断捨離/掃除・整理・整頓

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【Q】40代独身です。10年前に離婚し、
その後ひとり暮らしを続けていますが、

数年前から部屋が洋服や雑貨であふれ返り、
今では足の踏み場もない状態に
なってしまいました。

最近はホコリも増え、
ついに喘息を発症してしまいました。

「このままではいけない、
 捨てよう、片づけよう」と決意したのに、
いざ向き合うと手が止まり、
結局また山積みの服の中で寝ています。

もともと私は片づけが得意ではなく、
むしろストレスがかかると
買い物に走ってしまうタイプです。

30代でうつを患ったときに買い物依存になり、
その頃から服が雪だるま式に増えました。

離婚後、収入も不安定になり
今は無職なので、本当はまず
生活を立て直さなければならない。

それも分かっているのに、部屋に戻ると
現実から目をそらしてしまいます。

「捨てたい」「変わりたい」と思う
気持ちは本当にあるのに、
どうしても途中で諦めてしまう。

緊急事態だと頭ではわかっているのに、
体がついていきません。

私は何から、どこから
手をつければいいのでしょうか。

また、すぐ挫折してしまう自分と
どう向き合えばいいのでしょうか。

この部屋だけでなく、自分自身の人生
も少しずつ立て直していきたい、、、
そんな思いがあります。

どうかアドバイスをいただけたら嬉しいです。

【ミントティー・40代・女性・無職・静岡県】

【A】ミントティーさん
ご相談くださりありがとうございます。

文章の端々から、今のお部屋の状態が
単なるモノの散らかりではなく、

ミントティーさんの「心の疲れ」や
「傷つき」、そして長い年月の蓄積が
形になったものなのだということが
伝わってきました。

同時に、「なんとかしたい」
「このままでは終わりたくない」という
静かな希望も、しっかり感じています。

大丈夫です。なんとかなりますし、
ミントティーさんは、
このままでは終わりません。

どうか今は、
「できていない自分を責める時間」ではなく
「これから自分と一緒に優しく再スタート
を切るための時間」だと思ってみてください。

ミントティーさんは、
部屋が片づかないのは自分の「意志の弱さ」
だと感じておられるかもしれません。

でも、ここまでの経過をうかがうと、
決してそうではありません。

30代でうつを経験され、その後、
離婚前の夫婦関係の困難、離婚後の孤独、
収入の不安定さなど、さまざまなストレス
が重なってきたのだと思います。

そうした体験が、心の中の「安全地帯」
を小さくしてしまい、その不安や孤独を
埋めるための「買い物」や「モノの山」
という形になっている可能性があります。

決して、ミントティーさんが怠けている
わけでも、ダメなわけでもありません。

過去のつらさと不安が、「服の山」として
目に見える形になっている状態だと
考えてみてください。

まずは、「よくここまで生き抜いてきたね」
と、ご自身に優しい言葉をかけてあげて
ほしいのです。

人は、不安や孤独を抱えると、
モノを手に入れることで、心にあいた穴を
埋めようとしてしまうことがあります。

買い物をしてモノを得る瞬間は、
「自分の力で何かをコントロールできている」
「パワーを取り戻している」という感覚が
得られ、一瞬、心のぽっかりが埋まった
ように感じられます。

ただ、その感覚は長く続かないので、
「まだ満たされない」と感じ、
再び買い物をしてしまう——
その循環が起きやすくなります。

これは、日常の不安や混乱から目をそらす
ための心の自然な防衛反応であり、

「つらい時期をなんとか生き抜くための
ミントティーさんのサバイバル」でも
ありました。

そして今、ミントティーさんは、
そのサバイバルのやり方から
「再生」の段階へ移ろうとしておられます。

だからこそ「もうこのやり方ではつらい」
「変わりたい」と感じ、このように
相談をしてくださったのだと思います。

これは、心が回復のフェーズに入りつつ
ある証拠です。その芽生えを、
どうか大切にしてあげてくださいね。

「何から始めればいいのか」という点ですが、
一度に「部屋全体をなんとかしよう」
とすると、

脳はそれを「脅威」とみなして
シャットダウンし、
動けなくなってしまいがちです。

そこでおすすめしたいのは
「スモールステップ」での片づけです。

「部屋全体」ではなく
「一箇所」に絞ること。

たとえば、今日はベッド(や布団)の上だけ、
テーブルの上だけ、廊下の一角だけ…など。

そして、10〜20分以内で終わる
「小さなエリア」に限定すること。

「全部片づける」ではなく、
「ここだけならやってもいいかも」と
脳が思えるレベルにします。

また、判断にエネルギーを使う
「要る・要らない」の選別よりも、

まずは明らかにゴミ、見てすぐに
「汚れていてもう使わない」とわかるもの
といった「迷わずに捨てられるもの」から
始めると負担が少なくて済みます。

1日10分の片づけでも、3日続けば、
それはもう「新しい習慣の芽」です。

「たった10分しかできなかった」
と責めるのではなく、

「今日も10分、前に進んだ」
「今の自分にできる範囲で、よくやっている」
と、自分を認めてあげてください。

片づけの目的を、
「部屋を完璧にすること」よりも
「片づけとの関係性を優しいものに
 育てること」としてみると、
心がぐっとラクになります。

途中で挫折しそうになったとき、
「またダメだった」と
自分を責めてしまうかもしれません。

でもそれは、「休憩が必要だよ」という
心からのサインでもあります。

これまでの人生で、ミントティーさんは
たくさん踏ん張ってこられたと思います。

力を出し尽くした心が、
「今は少し休ませて」と
言っているだけかもしれません。

挫折したからといって、
努力がゼロに戻るわけではありません。

昨日まで10分ずつ積み重ねていた分は
ちゃんとミントティーさんの中に
残っています。

挫折は「もう一度自分のペースを整え
直すための時間」と捉えてみてください。

これは決して「甘やかし」ではなく、
自己効力感を育てるための
立派な心理的セルフケアです。

寂しさや孤独感を埋めるために、
私たちは買い物だけでなく、食べすぎ、
SNS、過度な仕事など、さまざまなもので
心をまぎらわせようとします。

ミントティーさんの場合は、それが特に
「服」という形を取っていたのだと思います。

それも、心がなんとかバランスを取ろうと
した「生きるための工夫」でした。

ただ、本当の意味で心の穴を満たしてくれる
のは、モノではなく「人とのつながり」です。

ここでいう「つながり」は、
必ずしも異性や恋愛ではなく、

話を聞いてくれる友人や自分を気にかけて
くれる家族、専門家(カウンセラーや支援者)
や同じような悩みを持つ仲間といった、
ささやかでも温かい人間関係です。

そうしたつながりが少しずつ増えることで、
心の穴が本来の温度で満たされ始め、
モノで埋めようとする衝動が
やわらいでいくことがあります。

その意味でも、ミントティーさんには、
片づけを孤独な作業にしないことを
おすすめします。

今のミントティーさんに必要なのは
「もっと頑張ること」ではなく
「支えを借りること」です。

・信頼できる友人・親族に声をかける
・行政の生活支援や相談窓口を利用する
・片づけの専門家(断捨離トレーナーなど)に
伴走してもらう
・心のケアのために
 カウンセリングを活用する

誰かと一緒に取り組むだけで
決断の負担が軽くなり、
「自分ひとりで抱え込まなくていいんだ」
と感じられるようになります。

その経験が自己肯定感や自己効力感を育て、
社会復帰や生活の立て直しへの
大事な一歩にもつながっていきます。

ミントティーさんの今の大きなテーマは、
「ひとりで頑張る」から
「支えを受け取りながら進む」へ
シフトすることかもしれません。

ミントティーさん、今回こうして
言葉にして相談してくださったこと自体が
すでに大きな一歩です。

片づけは「心の回復」と
「人生の再スタート」の土台づくり
でもあります。

どうか、結果を急がずに、
1日10分の小さな片づけ、
誰かの力を素直に借りてみること、

「今日もよくやっているね」と
自分にかける優しいひと言から
始めてみてください。

その小さな一歩が
ミントティーさんの心と生活に少しずつ
あたたかい風を吹き込んでくれるでしょう。

応援しています!

