執筆者

170405_FB_kawabata

Q:昨年、母が突然大腸癌の宣告を受けました。

これまでは弱気な人を叱りつける母でしたが、
いざ自分が癌とわかると泣き言ばかりで側にいるのが辛い程です。

抗ガン剤治療に副作用はつきものですが、
副作用の辛さばかりを毎回医師に訴え、
しかも抗ガン剤の副作用ではない体の不調まで全て副作用だという為、
医師もうんざりされ、こんな調子では治療はできないといわれました。

私も医師も繰返し説明しますが理解しようとせず、
終いには泣き出します。

そしてとかく人の同情をかいたがり、毎日を癌のことばかり考えて
自分を不幸だといい、口が痺れて美味しくないから食べたくない等
自分から病気になろうとしているかのような姿に苛立ちを感じてしまいます。

病気と治療の事をきちんと受け入れていないからだとは思いますが、
どう説明しても理解しようとしません。

副作用は嫌、治らないのも嫌…自分が治すという意識はなさそうです。
もういっそ治療など辞めれば?と言いそうになる自分がいて
自己嫌悪に陥ってしまいます。

癌でも日々の幸せの方に目を向けて過ごしてほしいのです。

どう接していけばいいのでしょうか?

【S・51歳・看護師】

――――――――――――

A:

FROM 川畑のぶこ

これまで強かった人が、病気で一気に弱るというのはよくあることです。

それまでの強さが、人生の波風を乗り越えた、安定的なパワーから
来ているものであればそうでもありませんが、
虚勢からであった場合は崩れることが多いです。

お母様は強かったというよりは、
強くあらねばと、自他を鼓舞していたのかもしれませんね。

本当なら、人間は強い時も弱い時もあって当然で、
両方の感情を持って良いし、味わって良いわけです。

その許可を与えてこれたのなら、
適度にバランスが取れていたのかもしれません。
自分が抱いている真の感情を認めずに、抑圧し続けていると、
その感情はどこかに捌け口を求めることになります。

病気というのは格好の捌け口なのです。

心理学では感情の浄化のことをカタルシスと呼びます。
本人が無意識に抑圧してきた感情を解放することで、
内的なバランスを取り戻し、癒しが促進されることがあります。

お母様も、もしかしたらそのようなカタルシスを体験されて
いらっしゃるのかもしれません。

ですので、昔の強かったお母様を期待すると、
必要なプロセスが阻まれ、抵抗に遭うのかもしれません。

今は、身体の病気をきっかけに、
これまで向き合ってこなかった課題=心のバランスを取り戻す
ということを、無意識に、不器用に取り組んでいるのかもしれません。

そうであれば、今のお母様に必要なのは、説得ではなくて、
泣き叫ぶ気持ちを受け止めてくれたり、
共感したりしてくれることなのかもしれません。

ご家族がお母様に、そのように向き合えるならベストですが、
精神的なゆとりがない場合は、
受容や共感の専門家である、心理士やカウンセラーなどを
活用するのも良いと思います。

ぜひ、日々新たなりの精神で、
今までのお母様ではなく、今のお母様に向き合ってみてください。

ーーー
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こんにちは。川畑のぶこです。

今日は、クロッカスさん(46歳・一般事務)からのご相談にお答えします。

~~~~~~~~~~~
毎回、心に響く回答を拝聴しています。ありがとうございます。
私の中でどうにもスッキリと理解に至らない、
「投影」の心理について教えていただければと思います。

私自身、人から相談される事が多く、そのほとんどは人間関係について
なのですが、相手に感じる負の感情は自分の心の投影であるという見地
が、分かるようで、でも腑に落ちない部分もあります。

例えば、友人の夫が長年に渡り何度も不倫をしていた事が最近わかり、
彼女はとても苦しんでいます。加えて娘さんも、優しくて自慢だった
父親がそのような事を長年、平気でしていた事を知り、人を信頼でき
なくなり、友人とはまた別の苦しみを抱えています。

友人からは「自分は夫を裏切りたいとか不倫をしてみたいと思った事
などないし、事がバレてさっさと家を出て行った夫に、自分のどんな
気持ちが映し出されているの?」と聞かれ、私も返事に困ってしまいました。

友人、娘さんとも、夫、父親に対し激しい嫌悪感と怒り、悲しみの感情
を持っているのですが、この2人が、自分の心にも裏切りや、遊びたい
という願望があり、それを絶対にしてはいけないと禁止しているために、
相手に対し強い怒りが湧いている、という解釈なのでしょうか。

2人に、その禁止を緩めたらいい、と言ってあげても、心が救われる
わけではないように思います。

全ての問題が「投影」という事で解釈できるものではないと思いますが、
友人の例以外にも、裏切られた、騙された、馬鹿にされた、無視された
、、、という思いで苦しんでいる人は多く、その場合、投影の解釈で
どのように心の解決へと導けるのか、教えて頂けたら幸いです。
~~~~~~~~~~~

