【Q】55歳・会社員、
1つ歳上の夫と二人暮らしです。
子どもはいません。
最近ずっと悩んでいるのがお節料理です。
結婚してからの20年間、
毎年欠かさずお節を作り、
車で1時間の夫の実家へ大晦日に届ける
のが慣わしになっています。
義実家は旧家で季節行事に厳しく、
夫は一人っ子。優しい性格ゆえ、
両親の希望には極力応えようとします。
ただ、私はフルタイム勤務。
年末の貴重な休みが、
お節作りでほぼ消えてしまうことに
年々ストレスを感じるようになりました。
本当は、年末年始くらい
自分たちのペースで過ごしたい。
旅行に行ったり、おいしいものを食べたり、
家でのんびりしたり、、、
そんな選択肢も持ちたい、
と強く思う年齢になりました。
何年か前に愚痴をこぼすと、
夫も「確かにそうだね」とは言ってくれ
ましたが、かといって、義両親へ話を
切り出してくれるような気配はなく、、、。
やはり反対されるのが嫌なのか、
どこかで「親の期待を裏切れない」
という思いが強いのだと思います。
一方、私の実家は車で反対方向に1時間。
最初の何年かは持っていっていましたが、
ある時母から「大変だからもういいよ。
正月は手ぶらでおいで」と言われ、
それ以来持参しなくなりました。
だから今や「義実家のためだけに
作っている」状態です。
そろそろ、この“お節のしがらみ”を
断捨離したいです。
でも、どんなふうにアプローチしたら
いいのか分かりません。
まずは夫を味方につけることだとは思う
のですが、両親思いの夫にどこまで
理解してもらえるのか、自信がないです。
義実家との関係に角を立てず、
私自身の年末年始の自由も尊重できるような
良い方法はあるのでしょうか。
どうかお知恵を貸してください。
【昆布巻き・50代・女性・会社員・茨城県】
【A】昆布巻きさん、
ご相談ありがとうございます。
20年という長い年月、フルタイムのお仕事
を続けながら義実家のお節を担ってこられた
こと、心から敬意を表します。
昆布巻きさんの悩みは、
夫や義家族を大切に思うが故のものである
こともよく伝わってきます。
そうであるからこそ、罪悪感や申し訳なさが
湧いてしまうかもしれませんが、
このような状況下で「疲れてしまった」
「もう別の年末年始を選びたい」と感じる
のは、わがままでも冷たさでもありません。
これは、昆布巻きさんにとって、
人生の自然な、そして大切な節目だと
いうことです。
まず、今回の問題の本質は、
お節料理そのものだけではなく、
昆布巻きさんが、
義両親の価値観や期待にどう応えるか、
夫の立場、また、嫁としての役割を
どのように果たせるかということにあると
思います。
ですので、義両親に角を立てずに、
昆布巻きさんご自身が、これからの
人生の時間とエネルギーをご自身のために
使うにはどうしたらよいかという、
とても大切な問いです。
20年間、昆布巻きさんは義実家の文化、
夫の立場、嫁としての役割を
十分すぎるほど尊重してきましたし、
そのような努力の過程を経たからこそ、
「次の段階」に進みたいという感覚が
生まれているのでしょう。
まずこのことに関しては、
夫がキーパーソンとなるので、
昆布巻きさんの心情を彼と共有する姿勢を
取ってみてください。
その際、批判や説得モードではなくて、
あくまでも分かち合う姿勢を
大切にしてみてください。
義両親や夫を否定したり責めたりすること
なく、あくまでも昆布巻きさんご自身の
問題として伝えます。
お義父さんお義母さんのことを大切にしたい
気持ちは、昆布巻きさんも同じであること、
ただし正直、ここ数年、年末が近づくと
心も体もかなりしんどくなっていること。
「もう20年やってきた」という気持ちと、
これからの年末年始は
「もう少し自分たちの時間も大事にしたい」
という気持ち、の両方がご自身の中にあること
を優しく丁寧に伝えてみてください。
すぐに結論を出す必要はなく、まずは
「私は今、こう感じている」という
昆布巻きさんのフィーリングを
知ってもらいます。
また、結果も全か無かで極端に考えず、
一気にゼロにする前に「緩める」という
選択肢も大事にしてください。
長年続いた慣習ほど、急に切るのは難しく、
段階的に緩める方が効果的で
角が立ちにくいでしょう。
緩め方の例では、
以下のようなものがあります。
• 手作りをやめて
一部または全部を購入品にする
• 品数を減らす
(義両親に喜ばれるアイテムのみ残すなど)
• 毎年ではなく「隔年」にする
• 「今年は体調・仕事の都合で
簡単な形にさせてください」と理由を添える
このように、持続可能な関係に切り替える
工夫をしてみます。
義両親世代にとって、お節は
嫁の労力に留まることなく、
家の伝統行事が守られていることによる
家庭の安定感や安心感ではないでしょうか。
そうであれば、「もうできません」よりも
「形を変えて続けさせてください」の方が
すんなりと受け入れられやすい場合が
あります。
たとえば、
「20年作らせていただき、召し上がって
くださってありがとうございます。
本当に嬉しかったです。
年齢的にも仕事的にも、これまでと同じ
形が難しくなってきたので、これからは
無理のない形で関わらせてもらえたら
嬉しいです」
などと伝えると角は立ちにくく、
誠実さが伝わるでしょう。
そして、
ご自身が直接言うより、ご主人様が
「妻が長年頑張ってくれたが、
最近体力が落ちてきて心配だ」
と心配する体で伝えるほうが
角が立ちにくいです。
「実は妻が最近年末に疲れが溜まりやすくて。
20年も作ってくれただけでも感謝している
けど、これ以上無理をさせて倒れたら
大変だから…」
と。
「妻の意思」ではなく「夫婦の決定」として
伝えるのは効果的です。
「妻がやめたいと言っている」ではなく、
「夫婦で話し合った結果、
今年は老舗のおせちを頼んで、
ゆっくり過ごすことにした」
などと、
二人で決めたこととして話します。
これは拒否ではなく、
関係性の継続の新しいかたちです。
昆布巻きさんは、義実家に誠実で
夫を思いやりお仕事も続けてきた、
十分すぎるほど「やってきた人」です。
これまでは誰かを大切にするために
自分を後回しにしていたかもしれませんが、
これからは自分を大切にするからこそ、
関係も穏やかに続くというフェーズに入る
時期です。
この一歩が、きっとより良い変化に
つながっていくことでしょう!
応援しています!
ー川畑のぶこ
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