ー川畑のぶこ

       
        
ーーー

 
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【Q】はじめまして。
「片づけない夫」のことで
相談させてください。

夫が5年間の単身赴任を終えて
戻ってきました。

もともと買い物が好きな人で、
赴任前の同居時代も夫の持ち物が
リビングや寝室にあふれていました。

赴任時にだいぶ整理したものの、
この5年の間に向こうでまた洋服や雑貨、
健康器具などをたくさん買い込み、
何も捨てずに全部持ち帰ってきました。

最初の1〜2か月は仕方ないと思い、
口を出さずに見守っていましたが、
半年以上たった今もダンボールが
廊下や寝室に積まれたままです。

寒くなってきたので衣替えのついでに
片づけるかと思いきや、
箱から1枚ずつ引っ張り出して着ています。

「荷物どうする? 
手伝えることがあれば一緒にやるよ」
と声をかけても、

「自分でやるから、開けないで」
と言うだけで、少しも進みません。

そんな状況なのに、休日はソファでテレビ。

夫専用の部屋があるわけではないので、
リビングや寝室、納戸にまで荷物が
分散していて、家の中が落ち着きません。

私としては、夫の赴任中に
コツコツ片づけて整えてきた空間が
また乱れていくのを見るのがつらく、
ついイライラしてしまいます。

とはいえ、あまり強く言えば
喧嘩になるのもわかっています。

夫は何を思ってモノを手放せないのか、
片づけない(片づけられない?)のか、
私はどんな声がけをして、
どう関わるのがよいのでしょうか。

アドバイスをいただけたら助かります。

【まーこ・50代・女性・専業主婦・埼玉県】

【A】まーこさん、
ご相談ありがとうございます。

ご相談を読んで、まず強く感じたのは、
まーこさんが、この5年間、
お一人で家を整え、生活空間を丁寧に
守ってこられたのだなぁということ。

そこに夫さんの大量の荷物が
一気に戻ってきて、
生活リズムも空間感覚も
乱されてしまったのですね。

自分のペースで整えてきた場所が
荒れていくのを見る切なさは
とても自然な反応ですし、
イライラするのは悪いことではなく、
それほど家を大事にしてきた証拠かと
思います。

一方で、ご主人の側にも
片づけられない理由がありそうです。

まーこさんの夫が
それらのモノを手放せない背景には、
いくつかの心理が働いているように見えます。

単身赴任の5年間で自分を支えるモノが
当然増えたことと思いますが、
これらのモノは、多くの男性にとって
「がんばった証」や「心の支え」として
心理的な機能を果たしている可能性が
あります。

服・雑貨・健康器具…
これらのモノも、もしかしたら
孤独や不安を解消するための
セルフケアの代用品である可能性もあります。

帰宅後にそれらを一気に手放すのは
まるで5年間の自分の歴史(=生きた証)
を否定するようでつらいという
心理が働くことも多いのです。

箱を開けると、赴任中の思い出、
孤独だったあのとき、
やりたかったけどできなかったこと、
老いへの不安…等々があふれ出し、

それに向き合うのが億劫になって、
箱を開けること自体に無意識な抵抗が
はたらいている場合もあります。

また、片づけ=管理能力というイメージから、
はたして自分が有能か無能か
能力を試されているように感じて、
負担となっているかもしれません。

それがきちんとできないことに
「ダメ出し」されるような気がして、
避けているかもしれません。

「自分でやるから開けないで」というのは
過剰な防衛からかもしれませんね。

では、どのように
はたらきかけたらよいのでしょうか?

まーこさんにはまず、
夫の持っている「モノ」や「空間」ではなく、
彼の抱いている「気持ち」に寄り添う姿勢
を育んでいただきたいと思います。

たとえば、
「早く片づけてよ」「どうするの?」
と言う代わりに、

「あなたのペースでいいのだけれど、
 私はこの家が心落ち着く場所だと嬉しいと
 思っているの。だから一緒に気持ちよく
 暮らせる方法を一緒に考えられたら
 助かるな」

などと伝えてみるのは効果的かもしれません。

「片づけろ」
という指示的なメッセージではなく、
「私はこう感じている」という“I”メッセージ
に変えると、相手の防衛が下がります。

・責めない
・人格を否定しない
・感情の爆発で伝えない

というポイントを大事にしてください。

また、片づけのプロセスも、
一気に全部片づけることを目指すのではなく、
小さく限定された具体的な対象から始める
のは効果的です。

人はあいまいなタスクには手がつきません。

たとえば、

「この段ボール1箱だけ見直す日を
 決めようか?」

「休日の午前中だけ
 15分一緒にやってみようか?」

「残す/捨てるじゃなく、
 分類だけしてみようか?」

片づけではなく、分類とすることで、
ハードルが一気に下がり、
その流れから自然と
片づけに進むことがあります。

また、夫の気持ちに寄り添うのに、
捨てる前に一緒に思い出したり
振り返る時間をつくることも有効です。

ご主人の荷物には、
単身赴任の5年間の物語があります。

箱を開けて、
すぐに捨てようとすると心が拒否します。

まずは、
「これは、赴任のどんな時期のもの?」
「これ、どんな気持ちで買ったの?」と
優しくモノの背景にある物語に耳を傾け、
受け取るだけでも、
相手は手放しやすくなります。

モノは「気持ちの結晶」なので、
言語化されると役目を終えやすいのです。

スペースの使い方に関しては、
二人で話し合いながら、
本人の領域と共有スペースを
明確に分けることも大事です。

たとえば、ご主人専用の小さな棚や
スペースをまず1か所だけ確保して、
「ここはあなたの自由ゾーン」
とするのも非常に有効です。

その上で、

・共有スペースに置けるのは○個まで
・溢れたら自由ゾーンに戻す
・自由ゾーンに入らないものは相談する

などといったルールを
二人で決めてみてください。

「奪われた」という感覚がなくなると、
人は片づけに協力しやすくなります。

まーこさんが
半年以上見守ってこられたことは、
十分すぎるほどの忍耐です。

これ以上ひとり我慢を続ける必要は
ありません。

以上のことを実践しながら、
「私はこの家を大切にしたい」という
自分の価値観を丁寧に主張してください。

片づけの問題は、
単なるモノの問題ではなく、
人生の変化に適応するためのプロセスです。

ご主人は、単身赴任を終え、
「夫」としての役割に戻る移行期の
まっただ中で、荷物が片づかないのは、
心がまだ家に着地しきれていないサイン
でもあります。

だからこそ、
まーこさんの温かい寄り添いと言葉が、
とても力になります。

どうかまーこさん自身の心地よさも
同じだけ大切にしながら、
少しずつ二人の新しい暮らしを
整えていけますように。

応援しています!

