【Q】入信している新興宗教について
の悩みです。
私はいわゆる「宗教2世」です。
幼い頃は親の刷り込みにより、
熱心に活動することが正しいと
思い込んでいましたが、
やらなければならないことや
逆に様々な制限などがあり、
宗教に対しても熱心な親に対しても
疑問を感じることが多くなってきました。
高校生になってからは、
反抗心からほとんどの活動をせず、
そのまま大人になりました。
結婚して実家を出てからは、
親からも宗教団体からも
活動の勧誘や訪問もなくなりました。
解放された喜びを感じてはいますが、
決して脱会したわけではありません。
「うまく逃げているだけ」という
思いがあり、いまだに縛られている
気持ちになります。
子どもも成長し、50代が見えてきた今、
どこかに自分の一部をとらわれている
ような感覚から完全に抜け出し、
本当の自分になりたいのです。
でも、実際に脱会について
調べていくと同時に、
「高齢の両親はどんな反応をするだろうか」
「私が原因で心を病まないだろうか」
「親が会員から責められるのではないか」
など、親に対する不安が生まれ、
躊躇しています。
また、私には兄がいて、彼は
ほどほどに宗教活動しているのですが、
最近、彼から
「辞めるなら親の死後にしてくれ」
と冗談っぽく言われたこともあり、
決意が揺らいでいます。
ちなみに、
夫と中2の長女には相談しており、
2人とも私の決意を応援してくれています。
時々、不安な日には
「『自分には味方がいる』という安心感
さえあれば、わざわざ脱会して
波風立てることもないか…」
と逃げ腰になったり、
「いや、それでも自分の人生は自分で
決めたい!」と奮起したりと、
気持ちが行ったり来たりしています。
こんな状況ですが、何かアドバイス
をいただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。
【とうこ・40代・女性・パート・大阪府】
【A】とうこさん、ご自身の
心の揺れを丁寧に言葉にしてくださり
ありがとうございます。
「自分の人生を生きたい」という
強い思いと、「親を傷つけたくない」
という優しさ。
その両方を大切にしているからこそ
の苦しみですね。
宗教2世の方は、幼い頃から
「自分の気持ちよりも組織や親を
優先すること」を学ばされてきた方
が多いと思います。
だからこそ、「自分で決めたい」と
思えている今のとうこさんは
すでに大きな変化を起こされており、
ご自身の人生の大きな一歩を
歩き始めています。
まず、「脱会するかどうか」は
とうこさんにとって、ゴールではなく、
あくまでもプロセスであることを
忘れないでください。
「完全に抜け出したい」というお気持ち、
すぐに整理したいお気持ちは
よく分かりますし、当然の感情と思います。
ただ、脱会という行動は
あくまでひとつの形態であって、
本当のゴールは、とうこさんが
ご自身の人生を自分の価値観で
生きることです。
つまり、宗教から形式的に抜けても、
心の中に恐れが残ることがあっては
目的は達成できないことになります。
逆に、形式上籍が残っていても
心はすでに自由であれば、
必要なプロセスを踏めていることに
なります。
ですから、「今すぐ決断して
白黒ハッキリさせなければならない」
と焦らなくても大丈夫です。
心の自由が少しずつ広がっていく
過程こそが大事です。
また、親を想う気持ちは「優しさ」
であって「義務」ではありません。
とうこさんは、きっと、
親が責められるのではないかとか、
親の心身に影響が出るのではないかと
心配されていることと思います。
これは思いやりや優しさによるものです。
ここでひとつ忘れないで欲しい
大事な視点があります。
それは、
親の信仰は、親自身の選択である。
ということです。
とうこさんの選択が、親の人生や感情
をすべて左右するわけではありません。
親が何を信じ、どう感じ、
どう受け止めるかは、親の課題であり、
とうこさんには
どうすることもできません。
「自分が親を苦しめてしまうかも
しれない」という思いは、
幼少期から刷り込まれた責任感の
錯覚であることが多いのです。
また、お兄さんの言葉も、あくまで
お兄さんの立場からの願いであり、
「辞めるなら親の死後にしてくれ」
という言葉は、お兄さん自身が
親と宗教の板挟みにあるから
出てくる言葉で、お兄さん自身の
苦しみも感じられるものです。
でもそれは、とうこさんの
人生の優先順位を決める権利とは
別のものです。
とうこさんが、自分の人生を
どの時点で切り替えるかは、
とうこさんだけの選択です。
宗教2世の方が一番怖いのは、
「家族も組織も失うのでは」という
孤独感が生まれてくることです。
でも、とうこさんには応援して
くれる夫と娘さんがいます。
つまり、とうこさんは
もう孤立していません。
家族が味方であるということは、
とても大きな支えです。
とうこさんにはすでに新しい
安心できる居場所があり、
未来のためにも守るべきは
こちらでしょう。
もちろん、すぐ脱会しなくても
「自由に生きる練習」はできます。
脱会は大きな決断ですが、
その前にスモールステップで
できることがたくさんあります。
たとえば、
・宗教行事や役割を、
無理のない範囲で減らしていく
・宗教以外の人間関係や学びを増やす
・「自分の価値観で選ぶ体験」を重ねる
・日記やメモで、
自分の本当の気持ちを言葉にする
これらはすべて、心の脱会であり、
精神的な独立のプロセスです。
形式的な脱会のタイミングは、
これらのステップを踏んで、
覚悟が整ったときでも遅くありません。
これは決して逃げではなく、
家族と自分を守るための戦略です。
今はまだ、親への罪悪感や
長年の刷り込みによる組織への恐れ
などが残っている状態だと思いますが、
自然なことですから、迷っている
ご自身を否定することなく、
必要な時間をかけてあげてください。
そして、「いつ辞めるか」ではなく
「どう自分の人生を取り戻していくか」
に意識を向けてみてください。
次の問いは助けになるかもしれません。
・私は、何のために脱会したいのだろう?
・私は、どんな人生を生きたいのだろう?
・宗教がなくなったら、
どんな自分でいたいだろう?
・私は、何を信じて生きたいのだろう?
これらの答えが明確になるほど、
選択は自然に見えてきます。
とうこさんは、すでに
「自分の人生を自分で生きる扉の前」
に立っていらっしゃいます。
今は、無理に決断する時期ではなく
「自分を取り戻す準備期間」
ととらえ、焦らずに、
でもご自身の人生の主導権を
取り戻す歩みを、
少しずつ進めていってください。
そして何より、
「自分の人生を自分で決めたい」
と思っているとうこさんの気持ちは
尊いものです。
とうこさんの歩みを、
心から応援しています。
ー川畑のぶこ
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