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Q:すぐに人と比べて、人を見下してしまいます。

別に自分がすごい人間だって誇れるわけではないです。
人の欠点を見つけることで安心しているのかもしれません。

「他人と比べるな。」って子どもに言いつつ
比べている自分が嫌になります。

家族に対しては、私だけ部屋がない。
私だけ家事をしている。
と、いつもモヤモヤしています。

旦那にも人とすぐ比べるから損をするって
指摘されました。

他人でなく自分の過去と
比べられるようになりたいです。

子どもにも欠点ばかり指摘してしまう自分も
変わりたいです。

【ポテチ・50代・女性】

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A:FROM 川畑のぶこ

ポテチさんのように
人と自分を比べてばかりで不安になったり
落ち込んだりする人はたくさんいると思います。

比較するときに、
相手にできているところで
自分は出来ていないことに着目して、
「自分も頑張ろう!」と前向きな気持ちになり、

チャレンジ精神が出てくるのであれば、
その比較は健全にポテチさんの
人生に機能していると思います。

心理学者のアドラーは、
これを人生の補償機能と言っています。

彼の開業した地域には遊園地があったのですが、
そこで働く大道芸人は子どもの頃から
身体的な器質へのコンプレックスがあり、

それゆえに身体能力を磨き上げて、
すなわちそのコンプレックスを昇華して
人生を切り開いている人が
多かったことに着目しました。

ただ、このようにチャレンジと達成に
結びつく劣等感なら良いのですが、

「それに引きかえ私は…」と卑屈になり
自分を貶めるかたちで比較してしまっている
のであれば、その比較は
ポテチさんの人生を損なってしまいますね。

その場合、今回ポテチさんがお悩みの
「相手を見下す」というかたちで、

私たちの無意識は
劣等感を一気に優越感に反転させることで
心理的な補償をしようと
苦肉の策に打って出るのです。

優越感も劣等感と同様にトリッキーです。

ある分野において私は相手よりも優っているという
ニュートラルな事実に基づいた
比較からの優越感なら問題ありませんし、

適切な評価やさらなる向上心に
つながるかもしれません。

その場合、相手には別の分野で
自分より優っている部分があることも
ニュートラルに理解し評価できています。

そこには不要な緊張や不安がありません。

ところが、卑屈さを消したいがための優越感は、
一見充足感をもたらしてくれそうですが、
いっときの満足感しかもたらしません。

その気分は長持ちしないので、
また不安にかられて
見下す相手を探し続けなければいけません。

常に心が乾いているので、
潤す対象=見下す相手を
見つけなければいけない状態です。

豊かさに前向きにはたらく健全な優越感は
内発的な力により育まれるものです。

マイナスを消し去ろうとする後ろ向きな優越感は
外発的な力によって刺激されます。

その背景には「私は基本的に劣っているので…」
という不安や緊張がいつもつきまとうのです。

大切なのは、私には相手と比較して
優っている部分もあれば劣っている部分もある
ということを知ること。

また、優劣があるからといって、
それが私の人生の価値を決定づけるものではない
ことを知ることです。

「私の人生の価値は
 私の内的な力により変わるもので、私次第である。」

「私には何とも比較できない唯一無二の個性と
 価値があり、それを大切に
 自身の人生を充足させることができる。」

といった信念を大切に、
また、ポテチさんの良い面にもたくさん注意を注いで
あげて、それを伸ばしてください。

劣等感も優越感も
人生のバネにもなれば、足かせにもなります。

諸々、優劣あるけれど、私もOK。あなたもOK。

この精神はポテチさんがよりリラックスして
人生に向き合う力につながることと思います。

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