ー川畑のぶこ

       
        
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【Q】はじめまして。
50代の女性です。
実家の庭のことで悩んでいます。

実家には80代の母が
一人で暮らしています。
父は2年前に他界しました。

父は生前、庭をとても大切にしていて、
季節ごとに業者を呼び、
植栽や剪定などを欠かさない人でした。

母はその頃から庭に特別な関心はなく、
父が亡くなってからは
手入れがほとんどされていません。

私は今、実家から車で2時間ほど離れた
所に自分の家族と住んでいます。

日帰りで様子を見に行こうと思えば
行けますが、毎週というわけにもいかず、
季節によっては、行った時には
雑草が伸び放題になっているというのが
現実です。

実家の地域のシルバー人材センターに
依頼したこともありますが、
草取りをしても、しばらくすれば元通り。
いたちごっこです。

「もういっそ、庭をなくして
 コンクリートで固めてしまうのはどう?」
と母に提案したこともあります。

ですが母は、
「お父さんが大事にしていた庭だから…」
と乗り気ではありません。

たしかに父の思い出が詰まった場所
ではありますが、

今の母の気力・体力を考えると、
維持管理は容易ではなく、
かといって放置しておくのも気になります。

結局、私が行くたびに、できる範囲での
草取りや片づけをするのですが、
帰る頃にはぐったり。

母の「ありがとう。お父さんが喜ぶから」
という言葉を聞くたび、
どこかモヤモヤした気持ちになります。

「庭=父の思い出」として
母が手放せない気持ちも分かりますし、
「放っておけない」と
動いてしまう自分もいます。

草取りや剪定だけでも定期的に業者に頼む
という方法が現実的なのかもしれませんが、
それなりに費用がかかりますし、

母が元気なうちはそれで良くても、
将来的には子どもたちである私や兄弟に
管理が任されることになるわけで、、、

それならば、
母がさほど庭にこだわらないのであれば、
早めに手を打った方がいいのでは、
と思ってしまうのも正直なところです。

父の思い出を大切にしつつ、
今の暮らしに合った形で庭を手放す、
あるいは変えていくにはどう考えたり、
動いたりしたらよいでしょうか。

何かヒントをいただけたらうれしいです。

兄が一人いますが、
遠くに住んでいるうえに年中多忙のため、
この話はまだしていません。

【もみじ・50代・女性・パート・群馬県】

【A】ご相談くださりありがとうございます。

お父様が大切にされていたお庭、
それを守りたいお母様の気持ちと、
現実的な維持の大変さとの間で揺れる
もみじさんの複雑なお気持ちが
よく伝わってきます。

お母様にとって庭は、
単なる物理的な空間ではなく、
お父様とともに過ごした時間そのものを
象徴する、大切な思い出の場所になって
いることと思います。

お母様の「お父さんが喜ぶから」という
言葉には、お父様が大切にしてきたもの
を保存することで、いまもなお、
お父様とつながりを保ちたい願いが
込められているのではないでしょうか。

庭は絆の象徴なのかもしれませんね。

ただし、同時に
管理しきれない現実があり、それを
娘であるもみじさんが背負っている…

この構図は、象徴的な遺産を
次世代がどう受け継ぐかという
普遍的なテーマでもあると思います。

まず、実際に庭をどうするかの前に、
お母様にとって、庭にどのような思いが
込められているのかを、
優しく丁寧に対話しながら聴く時間を
持ってみてください。

たとえば、
お父さんが大切にしていた庭の、
どんなところが一番好きか、

または、もしお父さんが今ここにいたら、
どんな庭にしてほしいと思うかなど、
尋ねてみるのも良いかもしれません。

お母様が形よりも気持ちを守りたいのか、
あるいは風景を保ちたいのかによって、
対応の仕方も変わってきます。

今、もみじさんの選択肢は、
庭をこれまでどおり維持するのか、
それともコンクリート化して庭をなくすか
という全か無かの二者択一状態かと
思います。

ここで、もうひとつオプションを
つくってみてください。

それは、
庭を縮小するというやり方です。

お父様が中でも大切にしていた木や
お母様が気に入っている草花など、
象徴的な“一軍”の植物を絞り込んで
維持する方法です。

たとえば、
お気に入りのツツジや松を数本残し、
その周囲を砂利にしたり、季節の草花は
花壇やプランターに移して楽しむことも
できるのではないでしょうか。

お父様の思い出の庭のエッセンスを残す
ことで、お母様も思い出を楽しむことは
できるでしょう。

メンテナンスも、庭の規模を縮小したこと
でお母様ご本人が楽しめるようになるかも
しれませんし、

もみじさんや業者がサポートするにしても
負担が軽減され楽にサポートできるように
なるでしょう。

外注との併用もよいですし、たとえば、
定期的な草刈りを人材センターに、
年2回の剪定だけ業者にお願いするなどの
方法もよいのではないでしょうか。

お父様の思い出が大切であれば、
庭以外にも「お父さんの思い出コーナー」
をお母様が触れられるところに
設置するのも良いかもしれません。

季節ごとの庭の写真や石や樹を
少しだけ記念に残すことで、
お父様の写真を飾ることで、
お父様の息遣いを感じられるでしょう。

庭を残さなくても
思いを残すことはできます。

お父様へのリスペクトを形にできるので、
お母様も納得しやすく、もみじさんの
モヤモヤも軽くなるのではないでしょうか。

また、遠方にお住まいのお兄さんが
サポートをするのは
手軽ではないかもしれませんが、
状態を共有しておくことは大切です。

お兄さんに、お母様の今の様子や
庭の現状、そしてもみじさんの負担感を
率直に伝え、

お母様の気持ちを尊重しつつ、
現実的な方向を探りたいという意図を
共有してみてはいかがでしょうか。

お兄さんはすぐに物理的なサポートは
できないかもしれませんが、
年に1度でも帰省した際に
庭の管理がタスクに入るかもしれません。

また、もみじさんの気持ちを彼なりに
受け止め、互いにアイデアを出し合う
などすることで、もみじさんも
「一人でがんばらなくてよい」と
プレッシャーが緩和されるかもしれません。

このように、子どもたちが親のことに
思いやりや優しさをもって耳を傾け、
提案したり行動することによって、
お母様の心も自然に次の段階へと整う
可能性もあります。

また、もみじさんも、ご自身の思いを
伝えて受け止めてもらえたことによって、
より能動的にお父様の思い出を
大切にする気持ちが生じてくるかも
しれません。

ぜひ、ご自身の気持ちを抑圧することなく、
ご家族と思いをシェアしてください。

そして、積極的に助けを求めてください。

ー川畑のぶこ

       
        
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【Q】80代後半の母と実家で
約30年ぶりに同居を始めて、
2年半ほどが経ちます。

もともとは、
普通に仲の良い親子関係でした。

母は、身の回りのことや
慣れた料理はできるので助かりますが、
物を溜め込んでキッチンやダイニング、
そしてリビングが狭く乱雑になったり、

母が買い込んで持て余した食材で
冷蔵庫が満杯状態になることに、
私は毎日イライラしています。

共に暮らす私の夫や娘の物を収納したくて
棚や納戸を整理しようとすると、
親が処分を先送りにした物が
後から後から出てきて、
怒りが込み上げてきます。

つい母に嫌味を言ったり、
「自分が手に入れたものは、
自分で責任を持って片付けて」と
強く言ってしまいます。

そして後悔します。
片付け自体がストレスになります。

年齢なりに身体が動きづらいのも
当然ですが、
腰が痛いと漏らすのを聞いても、
最近はあまり親身になれません。

同居前のように気軽なお喋りをする気に
なれず、素っ気ない態度になっています。

休日も家にいるのが気詰まりで、
私が外出しています。

一緒に暮らせるのはあと数年と思いつつ、
穏やかな気持ちや笑顔で過ごせない自分
が情けなく、悲しいです。

何かアドバイスいただけると
とてもありがたいです。

【えだまめ・50代・女性・団体職員・東京都】

【A】ご相談くださりありがとうございます。

えだまめさんのお悩みは、
お母さんとご自身とご家族の暮らしを
大切にしたいからこそ、
きちんと向き合おうとしているからこそ
のお悩みですね。

まず、えだまめさんのご相談を伺って
感じたことは、

お母さんへの苛立ちは、もしかしたら、
えだまめさんが「母の家に戻ってきた」
のでどこかに遠慮があって、
素直に思いを伝えられていないことに
あるのでは?と思いました。

たとえ同居の経済的・介護的理由が
あっても、無意識のうちに
「自分たちはお客さん」
「母の領域に入り込んでいる」という
遠慮や抑圧がないでしょうか?

