服管理なども、母でもできる方法を
模索しながら一緒にしていました。
 
親を助けたい気持ちでしていましたが、
なかなか耳を傾けてもらえず
 
治療を受けるまでも頑固で
私の言葉は聞き入れない父と
知ろうともしない母への対応に
段々疲弊していきました。
 
お金もないため
細々と費用負担もしていましたが、
私だけするのはおかしいと兄弟に訴えました。
 
少しは改善してはくれましたが、
弟はお金は出さない、面倒なことはしない、
弟の奥さんは奨学金を持たせるような親に
お金の援助はしたくない、
それなら奨学金分は考慮してと怒ります。
 
姉は協力的ですがのんびり平和主義で、
困ったと訴えたときだけする感じです。

父もかなり元気にはなりましたが、
それとともに身勝手な性格が出てきたり、
母も私に任せきりで面会もしません。
 
夫婦でお金や今後の話し合いもせず、
私がうるさい役をするため
段々煙たがられています。
 
私があれこれ考えたり調べないと
誰もなにもしない、
先々の話もしたいのですがのらりくらり。
 
自宅退院も自己破産も生活保護も無理という母を
外の仕事に就いてもらい、家の片付けをし、
病院も他のことも連絡を取り合って
私の身が持ちません。
 
何度か訴えてもその場しのぎで、
ゆくゆくお金が尽きたら揉めるのは必須です。
 
放っておこうかなとも思いますが、
様々な問題だらけで自分達や子供の代に
迷惑かかるのも目に見えています。
  
そのためになんとか対処はしていますが、
私だけ頑張ることにもう疲れました。
 
アドバイスお願い致します。
 
【にゃー・40代・女性・会社員】

―――――――――――――――――

A:FROM 川畑のぶこ

にゃーさんのご家族への
献身さと誠実さが伝わってきます。
 
看護師という職業柄、
病むものに手を差し伸べ救う精神は当然のこととして
身についていらっしゃることと思います。
 
 
ご家族は、
身内ににゃーさん以上にできるひとはいないし、
頼りになるのでついつい甘えてしまっている部分も
あるのでしょうね。
 
 
自分ばかりに負担がかかって
不公平だという気持ちが生じるのは当然のことと思いますし、
 
このままではにゃーさんばかりに負担がかかって
ストレスがたまる一方で、
いつか破綻してしまう流れですから
方向転換は必至でしょう。
 
 
まず、にゃーさんに認識していただきたいのは、
にゃーさんはサポートに関して
優等生であるということです。
 
 
ナイチンゲールの精神は
いつでも誰にでも持てるものではありませんから、
にゃーさんはスペシャルな存在であることを
認識していただきたいと思います。
  

その精神を、周囲がもっていて当然と思ってしまうと、
にゃーさんとご家族との意識の落差に
苦しみはさらに大きくなることと思います。
 

みなそれぞれの個性、学びを得た環境など、
限界が異なりますから、
それぞれが限界の中で何ができるかを考慮して
公平に考えてみてください。

 
公平とは、たとえば出費に関してなら必ずしも全員が
同じ額を出すということではなく、
 
経済的にサポートできる人はそうして、
経済的にゆとりのない家族は
他の雑務を担う、ということでも良いわけです。
 
 
弟さんやお姉さんがにゃーさんのように
率先してあらゆる面でご両親のサポートができたに
越したことはありませんが、
 
それが無理ならば、それぞれの事情を汲んで
できることを最大限にしてもらうように
してみてください。

 
たとえば、弟さんの家庭は
奨学金の分は免除してくれるなら支援する
と言っているのであれば、そうしてもらうことです。

 
にゃーさんやお姉さんも
奨学金を自己負担しているなら、
そこはみな同じでしょうが、
 
減額を訴えるということは、
おそらく弟さんだけ自己負担せざるを得ない
家計事情があったのでしょうし、
 
それを不公平と感じていることを
受け取ってあげると良いでしょう。

 
お姉さんは率先してサポートはしなくても、
困っていることを伝えたらサポートするなら、
 
困っていることを伝え続けて
継続的なサポートをしてもらうと
良いのではないでしょうか。

 
毎月継続的にサポートしてほしいと
伝えてみてください。

 
自分に合わせてもらおうとせずに、
相手の状況に合わせて
サポート体制を引き出すことを
心がけてみてください。

 
また、このような時期、家族同士の
緊密なコミュニケーションは大切ですが、
 
感情的にならず、
冷静に話せるタイミングを見計らって、
家族で話し合う時間をつくってみてください。

 
そして、それぞれが
何をどれくらいできるか確認すると同時に、
にゃーさんから何をどれくらいしてほしいかを
具体的に依頼してみてください。
 

もちろん相手にできることとできないことが
あるのは当然だということを知ってください。

 
家族のケアに限界があるなら、
ケアマネと相談して
専門家によるケアの導入をするなどして、
 
家族が抱え込まなくて済む状況を、
場合によっては生活保護も視野に入れての
検討や準備をするのも良いでしょう。

 
大切なことは、口頭でなく、
メールで共有しておくのもよいです。

 
メールも感情的なときでなく、
一呼吸おいて、冷静になったときに、
 
みんな大変な中でそれぞれのベストを
尽くしているのだということを念頭に
思いやりある態度で綴り、送ってみてください。

 
私たちは批判されると感じると
耳をふさぎたくなりますが、
思いやりを感じられると心を開けるものです。

 
思うように協力が得られず、
残念な方向に進んだとしたら、
その結末を体験することも
また学びの機会と受け入れてください。

 
学び方もそれぞれで、究極にふれて
自分たちに火の粉が降り掛かって
はじめて気づくこともあります。

 
にゃーさんがそれを防ごうと一人で奮闘しても、
にゃーさん自身が倒れてしまったら、
結局他の家族メンバーは
にゃーさんなしで対応しなければいけなくなります。

 
そうであれば、にゃーさんが病気になる前に、
その体験をしてもらうこと。
 
できることとできないことの境界線を
きちんと設けておくことは大切です。
 
 
課題を分離して、にゃーさんなしに
周囲が自立せざるを得ない状況をつくって
結末を体験してもらうことで
学んでもらうとよいでしょう。

 
その場合、にゃーさんは
手を出したくなってもぐっとこらえて
見守る忍耐が必要となります。
 
 
最後に、このような時期には
サポーター自身がセルフケアをして
充電しておくことも大切ですので、
 
にゃーさんが自分自身に帰れる時間をつくるのも、
質のともなったサポートを行ううえで
大切な取り組みと割り切って、
リフレッシュできる時間をつくってください。

 
にゃーさんは本当に
よく頑張っていらっしゃると思いますので、
どうかご自身をねぎらってあげてください。

にゃーさんとご家族がこの困難を
乗り越えられることを祈っています。

 
 
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