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Q:断捨離、初心者です。
現在、母と2人暮らしです。

正社員ですが、要介護5で、パーキンソン病の母を介護しつつ、
仕事もハードな為、昨年退職を決意し、上司にも伝えましたが、
後任が決まらないまま時が経ち変わらず仕事をこなす日々です。

40代後半なので、再就職の難しさもあると思うと、決断が揺るぎます。

私自身も変形性股関節症があり、あまり無理できない中、
なんとか明るくプラスに考えていますが、時々辛くなります。

仕事か、介護か、、、何か御助言頂けましたら、幸いです。

【オリオン・40代・会社員】

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A:FROM 川畑のぶこ

オリオンさんのお母様への思いやりが伝わってくると同時に、
働き盛り世代の介護問題を浮き彫りにしてくれるご相談内容です。

40代から50代にかけては
親の介護と仕事の両立の問題が起きやすい世代で、
オリオンさんのようなお悩みを抱えている同世代は多くいらっしゃいます。

日本は介護離職の問題が深刻で、
介護離職する人は年間10万人を上回り、
うち半数は離職を望んでいなかったにもかかわらず、
仕方なく離職するケースであることが
厚労省の平成24年の統計で報告されています。

オリオンさんは退職届を出したにも関わらず、
後任が決まらずに未だに続けているとのこと。

仕事内容もハードとのことで、
オリオンさんの果たすべき役割や責任の重さが伺えます。

同時に、介護離職してしまった後、再就職の心配もおありなのですね。

介護も要介護5では、
入浴や排泄など身の回り全てのお世話が必要でとても大変だと思いますし、
仕事もハードとなれば、そしてゆっくり考えるゆとりも無くなれば、
一層の事どちらかを取るしかないという、ゼロか10かの心理状態に陥りがちです。

親を見捨てるわけにはいかないので、
ならば仕事を辞めるまでと考えられたのかなと思いました。

または、仕事のハードさゆえ、そして、
その働き方の変革に期待が持てないがゆえ、オリオンさんの無意識は、
介護を絶好の理由として、仕事から離れる選択をしたかもしれませんね。

もちろん、経済的にゆとりがあり、親の予後も見据えて、
最後は一瞬一瞬を丁寧に過ごしたいという思いから
介護を積極的に選択されたかもしれませんし、
そうであればそれは価値ある選択だと思います。

そうではなく、前者のように追い詰められた状態で、
疲労も相まって仕事を辞める決断をしたなら、
これは逆に、現時点で後任が見つからず
未だ職場で望まれていることを好機ととらえ、
仕事と介護の両立を再検討することをお勧めします。

まず、オリオンさんは
介護休暇や介護休業という制度の利用は検討されたでしょうか?

これは育児休暇と同様の制度で、社員に与えられた権利です。

前述の統計では、正社員が500名以上の会社では、
利用する人が利用しない人の約倍で上回るのに対して、
500名以下の会社では、制度を利用しない人の数のほうが利用する人の4倍となります。

その存在すら知らない人も多いようで、
休暇や休業の申請をしないまま離職されるケースも多いのです。

企業にとっても働き盛りで即戦力の正社員を失うのは大きな損失です。

事業主は社員が介護休暇申請した場合、それを拒否できず、
介護休暇を取得しても解雇する理由にはできませんし、
降格や減給、賞与の削減といった労働者側が不利益を被ることもあってはならない
ということが、
「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」
という国の法律で定められています。

オリオンさんも、後任者の問題は依然残るものの、
再就職が心配であれば、まずは第一ステップとして、このような制度を利用し、
その間に落ち着いて今後の人生プランを立ててみてはいかがでしょうか。

仕事はできる限り継続したいけれど、介護負担が重い場合は、
要介護5では老人介護施設に入所できますから、
ケアマネジャーと相談してベストの選択をされますように。

最初は子である私が親を看るのは当然と思って介護を始めても、
その負担の重さからプレッシャーが増し、相手を思いやれなくなったり、
そんな自分に罪悪感を持ったりして煮詰まることも起きがちです。

これは介護者にも被介護者にも好ましくない状態です。

そうならないよう、提供されている福祉サービスを最大限に利用することも
大切な選択肢になるかと思います。

身体的なお世話はプロに機嫌よく上手にやってもらい、
自分は家族にしかできない心理的な支えの部分を担い、
その役割を十全に発揮させるということも有効なオプションなのです。

家族であっても(あるいは家族だからこそ)適度な距離があって、
はじめて健全に敬意や愛情を表現できることもあるのです。

ぜひ、これらを選択肢に含めて再考してみてください。

逡巡するかもしれませんが、最後はオリオンさんの直感で決めて、
私(とお母さん)だけの、唯一無二のケース、
そこからスタートしてみれば良いとリラックスして歩まれてみてください。

このように人生をかけて真剣に悩んでいること自体が
素晴らしい親孝行であることは間違いないと思います。
   

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毎週月曜の「ココロの学校」メルマガで、
川畑のぶこがお答えします。

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