つまり、自分の居場所なのに
自分の家でない感覚が
ストレスを生んでいないでしょうか?

その結果、言いたいことを飲み込み、
溜め込み、イライラという形で
噴き出している可能性があるのでは
と感じました。

まず、お母さまに「空間の主導権」を
譲ってもらう提案をすることを
お勧めします。

その際、お母さんへの思いやりが伝わる
伝え方を心がけます。

たとえば、

「お母さん、この家の空間をもう少し
 私たち3人も使いやすく整えたいと
 思っているんだけど、私たちに
 譲ってもらってもいいかな?

 お母さんが使いたい場所や必要な場所
 はもちろん、お母さんが使って、
 私たち3人が使って良い場所は自由に
 できたらとても助かるんだけど。」

と、依頼をしてみます。

そのことで、お母さんは自分の領域を
勝手に支配されるのではなく、
ご自身が優先的な選択権を持っている
という安心感を得られると思います。

もし許可が出たなら、
えだまめさん自身も遠慮から解放され、
行動に主体性を取り戻せるでしょう。

同時に、お母さんのモノの整理の手伝い
をオファーしてみてください。

85歳で腰痛があり、特にモノを溜め込む
傾向のある方に「自分で考えて捨てて」
と言っても、現実的には難しいです。

体力のみならず、
脳の処理スピードや執着の構造が、
若いときとはまったく違うからです。

どう手をつけていいか
わからないでしょうし、
助けてほしいけど、恥ずかしかったり
不安だったりするかもしれません。

ですので、えだまめさんから率先して
お母さんが安全で動きやすいように
整理のお手伝いをしたいことを伝え、

「お母さんの好きなものや
 大事なものは残して、
 使わないものだけ一緒に見直そう」
と提案してみてください。

決して怒りからではなく、
思いやりからのアプローチにすることで
空気が和らぎますし、

お母さんも自分が否定されているわけ
ではなく、大切にされていることを
感じられることでしょう。

まずは、
「ここまではお母さんゾーン、
 ここからは私たちのゾーン」
とスペースの区切り方を一緒に決めて、
お互いの安心と自由を確保します。

次に、お母さんのモノを一旦テーブルなど
平面に出して棚卸しをします

これだけあるんだと、量をお母さん自身が
しっかりと視覚で認識することが第一歩です。

そして、一緒に選びます。

「これはまだ使う?」
「これは〇〇さんにあげてもいい?」など、
えだまめさんが決めるというより
相談の姿勢で進めてください。

「捨てる」という言葉に抵抗があるかも
しれないので、不要なものは「卒業する」
と伝えるのも効果的かもしれません。

その際、「今までありがとうね」と
感謝を声に出して処分するのも感情の整理
を促す儀式的プロセスになります。

「片づけ=関係のリセット」でもあります。

お母さんのモノとの関係が
リセットされるのと同時に、
えだまめさんとお母さんの関係も、
思いやりあるモノの片づけ方によって、
良好な関係に整えることができるでしょう。

親子の間に張り詰めた空気が生まれたときは、
モノの整理を通じて関係を整理するチャンス
と捉えてみてください。

「これ、若い頃どうやって使ってたの?」

という声かけから、
お母さんの知らない素敵な過去や、
お母さんが心の中で大切にしているものが
見えてくるかもしれません。

そうであれば、片づけを通して
優しいやり取りを再開する
きっかけになるかもしれません。

関係修復は
空間整理と同時進行できることを
ぜひ覚えておいてください。

ー川畑のぶこ

       
        
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【Q】15歳と13歳の息子がいる、
45歳のシングルマザーです。

5年前に離婚し、それまでの家を出て、
今は2DKのアパートで3人で生活しています。

正社員で働いており、家計は私ひとりの収入
でなんとかやりくりしていますが、
仕事と家事・育児の両立で精一杯の毎日です。

成長期の息子たちはどんどん体も大きくなり、
部活や趣味の道具も増えて、手狭な間取りは
ますます片づかなくなっています。

もともと私自身も物が多く散らかりやすい
タイプでしたが、断捨離の本を読み、
「他人のモノに手を出してはいけない」
という言葉にドキッとしました。

というのも、
離婚前に夫婦仲が悪化していた頃、
夫の持ち物を勝手に処分してしまったことが
あり、今では深く反省しているからです。

その思いもあって、息子たちが散らかし放題
でも手を出せず、見て見ぬふりをしています。

ただ、息子たちの部屋は、衣類やわけの
わからないもので床が見えないほど散乱。
「しつけの問題」と言われても
仕方ない状態です。

思春期のせいか、片づけ以外でも口を出すと
反抗的な態度を取るので、ここ1〜2年は
生活態度や勉強のことも含めて
一切口を出さないようにしています。

するとますます散らかりはエスカレートし、
私は自分のエリアだけを断捨離して
整える日々です。

「自分がやっていれば家族もそのうち
やり始める」と聞きますが、今のところ
その気配はまったくありません。

仕事で疲れて帰ってきて、
さらに家の散らかりを目にすると、
心底げんなりしてしまいます。

これは思春期・反抗期と割り切るべき
でしょうか。
それとも、息子たちを傷つけず、
効果的に片づけへ促す方法はあるでしょうか。

アドバイスをいただけたら嬉しいです。

【悩めるシンママ・
    40代・女性・会社員・千葉県】

【A】悩めるシンママさん、
正直に、そして丁寧にご自身の状況を
共有してくださりありがとうございます。

お話から、
仕事も家事も子育ても背負いながら、
さらに断捨離を通してご自身の内面とも
向き合っていらっしゃる姿が伝わって
きました。

まずは、
その頑張りと誠実さに敬意を表したいです。

15歳と13歳という思春期の男の子にとって、
自分の部屋や持ち物は
「自分の城」であり「自己表現の場」です。

つまり、
縄張り意識が強く働き始める時期ですね。

ですので、多少散らかっているのも、
自己主張や親からの独立の表れでもあります。

このような時期は、親が一方的に片づけを
押しつけたり片づけ出したりすると、
ますます反発したくなってしまいます。

これは「片づけの問題」というより
「自立のプロセスの問題」と捉えてみると、
少し気持ちが楽になるかもしれません。

思春期や反抗期は嵐のようなものですから、
嵐のときは抵抗せずにひたすら過ぎるのを
待つというのも大事な対策となります。

また、断捨離の原則の一つは
自分の持ち物に責任を持つことです。
人のモノに勝手に手を出してはいけません。
(人のモノを勝手に捨てるのは暴力行為です)

そのときに大切にしていただきたいのは
「共有スペース」と「個人スペース」を
区別することです。

リビングや玄関、キッチンなど共有する
空間は、みんなが快適に過ごせるよう
最低限のルールをつくってみてください。

たとえば、
危機管理からも床にモノは置かない、
通路は確保するなどです。

ただし、個室や子ども自身の収納は
個人スペースですから彼らに任せ、
散らかっていても原則ノータッチとする。

共有スペースに関しては
「私が疲れて帰ってきたときにここだけは
片づいていてほしい」と正直に伝えるのは、
しつけではなく「共に暮らす人間としての
お願い」になります。

