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Q:子供がやろうとしていることの結果があまり良くないと想像できる時、
つい「こうなるからやめた方がよくない?」と言葉をかけてしまいます。

子供がそれに従うことはほとんどなく「それでもいい。こうしたい」と、
自分の選択したことを選ぶことがほとんどです。

結果から子供自身が学ぶことも理解できるので、
なるべく子供の選択に任せるようにしていますが、
私の気持ちはモヤモヤしたままなので、
私の想像した通りになった時、「だから言ったじゃない」と責めてしまいます。

子供に選択させた後、モヤモヤせずに見守るには
どのような気持ちを持てばいいでしょうか。

モヤモヤして責めてもいいじゃない、と自分を許してみましたが、心の中に
「失敗するからやめればいいのに、言うことをきかないからこんな結果に…」
という気持ちを持ったままなせいか、つい、長々と責めてしまいます。

先生なら、お子様が「やめておいた方がいい」と親が思う選択を
しようとしている時、どうなさいますか?

【アキ・40代・会社員】

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A:

FROM 川畑のぶこ

アキさんのご相談内容、5歳児の母として、
「うん、うん!」「そう、そう!」と、大きく頷きなら拝読いたしました。

子どもの「自分の思うようにやってみたい」という自由と、
「失敗させたくない」という親の思いとの葛藤ですね。
我が家も日々葛藤しています。

もちろん、子どもに痛みや苦しみを味あわせたくない、というのは
親心として当然のことと思います。

では、すべての痛みや苦しみを取り除けば良いかというと、そうでもなく、
どこまで苦労をさせないようコントロールするのかという程度の問題に
なるかと思います。

もちろん、子どもが炎や深水に近づく時など、
命や生命の危機が迫る状況や、明らかに他人に迷惑をかけるなど、
社会的な不調和をもたらす場合はそのコントロールを強める必要があるでしょうし、
時として子どもが泣き叫んでも制止しなければいけないこともあるでしょう。

では、日常のお手伝いや勉強、遊びなど、命や健康、また周囲への迷惑など、
さほど関係のない状況ではどうでしょうか?

私は「失敗する権利を与える」と考えるようにしています。

我が子が成功を通して学ぶように、我が子が失敗を通して学ぶ権利を与え、
机上の「知識」だけでなく、体験を伴った「智慧」を身につける過程にいる
と捉えるよう努めています。

そのためには、私が日頃から子どもに対してだけでなく、自分自身に対しても、
「私は失敗を免れない存在である。そこから学ぶことができる。」と、
失敗を認め、受け入れる姿勢が重要になってきます。

「常に失敗は許されない」という基本姿勢があると、
自分にも他人にも厳しくなり、イライラするようになってしまいます。

また、自分の失敗に目を背けたり、自分以外に原因を求め、ごまかそうとしたり、
責任転嫁をしようとしやすくなります。

失敗を認めない姿勢は、結果として関係性や人生の質を損なってしまいます。

失敗は許されないのではなく、失敗は免れないのです。

人間は成功からよりも失敗から学ぶことの方が大きいと言われます。

お母さんの忠告を無視して失敗をした場合は、学びのインパクトも
言われたままにして失敗を回避するよりは数段大きいと思います。
これは知識でなく、生きる智慧として身につくことでしょう。

子どもが何度言っても聞かないのであれば、
そして、そのことにイライラして、自分や子どもを責めてしまい、
生活の質や関係性の質が低下しているのであれば、
ある意味それも失敗と言えます。

その失敗を繰り返すことをやめて、新たな向き合い方を模索する姿勢は
大切になってくることと思います。

アキさんも、息子さんに対して
「適度に、安全に、失敗させる」姿勢を育んでみることをお勧めいたします。

ちなみに、わが子が4歳の時に、
コップの中に小さなコップを入れて水を張って凍らせるとどうなるか
実験したいと申し出ました。

私は「氷は膨らむからコップが割れちゃうよ」と忠告しましたが、
息子はそれでも構わない。実験して確かめたいと言いました。

息子が胸に抱えたファミレスのおまけでもらったマグカップに目をやり、
私は「いいよ」と頷きました。

さて、翌日です。
冷凍庫の扉を開くと、ペコちゃんとポコちゃんが微笑んでいます。
ドシンとしたマグカップの中の水は凍って膨らんでいたものの、
マグカップの強度はそれにしっかりと耐えていました。

ところが、その中の小さなグラスはどうでしょう。

マグカップの圧力と氷の膨張力によって、
しっかりと、真っ二つに割れていました。
ふふ、これで息子も学ぶだろう。しめしめ…と、割れたグラスを凝視すると…
江戸切子のおちょこです。

「え!?IKEAじゃなくて!? 江戸切子~~っ!?」
無論、4歳児が江戸切子は高価でIKEAは安価だなど知る由もありません。

そうなんです。
食器洗いの時もそうですが、割れるときというのは、
必ずと言って良いほど、高価なものの方が割れるのです。

ショックを隠しきれない私の姿を見て息子もショックだったようです。

この体験では、私も息子も学びました。
私は最後まで確認を怠らないことを、
息子はママはOKでないのにOKを出すことがあることを、
そして、ママの中には、高いものと安いものの区別があって、
高いものの方を失うとショックを受けることを。

それからというもの、
息子は実験のときは、細かく、繰り返し確認するようになりました。
また、「これは高い?安い?」と尋ねる知恵を身につけました(苦笑)

こんな失敗談も、1年経った今となっては微笑ましい思い出です。
江戸切子でなければインパクトも薄く、そこまで記憶に残らないと思います。

また、江戸切子のおちょこが1個割れても、
私たちの人生が壊れた訳ではありません。

失敗は時として人生の良きスパイスにもなります。

苦い思い出も人生計画のうち、失敗して学ぶ息子を見守る、
それができたのなら、それは成功♪
ぜひアキさんもそんなふうに受け止めてみてはいかがでしょうか。

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