
Q:わたくしの心の持ちようについての
ご相談です。
54歳になる長男は知的障害と統合失調症で
ここ20年間は諦めと憐憫(れんびん)で接して
やや顔色をうかがいながら過ごしてきました。
しかし私も75歳になって
いまさらミーファーストをもちだすのも
恥ずかしいのですが、
それを阻む目の前のたんこぶに苛立ち、
声を荒げて、自分でも意味不明な悪態を
ついてしまうことがふえてきました。
自己嫌悪におちいって
後であやまるのですが、
私はどうすればいいでしょうか。
幼少時から希死念慮があるので、
思わず口にだして
息子をおびえさせてしまいます。
自分の死期が決まっているのであれば
それまでの辛抱だと、
でもそれだとお互いの人生の質が傷だらけ。
何とかしておおらかになりたいのですが、
助けてください。
宜しくお願い致します。
【スキーマこころ・70代・女性・無職・神奈川県】
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A:FROM 川畑のぶこ
ご相談いただき、ありがとうございます。
スキーマこころさんの
心の悲痛な叫びが伝わってきます。
20年という年月を、愛情と忍耐と葛藤の中で
過ごしてこられたのでしょうね。
その重みは、
想像をはるかに超えるものと思います。
ここまでご自身のことを後回しにして、
息子さんのために
本当によく頑張ってこられましたね。
まず、
スキーマこころさんにお伝えしたいのは、
「ミーファースト」を恥じるどころか、
むしろ今こそご自身のケアを
大切にしてほしいということです。
自分自身を大切にするのに、
年齢や立場など関係ありません。
70代だからこそ、
自分の人生の舵取りについて
真剣に見つめなおすこともできますし、
何かをはじめるのに遅すぎるということなど
決してありません。
良いサポーターであるためにも、
まずサポーター自身のエネルギーが
充電されていることは重要なことです。
スキーマこころさんが自分のもてなし方が
わからないとおっしゃるなら
(自己犠牲を払って生きてきた人は
ときとして何に喜びを感じるのか
わからないことがあります)
まずは愛ある好奇心を持って、
「私の人生は私を満たすことを
きちんと準備している」ことを信じて、
スキーマこころさんにとっての
よろこびや安らぎに
まずアンテナを立ててみてください。
苛立ちや悪態が出るのは
スキーマこころさんの
限界のサインでもあります。
思わず声を荒げてしまう、
心にもない言葉が出てしまうのは、
決して弱さのせいではなく、
限界を無視された心身の悲痛な訴えであり、
助けを必要としている証拠です。
ですので、ご自身を責めないで
優しくなってあげてください。
おおらかさとは、
怒らない人間になることではありません。
むしろ、怒る自分も、弱い自分も、
素直に認めて受け入れられるように
なることです。
今は自己嫌悪や厳しさで
自分に向き合うのではなく、
ご自身にも傷があることを認めて、
ご自身を包みこんであげてください。
幼少期から希死念慮がおありとのことで、
生きることに対して、どこかで辛さや
孤独感を抱えていらしたのでしょうね。
その分、その辛さもわかるので、
息子さんや相手にも忍耐強く
向き合うちからをお持ちなのでしょう。
以下はスキーマこころさんに
取り組んでいただきたいことです:
●自分自身の時間をつくる
いきなり1週間の旅行などは難しくても、
毎日10分程度でかまいませんので、
自分のためだけの時間を確保して
ご自身をもてなしてください。
●ご自身の限界を尊重し、助けを求める
家族だから、親だからといって、
すべてを背負わなくてもよいと
ご自身に許可を与えてください。
サポーターにもサポートは必要です。
助けてもらうことは
決して恥ではありません。
地域包括支援センター(横浜市にもあります)
などに相談すると、介護者支援や
精神障害者の家族のサポートなど、
つながりが得られることもあります。
●シェアする機会をもつ
ご自身の悩みを吐露したり
同じ悩みを抱えている人と気持ちを
分かち合う時間をつくってください。
サポートグループに
参加するのも良いでしょう。
「一人ではない」という、
つながりの感覚や互いを支え合う
エネルギーに満たされた場は
癒しをもたらしてくれます。
ご自身のケアは、結果的に
スキーマこころさんの周囲の人々にも
癒しをもたらすことを忘れないでください。
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