片づけを「やりなさい」と指示すると
反発されますが、

「私は散らかっていると
 疲れが倍増してしまう」
「整っていると安心できる」と、

自分のフィーリングをシェアする形で
伝えると、

子どもたちも
「母さんのために少し協力するか」と
思える余地が生まれるかもしれません。

モノの整理を「対話のきっかけ」にする
ことも、この時期の
しなやかなコミュニケーションに
つながるかもしれません。

部活や趣味の道具は、彼らにとっては
「夢」や「未来」とつながる大切なモノです。

もし片づけを促すとしたら、

「今のあなたにとって大事なモノって何?」
「これはこれからも使う?
 それとも卒業した?」

と問いかけ、モノを通して自分を振り返る
時間にしてあげると、
ただの片づけが「自己確認の作業」になる
のではないでしょうか。

また、母親は自分と自分のモノに敬意がある
ことが伝わります。

この時期は「散らかし放題」も一つの通過点
と受け止め鷹揚に構えてみてください。

息子さんたちも社会に出れば、
いやでも整理や管理が必要になります。

そのときに「お母さんが自分のエリアを
整えて生きていた」姿が、
必ず彼らの潜在意識に残っています。

今は表に出なくても、数年後に
ふっと芽を出すこともあります。

このように、思春期の息子たちと向き合う
際には、割り切りと信頼が必要です。

ティーンエイジャーの男子2人の成長と
ともに家が狭く感じるなら、
カフェや図書館なども自分の家の
「離れ」と思って活用してください。

悩めるシンママさんがくつろげる時間や場所
は、必ずしもご自身が所有している必要は
ありません。

賃貸住宅が月極の支払いなら、
カフェは飲食を提供してくれるだけでなく、
時間単位で自分のスペースを提供してくれて
いると考えればよいのです。

住む街全体もシンママさんの拡張自己として
意識を広げてみてください。

このように、
ご自身の空間を整えて背中を見せつつ、

• 共有スペースには最低限のルールを
• 指示ではなくフィーリングを伝える
• モノを通じて対話する
• ご自身のパーソナルスペースを確保する

この4つを意識しながら、
「たとえ散らかっていても彼らの成長の一部」
と割り切ることが、母としての心の平穏にも
つながることと思います。

悩めるシンママさん、
どうかご自身の安らぎを最優先に。

ご自身が整っていれば、きっと息子さんたち
にもそのエネルギーは伝わっていくことを
信じて前進してください。

応援しています!

ー川畑のぶこ

       
        
ーーー

 
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【Q】片づけしたい気持ちはあるのですが、
どこから手をつけたら良いか
迷うばかりで、行動に繋がりません。

(実は、片づけだけじゃなく、
行動の全てに焦りや迷いがあります)

そこには、過去に執着して
捨てきれない洋服を全部捨てたら、
いま着る服がない。

すると、
着ていく服がないから出不精になって、
ますます自分を構わなくなっていく。

悪循環を断ち切りたいけど、
部屋を見回すと萎える。

部屋が古いからとか、
掃除ができてないからとか、
自分がやってないのが原因なのに
前向きに気持ちを切り替えることが
できていません。

落ち着ける空間作りをしたいです。
行動する自分に変わりたいです。
自分にストップをかける物を
取り除きたいです。

できていた時もあったのに、
パタリとしなくなった自分になって
もどかしいのです。

親を見送るタイミングが来ているのに、
悲しい現状を変えていきたいです。

【ミライ・アラ還・主婦・東京都】

【A】ご相談くださりありがとうございます。

片づけしたいのに動けず、
過去に執着してしまう――
ミライさんのもどかしさや焦りが
よく伝わってきました。

まずお伝えしたいのは、
できない自分をどうか責めないで
いただきたいということです。

片づけや整理は、単なる作業ではなく、
心の整理と深くつながっています。

親御さんを見送る時期が近づくという
大きなライフイベントもあり、
心の中にはさまざまな思いが
渦巻いているでしょうから、

すぐに動けないことがあっても
自然な反応でもあります。

人は変化が怖いものです。

ただ、ミライさんの場合、
不要にハードルを上げてしまっている
可能性がありそうです。

すなわち、
「全部捨てたら今着る服がない」と、
やるとなったら「全て」と
思い込んでいるようですが、
その必要はありません。

断捨離はあくまでも
「不要・不適・不快」なモノを取り除き、
「要・適・快」なモノを選びぬくため
のプロセスです。

今の自分が着ない服は手放しましょう
という提案であり、
今着る服は捨ててはいけません。

捨てる行為はあくまでも手段であり、
すべてを捨てることが目的ではありません。

「今着る服がなくなる」なら、
それは断捨離ではないのです。

また、ミライさんは捨てることで
今着る服がなくなり出不精になり、
さらにご自身を構わなくなるという
悪循環に陥ることを
恐れていらっしゃるとのことですが…

はたして、まだそれらのモノを
捨てていない現在、
ミライさんは今着る服とともに
生き生きと外出されているのでしょうか?

もし、今も出不精なら、それは
モノを捨ててしまったせいではなく、
逆に、居住空間がモノで詰まってしまって
いるので、着たい服が見つけ出せないせいか、

あるいは、そもそも今のミライさんが
着たい服がそこにはもうないから
ではないでしょうか?

過去にはそれを着てウキウキしながら
外出した服も、いまは旬も過ぎて、
心ときめかないため
「着られる」けれど「着ない」服に
成り下がってしまってはいないでしょうか?

そうであれば、今のミライさんに
ふさわしい服を発掘するか、
そのような服がないのなら、
今のミライさんの心を躍動させ
輝かせてくれる服を新調する、

新しい服を迎え入れるためにも
旬が終わった服たちは
手放してみてはいかがでしょうか?

すると新しい服とともに
みずみずしいエネルギーが
ミライさんに舞い込んでくることでしょう。

「着る服がなくなるから捨てない」
から
「お気に入りの服をみつけ出すために捨てる」
というふうに
意識を切り替えてみてください。

また、部屋が古いとか
掃除ができていないのが原因と
ありますが、それは逆です。

モノが多いから掃除もしたくなくなりますし、
古びた部分の修繕にも
意識が向かなくなるのです。

何もない体育館のフロアに
ホコリが堆積していたら
自然とモップをかけたくなりませんか?

では体育館の物置はどうでしょう?
モノが多いと掃除する意欲も
削がれるのではないでしょうか?

立ちはだかるものがない白い壁が
煤けていたり壁紙が剥がれたりしていたら
塗り直したり貼り直したりしたく
なりませんか?

ところが壁の前に
モノが立ちはだかっていたらどうでしょう?
「そのうちやればいい」と
先延ばしになりませんか?

露出している平面の面積が多いほど
ホコリや汚れも目立ち、
簡単に掃除ができるので、
心理的に誘われるように
掃除がしたくなりますが、

モノが多くて立体面が増えると、
ホコリも汚れも目立たなくなり
掃除も面倒になります。

掃除のモチベーションを高め、
掃除を機能させるためにも
まずはモノを減らすことが必須です。

親御さんをお見送りされる
大切なタイミングとのこと、
ぜひご自身とご家族のためにも
清々しい生活の場を整えるべく、

不要・不適・不快なモノを手放して
要・適・快なモノに囲まれますように!

ー川畑のぶこ

       
        
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【Q】43歳、独身です。
片づけと掃除ができません。
子どもの頃からそうでした。

現在は一人暮らしですが、
部屋は完全にゴミ屋敷。

さすがに生ゴミは出していますが、
それ以外は手つかずで、
水回りもお風呂もひどい状態です。

先日、仲のいい女友達が家に来たのですが、
あまりの汚さに絶句されました。

「彼氏でもできたら、嫌でも片づけるように
なるんじゃない?」と言われましたが、
「いない歴」がもう10年以上ですし、
今のところそんな気配もまったくありません(笑)

