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【Q】実家が全焼しました。
実家に居住していた家族は無事でした。

火災保険には入っていたので
保険金は下りるでしょうが、
どの程度かは分かりません。

家族は高齢の母、
長く引きこもり状態の兄弟です。

私自身は遠方に住んでおり、
独身で子どももいません。
(既に持てる年齢ではありません)  

何というか、状況的にこれから
幸せになれる未来が見えないのです。

パートナーもいませんし、
母だっていつまでも生きているわけ
ではないので、そうすると
引きこもりの兄弟だけが残るわけです。

さんざん嫌な思いをさせられてきた
ので面倒を見る気はありませんが、
血縁者なので切っても切れないこと
もあるでしょう。

そんなことを考える度
気持ちが沈んでしまいます。

私はこれからどんな心持ちで
生きていけば良いのでしょうか。

【こやん・40代・女性・派遣社員・東京都】

【A】ご相談くださりありがとうございます。
とても大きな出来事を乗り越えて
こられたこやんさんなのですね。

このような出来事のあとに、
ここまで冷静にご自身の状況と感情を
言葉にされていること自体が、

これまでこやんさんが相当な力で
人生を生き抜いてこられたからこそ
の証だと感じました。

実家が全焼という、この上なく
ショックでお辛い経験をされた中にも、
ご家族が無事だったことは何よりでした。

ただ、同時に「無事だったからよかった」
と単純に片づけられないほど、
今回の出来事がこやんさんの人生観や
将来像に深く触れるきっかけとなった
ことも、よく伝わってきました。

実家の全焼は、単なる物理的損失では
なく、それは、これまでなんとか
保たれていた家族の均衡や、
見ないようにしてきた将来の問題、

また、こやんさんご自身の人生が、
どこかで背負わされるかもしれない
不安などを、一気に浮き彫りにする
出来事となったのですね。

このように一度にあまりにも多くの
重たい現実が迫る状態下で、
「未来が見えない」とか
「幸せになれる感じがしない」という
感覚が湧いてくるのは自然なことです。

決してこやんさんが希望がないから
ではなく、いまはオーバーキャパなので、
前向きになれない時期なのだ
ということも覚えておいてください。

このような時期は、
無理に前向きになる必要もないですし、
まだ人生の方向性を決めたり
答えを出そうとする段階ではありません。

疲労している人に、
遠くを見る力はありません。
まず休む。判断はその後です。

ただし、はっきりしておくべきことは、
こやんさんの人生とご家族の人生は
同一ではないということです。

もちろん、血縁者なので、
面倒を見る気はなくても
切っても切れないこともあるでしょう。

ここには、理性と罪悪感のせめぎ合い
が見えますが、血縁があることと
責任をすべて引き受けることは、
イコールではありません。

こやんさんはすでに、実家を離れ、
自分の生活を築き、精神的にも経済的
にも自立して生きてこられました。

家族に負担をかけないように
生きてこられています。

それだけで、家族に対して最低限以上
の責任は果たしてこられています。

今後もし何らかの関わりが生じると
しても、それは「自分の人生を犠牲に
して背負うかたち」である必要は
ありません。

ですので、罪悪感が刺激されたなら、
ご自身にできるベストは尽くしている
ことを思い出してください。

また、ひとりで生きる人生=不幸という
思い込みがおありかもしれませんが、
この考えをいったん脇に置くことも大切です。

「独身で子どももいません
 (既に持てる年齢ではありません)」
というこやんさんの一文には、
社会的な物差しによって刷り込まれた
厳しい自己評価が感じられます。

しかし実際には、パートナーがいるかどうか
や子どもがいるかどうかというのは
「幸せの条件」ではなく、
幸せの一形態にすぎません。

パートナーがいるから不幸な人もいれば、
子どもに振り回されている人もいますし、
パートナーや子どもがいなくて
豊かに生きている人もいます。

最悪シナリオを一人で
完結させないようにしてください。

人は強い不安にさらされると、
頭の中で勝手に「最悪の未来映画」を
最後まで上映してしまいがちです。

それを感じたら、それに気づき、
深追いしないようにしましょう。

「ここから先のことは想像で、
 事実ではない」
「今はそれは起きていない」と、

シミュレーションをストップする言葉
を入れてみます。

不安の多くは現実によってではなく、
脳の誤ったシミュレーションによって
もたらされるのであり、
シミュレーションは停止できます。

これからの人生でこやんさんが育みたい
ものは、安心できる人間関係や
自分を尊重できる生き方、
また、心身をすり減らさずに暮らす知恵
ではないでしょうか。

それらは年齢に関係なく、
これからでもいくらでも築けるものです。

ご自身の人生について顧みる際は、
あまり未来に焦点を当てすぎると
足元がふらついてきますので、

「これからどう生きるか」よりも
まずは、「今をどう支えるか」に
集中してみてください。

今のこやんさんにとっては、
将来の人生設計の前にまず、
「今」をどのように過ごすかに
焦点を当てることが課題に見えます。

この課題には、今の不安を、
誰と、どこで分かち合うか
ということも含まれます。

また、何を考えるかよりも、
自分を追い詰めないために、
何を考えないでおくか…

兄弟が残る未来や母がいなくなった後
どうなるのか、これらは今すぐに
答えを出す必要はない問題で、

考えれば考えるほど、
出口のない迷路に入り込んで
エネルギーが低下してしまいます。

心がすり減る人ほど、判断力が鈍り、
本来は自分の責任でない領域まで
引き受けています。

このようなときは、
線引きを言語化してみてください。

・母の人生 → 母の管轄
・兄弟の生き方 → 兄弟の管轄
・自分の心身・生活
→ 自分の管轄 (最優先事項)

血縁は免罪符ではありません。

管轄が違うものを抱えるほど、
私たちは疲弊してしまいます。

思考が暴走している時、
心だけを止めるのは難しいです。

そのようなときは、身体から戻します。
たとえば、

・呼吸に丁寧に注意を向ける
・足の裏に体重を感じる
・温かい飲み物をゆっくり飲む

などは有効です。

これは気休めではなく、神経系を
落ち着かせる実際的な取り組みです。

そして、今日この日に、
こやんさんの日常に展開されていることで
好ましいことやありがたいことに
目を向けてみてください。

話に耳を傾けてくれる友とのつながりに
意識を向けてみてください。

さらに、ご自身にやさしく

「私は、私の人生を生きていい」
「今日は今日の分を考える」
「全部を背負わなくていい」

ということを確認してください。

これは冷たさでも、逃げでもありません。

長い間ご自身の気持ちを
抑え込んできた人ほど、
意識的に取り戻す必要のある姿勢です。

こやんさんの人生は、
「誰かの問題を解決するため」に
存在しているのではありません。

今は、無理に前向きにならなくて
大丈夫です。

沈んでいる自分を責めず、まずは
ここまで耐えてきた自分を認めるところ
からはじめてみてください。

ー川畑のぶこ

       
        
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