【Q】都心から東京都内の23区外へ
越して来て、3年半が経過。
今だに自然だけが多く、不便な暮らし
に慣れず、苦しんでいる毎日です。
時に明るい気持ちになる時もありますが、
また消えていきます。
主人が定年を迎える前に、
経済的なことを考え、また、
これから夫婦2人で健康なうちに
いろいろなことを楽しみましょう
という提案がありました。
産まれてから50歳になるまで、
引っ越しはありましたが
全て同じ区内での移動。
実家も近く、多くはありませんが、
気軽に会える友達もいました。
子どもも大学を卒業し
これから楽しみたい時でしたので、
私の本心としては
引越しには反対でした。
が、自宅、マンションも高騰し、
私は感情論でしか話せず、
諦めて承諾しました。
実際、自然が多く、毎日、
観光のような気持ちでおりましたが、
現実は生活が不便。
趣味の手芸材料も気に入った物が
近所では見つからず。
主人はこちらの環境に慣れ、
自然を通し、いろいろな趣味を見つけ、
人との交流も増え、仕事のお休みは
全てそちらに出かけます。
引っ越す前の友達とのお付き合いにも
たまに出かけて行きます。
その主人を憎むようになり、
そんな自分を嫌いになり、
抜け出せない毎日に
体調も崩してしまいました。
何も行動がとれず、このまま人生が
終わってしまうのかなと思いながら、
ただただ家事をする毎日です。
カウンセリングは受け、お薬も処方は
されましたが、原因が明確なので、
私には効きません。
過去の生活に戻りたいです。
これからどう進んでいけば
よいのでしょうか。
【じゅんちゃん・50代・女性】
【A】じゅんちゃんさん、
ご相談ありがとうございます。
慣れ親しんだ土地を離れ、新しい環境
での暮らしに心がついていかない…
その苦しさは、実際に経験した人に
しかわからない深いものがあります。
まして、半世紀にわたり築いてきた
生活、人間関係、安心できる居場所を
一度に手放したのですから、簡単に
適応できないのは当然のことです。
じゅんちゃんさんに起きているのは
「不便な暮らしへの不満」だけではなく、
これまでの人生の連続性が
断ち切られたような感覚、
いわば「心のホームベース」を失った
喪失体験に近いものではないでしょうか。
以前の生活には、気軽に会える人、
通い慣れた場所、自分らしくいられる
空気があったことでしょう。
そうしたものは利便性を超えて、
私たちのアイデンティティの一部に
なります。
ですので、それを失ったとき、
私たちは自分が自分でなくなったような
空虚感に襲われることがあります。
さらに、もう一つ苦しみを深くしている
のは、ご主人との適応の差でしょう。
ご主人は新しい環境で楽しみを見つけ
外へ広がっていく一方で、
じゅんちゃんさんは
内側に閉じ込められてしまう。
この対比は、「置いていかれた」という
孤独感や、説明のつかない憎しみにも
似た感情を生みやすいものです。
そして、その感情を持ってしまう自分
を責めてしまうという、
とてもつらい循環ですね。
ただ、その感情は、心が壊れている
サインではなく、むしろ大切なものを
失ったときに生じる自然な反応であり、
それほどまでに愛着を持てるものが
人生にあった証でもあります。
裏を返せば、そのような愛着を育む
ちからを本質的にじゅんちゃんさんは
お持ちということでもあります。
では、これから
どう進めばよいのでしょうか。
いまのじゅんちゃんさんにとって
鍵となるのは、「元に戻ること」を
目標にしないことです。
私たちは、過去に戻ることはできません。
ですが、過去にあった「大切な要素」を
今の生活に取り入れることはできます。
お見受けするところ、
じゅんちゃんさんのお住まいは
都心にアクセスしようと思えばできる
エリアですね。
そうであれば、たとえば、以前の街に
定期的に出かける日を作るとか、
旧友と会う予定を立てるとか、
好きだった趣味の環境をオンラインや
都心の教室に通うことで再開するなどです。
生活の拠点は変わっても、
生活圏まで狭める必要はありません。
心の居場所は一つでなくていいのです。
ご主人が地元で活動をしているからと
いって、じゅんちゃんさんもそのように
しなければいけないわけではありません。
じゅんちゃんさんなりの適応、
すなわち、地元と都心との
ハイブリッドで適応すればよいのです。
ぜひ、
「以前の生活で何が一番好きだったか」
「何が自分らしさを支えていたか」
を書き出してみてください。
そして、場所ではなく要素として見えて
きたとき、それを新しい形で
再び人生に取り戻す道が見えてきます。
ご主人にも複雑な気持ちをお持ちですが、
彼は決して敵ではなく
上手に新しい環境に適応できた人として、
じゅんちゃんさんを支える側に
回ってもらうこともできる存在です。
「私はまだ慣れていなくて、
私なりの適応の仕方を模索中だから
サポートしてくれる?」
と率直に協力のリクエストを
してみてはいかがでしょうか。
それは、弱さではなく、
関係を回復させる勇気でもあります。
また、家事をするだけの毎日と
感じていることが、無力感を
強めている可能性もあります。
人は誰かとのつながりや役割を持つことで
再び生きている実感を取り戻します。
小さくても構いませんので、
趣味の発信、学び直し、ボランティア、
オンラインの活動など、
外とつながる窓をひとつからでいいので
作ってみてください。
じゅんちゃんさんは、
このまま人生が終わってしまうのではと
不安に感じておられますが、実際には、
いまは第二の人生の設計図が
一度白紙になった状態とも言えます。
白紙は不安ですが、同時にこれから
何を描くこともできる余白でもあります。
50代は、義務の人生から選択の人生へと
移行する節目の時期であり、
そのために空白が生じるのは自然です。
じゅんちゃんさんのように人生を真剣に
生きてきた人だからこそ感じる痛みを、
変化に向き合う兆しと受け止め、
一呼吸おいて人生の大切な要素と
向き合ってみてください。
最後に、私自身のシェアを少しさせて
ください。
実は私自身も、港区、世田谷区と
20年以上住み慣れた23区を離れ、
都下に引っ越して1年が経ちました。
そして、その間、我が家を訪れた友人や
親戚の数は、私が都心に暮らしていた
ときの倍以上に増えたのです。
私が都心に出向かずとも
「来てみない?」と声掛けすると、
みんな喜んで遊びにきてくれました。
そう、友人らもまた変化のときで、
私の引っ越しに便乗して
いままでと異なるユニークな土地(価値)
での集いを楽しみにしてくれているのです。
じゅんちゃんさんももしかしたら、
一声かけさえすれば、そんな要素を
潜在的に求めている友たちが
喜んで会いに来るかもしれませんよ?
じゅんちゃんさんが新しい土地で
新しい価値観も取り入れながら
日々穏やかに楽しむことができますように。
応援しています!
ー川畑のぶこ
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