よく「病的に片づけができないのは精神的な問題」
や「発達障害の一種」だとも言われますが、
私は普通に働けていて、趣味もあって、友達もいます。

空気も読めますし、人間関係で
トラブルを起こしたこともありません。

学生時代もそこそこの成績でしたし、
前の会社は20年勤め、そこを退職して独立、
今はフリーランスで一応生活はできています。

「掃除と片づけだけ壊滅的にできない」以外、
自分は社会的には普通以上だと思っています。

ただ、これまではごまかしごまかし
やってきたけれど、年齢を重ねるにつれ、
「このままだと将来、他人に迷惑をかけるかも
しれない」と思うようになりました。

精神科に相談すべきかとも思うのですが、
「単にだらしないだけ」かもしれないと思うと、
受診していいのか迷ってしまいます。

川畑さんなら、こんな私のことを理解くださり、
アドバイスいただけるのではないかと思い、
恥を忍んで相談させていただきました。

よろしくお願いいたします。

【ナナミ・40代・女性・フリーランス・兵庫県】

【A】このたびは、「恥を忍び」、
勇気を出してナナミさんの胸の内を
お聞かせくださり、ありがとうございます。

ご相談内容から、ナナミさんがとても客観的に、
そして誠実にご自身と向き合って
いらっしゃることが伝わってきました。

現在は20年勤めた会社から独立され、
フリーランスとしてご活躍されており、
ご友人とのつながりや趣味もおありとのことで、
ナナミさんが社会性豊かで、多くの才能と魅力を
お持ちであることも伝わってきました。

ただし、「掃除と片づけだけが壊滅的に苦手」
とのことで、ナナミさんの人生の大きな課題
としてのしかかっているのですね。

まず、片づけられない背景は
複合的な要因が絡み合っていることがありますので、
単に「だらしなさ」で片付けたり、
ご自身を責めたりしないようにしてください。

実は、この「できる/できない」や「正常/異常」と、
白黒はっきりつけたがるクセ、すなわち完璧主義が、
気軽に片づけをさせない心理的要因になることも
あるのです。

「やるなら完璧に」
「一気に全部やらなきゃ意味がない」と思うあまり、
スタート地点に立てなくなってしまう方も多いです。

これはとても真面目な方に多い傾向で、自ら
ハードルをぐんと高く上げてしまうパターンですね。

私たちの心や行動は常に白黒はっきりできるわけ
ではなく、グラデーションです。
そのグラデを受け入れる姿勢も大切にしてください。

即でも完璧でもなくても、たとえ少しずつでも
着手することに意味があると、
新たな価値を定めてみます。

そのような、片づけが苦手な背景にある心の動きや
認知(ものごとの受け止め方)のクセにも
気づいてあげてください。

ナナミさんが触れていらっしゃった発達障害も、
たしかに可能性のひとつかと思います。

空気が読めて、たくさんの友人がいても、
ADHDの方は段取りを組むことや
ものごとを整理して処理する力が
他の能力に比べて偏りがあり、

日常生活の中でその部分だけが
極端に苦手に感じられることがあります。

ADHDの方はむしろ刺激や人とのふれあいが好きで、
周りの人を楽しませるちからを持っていることも
多いです。

同時に、いろいろなものを抱え込みやすく
オーバーキャパになりコントロール不可能になる
こともあります。

だからといってそれは必ずしも
「劣っている」からではありません。

むしろ、その要素こそがそれ以外の部分で、
たとえばフリーランスでクリエイティブに
仕事をするなど、社会にうまく適応する
のに役立っている部分でもあるのです。

ですから、全か無かではなく、
コインの裏表の問題でもあるということも
知っておいてください。

キャパがオーバーしてしまうことが問題なら、
キャパの範囲内でご自身がコントロールできる
レベルにモノを絞り込むことは大切です。

片づけは「取るに足らないこと」とか、
「時間が余ったならそのときにすればよい
こと」などと過小評価しがちですが、

刺激的な人生を好む人は
時間が余ることはめったにありませんから、
「そのとき」はいつまでも訪れません。

また、精力的にいろいろなことに取り組む
ナナミさんは、仕事にも多くのエネルギーを
注いでいらっしゃることと思います。

そのため、家のことに向ける余力が残らない
という問題もあるのではないでしょうか。

そうであれば、やはりナナミさんは
だらしないのではなく、がんばりやさんで
エネルギーを他のことに使い切って
しまっているだけですから、
エネルギーの配分を意識して変えていくこと
が大切になってくるでしょう。

楽しいことを存分に楽しみ
イキイキと過ごすためにも、
まず断捨離が大事なのだと
優先順位と意識を切り替えて、
自らそのための時間を作り出してみてください。

もしADHDが気になる場合は、
精神科の受診もお勧めします。

敷居が高く感じるなら、
地域の保健センターやカウンセラーに
相談してみるのも良いと思います。

専門家のちからを借りて、
ナナミさんがご自身の傾向を理解するだけでも、
見通しが立ちやすくなるかもしれません。

また、苦手をすべて克服せずとも、
片づけが得意な人や断捨離トレーナーなど、
専門家のちからを頼ることで
いったんリセットを図ることも、大切な選択です。

「苦手なことを任せて、得意なことに集中する」
ことは、自分らしく生きるための戦略でもあります。

どうか一人で抱え込まず、助けを求めて、
サポートを活用しながら、小さくても構わないので
一歩を歩みだしてみてください。

心の整理と空間の整理は必ずつながっています。

ナナミさんをとりまく空間を整えることは、
ナナミさんの人生そのものを整えること
なのだということをどうかお忘れなく。

ナナミさんの清々しく健やかな日々を応援しています!
       
        
ーーー

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【Q】22歳の大学生の息子
についてご相談です。  

息子は一人暮らしをしているのですが、
大家さんや周囲の方に
ゴミ捨てなどで迷惑を かけているようで、
 
「何度連絡しても連絡がつかず、
大変だらしなくて困っております。
こんな学生は初めてです」と、
お叱りのお電話を2回いただきました。

息子は小さい頃から非常に育てにくく、
発達障害を疑ったものの、
夫が反対するため、病院には
連れて行ったことはありません。

小学生の頃は、
プライドが高く負けず嫌いで、
背の小さい子や細い子に力で勝つために
自転車の競争をして無理に追い抜こうとして
相手を倒して怪我させたり、

下級生とサッカーをして
思い切りボールを蹴って、骨折させる
というようなことが何回もありました。

中学生の頃は、人に怪我させることは
なくなりましたが、宿題をやったことが
ほぼありま せんでした。

宿題をやらない生徒が放課後集められて、
罰として終わるまで帰れない、
ということがありましたが、

その時は先生に何も言わずに
こっそり抜け出て習い事に行ったため、
親子で呼び出されました。

子どもの前で泣きながら
先生に謝罪する姿も見せてきましたが、
不誠実な性格はそんなことでは
直らなかったようです。 

同じように育てた下二人の娘は
このようなことで悩んだことは全くなく、
なんでこんなに違うのかと不思議です。

私がたまに用があって
息子に何度電話しても、出ない。
折り返しもこない。

「警察を呼ぶ」と言うと
やっと連絡がくる。

それなのに「要件だけ話して!」と
すぐに 切りたがるし、大事なことでも
じっくりと会話ができません。 

妹思いの優しさもあったり、
お友達付き合いも良好のようですが、
不誠実で面倒くさがりな性格は
今後社会人になってからもかなり心配です。

何かあった度に厳しく言い聞かせて
きたつもりでしたが、
育て方が悪かったと猛省し、
途方に暮れる日々です。

息子の性格を改めさせるには
どうしたら良いのでしょうか。

【マカロン・50代・女性・パート・栃木県在住】

【A】マカロンさんの親心が伝わってきます。

幼少期から「育てにくさ」を
感じてこられたとのことで、

息子さんの特徴には、
衝動性・自己中心的行動・不注意傾向、
宿題・ルール順守の問題、
社会的なトラブルやマナー違反、
コミュニケーションの困難さ
がおありとのこと。

