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Q:昨年、母が突然大腸癌の宣告を受けました。

これまでは弱気な人を叱りつける母でしたが、
いざ自分が癌とわかると泣き言ばかりで側にいるのが辛い程です。

抗ガン剤治療に副作用はつきものですが、
副作用の辛さばかりを毎回医師に訴え、
しかも抗ガン剤の副作用ではない体の不調まで全て副作用だという為、
医師もうんざりされ、こんな調子では治療はできないといわれました。

私も医師も繰返し説明しますが理解しようとせず、
終いには泣き出します。

そしてとかく人の同情をかいたがり、毎日を癌のことばかり考えて
自分を不幸だといい、口が痺れて美味しくないから食べたくない等
自分から病気になろうとしているかのような姿に苛立ちを感じてしまいます。

病気と治療の事をきちんと受け入れていないからだとは思いますが、
どう説明しても理解しようとしません。

副作用は嫌、治らないのも嫌…自分が治すという意識はなさそうです。
もういっそ治療など辞めれば?と言いそうになる自分がいて
自己嫌悪に陥ってしまいます。

癌でも日々の幸せの方に目を向けて過ごしてほしいのです。

どう接していけばいいのでしょうか?

【S・51歳・看護師】

――――――――――――

A:

FROM 川畑のぶこ

これまで強かった人が、病気で一気に弱るというのはよくあることです。

それまでの強さが、人生の波風を乗り越えた、安定的なパワーから
来ているものであればそうでもありませんが、
虚勢からであった場合は崩れることが多いです。

お母様は強かったというよりは、
強くあらねばと、自他を鼓舞していたのかもしれませんね。

本当なら、人間は強い時も弱い時もあって当然で、
両方の感情を持って良いし、味わって良いわけです。

その許可を与えてこれたのなら、
適度にバランスが取れていたのかもしれません。
自分が抱いている真の感情を認めずに、抑圧し続けていると、
その感情はどこかに捌け口を求めることになります。

病気というのは格好の捌け口なのです。

心理学では感情の浄化のことをカタルシスと呼びます。
本人が無意識に抑圧してきた感情を解放することで、
内的なバランスを取り戻し、癒しが促進されることがあります。

お母様も、もしかしたらそのようなカタルシスを体験されて
いらっしゃるのかもしれません。

ですので、昔の強かったお母様を期待すると、
必要なプロセスが阻まれ、抵抗に遭うのかもしれません。

今は、身体の病気をきっかけに、
これまで向き合ってこなかった課題=心のバランスを取り戻す
ということを、無意識に、不器用に取り組んでいるのかもしれません。

そうであれば、今のお母様に必要なのは、説得ではなくて、
泣き叫ぶ気持ちを受け止めてくれたり、
共感したりしてくれることなのかもしれません。

ご家族がお母様に、そのように向き合えるならベストですが、
精神的なゆとりがない場合は、
受容や共感の専門家である、心理士やカウンセラーなどを
活用するのも良いと思います。

ぜひ、日々新たなりの精神で、
今までのお母様ではなく、今のお母様に向き合ってみてください。

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