一方で、妹思いで
友人関係は比較的良好であり、
妹たちにはそれらの問題が
まったくないとのこと。

すると、これらは単なる「性格」や
「だらしなさ」だけでは片づけられない、
発達特性の可能性があり、
ADHDやASDなどの可能性も考えられます。

そうであれば、彼の姿勢は
決して不誠実さや面倒くさがりや
性格が悪いことに起因するものでは
ありません。

これらは、
対処能力の未発達によるもので、

息子さんの行動の多くは
「自分で自分を管理する力」
=実行機能の未発達に起因している
可能性があります。

実行機能には、ワーキングメモリという
短期記憶を保持し、情報を処理する能力、

目標達成のために計画を立て、
必要なものを整理する計画力・組織力、
状況に応じて適切な対応を判断し、
実行する問題解決能力、

衝動的な行動を抑え、
感情をコントロールする自己制御、
状況に応じて考え方や
行動を切り替える柔軟性、

時間配分を考え、計画的に行動する
時間管理能力などがありますが、
ADHDの人は
これらの能力が弱い傾向があります。

息子さんがすぐに忘れたり
後回しにしたりする、
叱られても繰り返す
(失敗からの学習が困難)など、
課題の着手が遅れたりできないのは、

何から手をつければ良いか分からないので、
先延ばしにしてしまっているかもしれません。

着信無視も、情報過多で
パンクしている可能性もあり、
外界からの刺激に対する
選択的な反応の偏りがあるかもしれません。

妹さんたちとの違いに関しても、
同じ親から生まれ、同じように育てても、

子どもはそれぞれの気質、脳の特性、
外界との交流スタイルとや
その結果生じる相互作用によって
まったく違う成長をします。

息子さんも「なぜ自分はできないのか?」
と大変つらい思いをされてきたのでは
ないでしょうか。

息子さんの行動の原因が
発達のユニークさに起因するのなら、

マカロンさんの育て方の問題でもなければ、
彼の「やる気」の問題でもありませんから、
ご自身も息子さんも責める必要はありません。

また、息子さんへの叱責は
ストレスになるばかりですので注意が必要です。

彼に必要なのは、叱責よりも
彼の困っていることに対する
専門家との連携も含めたサポートになります。

いったい彼が何に困っているのか、
どうしたらうまくできるのかを
一緒に考える関わりを、

すなわち、
「ちゃんとしなさい」のかわりに、
「なにか困っていることがあれば
いつでも言ってね」という
オープンな姿勢に切り替えてみてください。

正解と比較して裁くのではなく、
愛ある好奇心をもって
彼の個性や他者との違いに
目を向けてみてください。

また、22歳という年齢からも、
彼は親離れして自立する時期です。

彼自身が問題に直面して
それを切り開くプロセスを
マカロンさんが見守るのも
大切な姿勢となります。

本人が「困った」と感じなければ、
周囲がどんなに騒ごうが
変化への動機づけは乏しいでしょう。

実際に彼が困る思いをするタイミングで
はじめて課題に真剣に向き合うかもしれません。

息子さん自身が
発達特性を自覚することができれば
解決への道も一気に開かれます。

マカロンさんにできることのひとつは、
そのようなときのための
情報収集と情報提供です。

地域の発達障害者支援センターや、
今なら大学の学生相談室や学生支援課などへ
相談を促すことも大事です。

支援機関と連携できれば、
彼が自身の課題への対処法を学ぶ
第一歩になるでしょう。

彼自身が連絡をとらなくても、
マカロンさんが各機関に
家族として連絡をとって
話をきいてもらうことも有効です。

マカロンさんがこれまでかけてきた
思いや努力は、
決して無駄にはなっていませんし、
今から築ける関わりがありますから、
諦めずに一つずつ
積み重ねていってください。

そしてどうか、マカロンさんご自身を
労う時間を忘れないでください。

応援しています!
       
        
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名称未設定のデザイン (1)

【Q】娘の持ち物についてのご相談です。

結婚しない、30代後半です。
キャンプ、焚火が趣味です。
趣味を持つことはいいことで、
私も趣味を持っています。

ただ、そのグッズが大量にあり、
和室2部屋、空き部屋やリビングにまで
物がいたるところに置かれています。

購入した空き箱まで保管(?)しており、
中には賞味期限が切れたキャンプ用の食材、
調味料、キャンプ用の衣類まであります。

床にまで置かれているので
掃除にも困っているのですが、
勝手に移動させると
烈火のように怒りますので、
数年放置状態です。

自宅での法事もあるので
大変困っています。

収納できるように
和室の押し入れも空けたのですが、
収納する気はなさそうです。

部屋を物で埋め尽くさないと
気持ちが落ち着かないのでしょうか。
対処方法を教えてください。

【ぴろろん・60代・女性・会社員・福井県】

【A】娘さんを尊重しながらも、
ご自身の日常生活や親族行事などとの
バランスに苦慮される
ぴろろんさんの様子が伝わってきます。

共同生活の場は
調和のためにも互いに妥協が必要ですが、
一方はやりたい放題で
一方はひたすら我慢となると、

我慢する方はフラストレーションが
溜まってしまい、
結果的に人間関係の不和や
心身の不調をきたしてしまいますね。

まず、ぴろろんさんもご自身の趣味が
おありでそれを大切にしているからこそ、
娘さんの趣味を楽しむ気持ちも
理解できるのだと思いますし、
それは素晴らしい姿勢だと思います。

娘さんもどこかでマーキングさながら、
自分の居場所を確保する無意識が
はたらいているのかもしれません。

そうであれば、片づけの提案は
「私の世界の崩壊!」と感じて、
ついつい怒りで反応してしまうのかも
しれませんね。

ですので、ぴろろんさんの理解と
思いやりとリスペクトをベースに、
若干フォーマルに娘さんと
コミュニケーションをしてみてください。

若干フォーマルにというのは、
イライラしたときにその勢いで話すの
ではなく、意図を持って場面をきちんと
設定して話をするということです。

お互いに機嫌のよいときに、
時間も20分以内を意識して
話ができるとベストです。

気がかりなことを
コミュニケーションする際は
どうしても批判的になりがちですが、

ここは批判ではなく
共感的で協力を求める姿勢で
向き合ってみてください。

ちょうど法事があるので、
「法事の準備のことで相談したいので
話す時間をもらえないか」と話を
切り出すのは自然ではないでしょうか。

そのうえで以下のことを意識して
コミュニケーションしてみると
効果的だと思います。

・法事を控え、故人を偲ぶ親族を
 気持ちよく迎えるのに家の中を整えたい
 と思っているので協力してほしいこと

・趣味は大切にしてほしいと思っているし
(私も趣味があるしモノもあるので
 あなたの気持ちもわかるので)、

・キャンプや焚き火の話もときどき
 聞かせてほしいと思っていること
(日頃からキャンプの話題で娘さんの
 興味関心をより深く理解することは
 良いことですし、キャンプ用品に対して
 もう少し愛おしく
 感じられるかもしれません)

・大切なものなので、私も手伝うから
 この機により取り出しやすくしたりして
 管理しやすくするよう一緒に整えてみないか

・自身も趣味のものがあるので
 気持ちがわかるし、
 整えてみたらストレスフリーで
 部屋だけでなく心まですっきりしたこと

・床の上のものがなくなると
 掃除もしやすくなるから
 衛生面でも良いこと

・モノの管理をするスペースのルールを
 一緒につくらないか提案する
(たとえば一人1部屋or2部屋以内に収め、
 リビングなど共有スペースには
 置かないかミニマムにするなど)

このように、娘さんが自分を理解して
もらえていると感じることができれば、
守りの姿勢から心をオープンにして
柔軟に対応してくれる可能性があります。

それでも娘さんが難色を示したら

・嫌な思いをさせてしまったなら
 そのことを詫びる

・勝手に決めず、一緒に話し合って
 いい形にしたいと思っていること

・ここはぴろろんさんの家でもあり、
 心地よく平穏に過ごしたいと思っていること

・リビングスペースにものが
 たくさんあると落ち着かないこと

・法事のあいだ限定でも構わないので
 使う部屋を空けてほしいこと

など、よりぴろろんさんの
ニーズの充足に焦点を当てて
コミュニケーションしてみてください。

繰り返し、
娘さんが物を手放せないのは
趣味への愛着だけでなく、
心理的な安全基地としての意味が
あるかもしれませんので、

あくまでも、本人が
より心地よく暮らせる方法として
アプローチしてみてください。

ぴろろんさんが気持ちよく
法事を迎えることを祈っています!
がんばってください!
       
        
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Q:大学生の一人娘についてです。
娘は実家で暮らし、
大学もバイトもサークル活動も
特に問題なくこなしています。

問題は彼女の部屋が異常に汚いのです。

本人は服装や美容にこだわり、
きれいに装って出掛けていますが、
居住空間は外見からは想像できないほど
荒れています。

モノが床に溢れるだけではなく、
食べ残しが腐っていようが、
汚れた衣類やゴミが散乱していようが、
まったく掃除しようとせず、
異様な匂いがしていても平気なようです。

私は掃除片づけが好きで、潔癖症なので、
このような娘の性分が理解できません。

それに、
汚さが度を越して病的な感じもします。

何度も注意したり、時には強く叱ったり、
「健康や美容にとっても
 不潔な空間はよくない」
と伝えているのですが、
一向に改善しません。

娘の部屋から漏れてくる悪臭に
気分が悪くなり、
彼女の不在時に部屋に入って
汚物を片づけることもしばしばです。

本人は部屋に入られるのは嫌なようで、
最初は不機嫌になっていましたが、
そのうち慣れたのか知らん顔をしています。

普段は母娘の関係は良く、
お互いに話を聴き合って
二人仲良く暮らしています(父親は単身赴任)。

しかし部屋のことになると、
私の言うことに拒否反応を示して
不機嫌になったり
数日間も無視したりすることもあるので、
まともに話ができない状態です。

今は
「時間がある時には部屋を掃除してね」
ぐらいしか言えず、
「うん」
と生返事が返ってくるような感じです。

一度彼氏が遊びに来た時には、
必死に見苦しくない状態まで
片づけていました(すぐに元に戻りましたが)。

私が潔癖である反動なのか、
部活や勉強で忙しかったため、
(私がやってしまい)掃除や片づけを
あまりしてこなかったせいなのか…

本人が清潔な空間で暮らすことに
意識を向け、
自室を整えられるようにするには、
どのようにしたら良いでしょうか。

【ココヨ・50代・女性・児童施設長】
 
―――――――――――――――――
     
     
A:FROM 川畑のぶこ
        
大学生の娘さんの部屋が
異常に汚く病的とのことで、
親心としては心配極まりない状態ですね。

ココヨさんは潔癖症とのことですから、
なおさらその状態を目にするのは
日々ストレスが蓄積されることと思います。

ココヨさんのご相談を読んでいて
気になったのは、娘さんは片づけ以外に、

学校生活で忘れ物が多いとか、
授業で集中力が続かず
成績が振るわないとか、
眼の前の刺激や楽しいものに
心が奪われてしまい、
本来の目的や重要なことを
後回しにしてしまう、

というようなことはないでしょうか?

もしそのような傾向がある場合、
発達障害のひとつである
ADHDの可能性があるかもしれません。

ADHD(注意欠如・多動症)の場合、
脳機能の障害があって、
本人の意志の力では
どうにもならないことがあります。

私たちの脳には遂行機能と呼ばれる、
目標や計画を立てたり判断したりするなど
思考や行動を制御する際に使われる
認知制御機能があるのですが、
ADHDの人はその遂行機能に
障害があります。

そのため、段取りや取捨選択を必要とする
片づけがうまくいかず、
部屋が散らかってしまうことが
多いのですが、
 
これは、本来やればできる人が
怠けているから起きていることではなく、
本人もどうしたらよいかわからず
困っているか、やってもうまくできないので
諦めている状態が多いです。

そこを叱られたり批判されたりするので、
モチベーションも低くなってしまい
悪循環に陥ってしまうのですね。

もし、
片づけられない理由がADHDである場合、
娘さんに必要なのは叱責や批判ではなく
サポートです。

生まれつきの脳機能の場合、
薬で治せるものではありませんから、
いかにその障害とうまく付き合って、
対処していくかが課題となります。

片づけも工夫が必要で、
集中力の持つ範囲内で行い、
取り組む場所や取り組み方もルールを決めて、
 
ビフォー&アフターの変化が
わかりやすく目に見えるかたちで
モチベーションを維持しながら
取り組むことが大切になります。

取捨選択ができないのであれば、
要・不要の基準を明確に、たとえば
1年以上使わなかったものは捨てる
などとルールを決めて仕分けしていきます。

仕分けの際は、
捨てるものの箱には「捨」、
取っておくものの箱には「取」、
迷うものは「迷」などと
目に見えるように3種にラベリングして
取り組むことをおすすめします。

確実に誰かにあげたいことが
明確なものに関しては、4つめの
「贈」の箱を準備しても良いでしょう。

また、
取り組む時間や範囲も決めてから行います。
今日は20分だけなど、
確実に集中力がもつ時間に設定し、
スマホのアラーム機能なども
活用するのが良いでしょう。

取り組む場所は、
命や健康に関係することは
何より優先させる必要がありますから、
異臭を放つ腐った食べ物などは、
まずそれだけに集中して
最初に捨ててください。

そのあとは、この1畳だけとか
このコーナーだけなどと限定し、
決めたら決してそこから動かず、
その場所だけに集中するという具合です。

部屋全体を一気に整理すると考えると、
気が遠くなりどこからどう手をつけてよいか
わからなくなるので、
場所と時間を限定することが大事です。

このように、
可能なことを少しずつ取り組むという
スモールステップ方式を
心がけてみてください。

手をつける順序も、ADHDの人は
視覚刺激に影響を受けやすいため、
取り組む場所はパッと見えるところから
取り組むことで
モチベーションを維持させます。

たとえば、
いきなりクローゼットの中や
引き出しの中などに手を出すと、
それらの中身を一旦床やテーブルに
出すことになるので、パッと見、
部屋がさらに散らかったような状態に
見えてしまいます。

するとやる気が失せてしまいますので、
目に見えるテーブルの上や机の上、
椅子や床やベッドなど
水平面から取り組むことは大事です。

それら水平面のものは、
本来収納場所ではなく、作業をするとか
座るとか寝るとかといった活動を
支える機能を持っているはずですから、
早めにそれら本来の機能を取り戻すことで
モチベーションも維持できます。

開始する前後に写真を撮って
見比べるのも効果的です。

片づけを始める前に、取り組む場所の
チェックリストを作っておき、
遂行できたらチェックしていくのも
良いでしょう。

また、
目の前の刺激に左右される特性を理解して、
写真や本や漫画などをついつい手にとって
見はじめたり読みはじめたりしないよう、
心に誓ってから取り組むことも大事です。

服も一緒で、
娘さんの場合は美容やファッションに
興味があるようですから、
片づけの最中にファッションショーや
メイクが始まらないよう
誓って開始するのが良いです。

全身鏡は最初に覆ってしまい、
「鏡禁止!」
と張り紙などしておいても良いでしょう。

その日に決めた時間と場所をクリアできたら
自分にご褒美を与えるのも良いです。

たとえば、さきほど我慢した
写真や本や漫画を読む時間をとる
などもご褒美のひとつになります。

これらのステップは
もちろんADHDでなくても
片づけが苦手な人にも有効ですので、
ぜひ参考にしてみてください。

もし、娘さんが何の障害もなく
ただ怠けているだけなら、
失敗から学ぶことを見守る修行と
切り替えてください。

娘さんは彼氏が来るときは
頑張って片づけるようですから、
部屋が汚れていることで
大切な異性との人間関係が崩れる
体験をもって初めて問題意識が芽生え、
片づけの重要性を
学ぶことになるかもしれません。

人間は成功より失敗から
多くを学ぶと言われています。

娘さんの学びのタイミングも
信頼してあげてください。

                  
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