「投影」というのは、フロイトが始めた精神分析学で提唱された
「防衛機制」の一つで、自分の中の不安や欲求を、 相手などに映し出し
てしまう心の働きを言います。

精神分析学は、人間の深層心理、表層的には分からない無意識の分野を
扱う学問で、とても複雑であると同時に、その信頼性や妥当性については、
いまだに分からないような部分もあるのも事実です。

精神分析をするには長年のトレーニングが必要ですし、トレーニングを
積んだ人でも、解釈や活用の難易度は高く、非常にセンスが問われます。

私自身も、このような専門的分野の内容についての質問を受けることは
ありますが、そのたびに忠告したり、私自身も日頃から気をつけている
ことは、何か一つの概念を持ってきてそれを全てに当てはめようとしない、
ということです。

今回のケースで言うと、精神分析学の「防衛機制」における「投影」という
概念だけを取り出して、それで全てを解釈しようとすると、往々にして
壁にぶつかってしまいます。どの学問でもそうですが、概念というものは
広くいろいろ見ながら活用していくものだと考えるのが妥当と思います。

「投影」という概念の正しい捉え方、そして、今回のご相談にあるご友人
夫婦のケースについて、どのような見方ができるか、また、クロッカスさん
はどのような位置取りでご友人と接したらよいのか、私なりのアドバイスを
させていただきます。

続きは、ビデオでお話しします……

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170329_FB_kawabata

Q:中学受験で進学校に入学、引っ越して地元の私立高校に進み、
推薦ではなく国立大学志望という本人の強い希望で一浪するも
絶対安全圏の私立大学以外すべて不合格という結果に終わりました。

読書家で雑学知識は豊富、高校でも授業は聞いてほとんど分かる、
友達に教えることもよくあるという利発な子ですが、
何しろ勉強しないので理解は出来ても試験問題が解けず、
劣等感に悩まされていたそうです。

「頭がいいのだからすれば出来るはず」と励ますと、
「努力できるのは才能、一番欲しかった才能を持たずに生まれてきた」
「好きな勉強をしたい。受験勉強は楽しくない」

などと屁理屈ばかりで、高校も予備校も、欠席せずに通うものの
家ではほとんど勉強しませんでした.

思い返せば学校の宿題もせず、
先生に叱られても平気だということも昔からよくありました。

本人の希望による習い事も部活動も長続きしませんでした。

今から思えば、
叱ってでも勉強をさせる習慣を付けさせれば良かった、
甘やかしすぎて、逆に余計なところで小言を言い過ぎた、
と悔やまれてなりません。

また、私が自身の親との関係に悩み、息子とよい関係を結べなかったこと、
以前うつ状態になって苦労を掛けたことも影響したのではないかと
申し訳なくも思います。

しょげる息子には「大学生活を楽しみにするように」と言って、
本人はようやく気持ちが上向きになってきたようですが、
成績が悪いクセに人を馬鹿にしたようなことをよく口にし、
人の言うことを素直に聞く、という人としての基本も出来ていません。

ちゃんとした人間に育て上げられなかったことで、
専業主婦としての私の子育て期間が無駄に終わったと、
虚しい気持ちになります。

受験失敗の結果また4年間一緒に暮らすことになりました。

これから私が息子にしてやれることはあるでしょうか。

【M・51歳・看護師】

―――――――――――――――――

A:

FROM 川畑のぶこ

Mさんの息子さんへの愛が伝わるご相談内容です。

好奇心旺盛で勉強は好きだけれども、
受験勉強が嫌いなのですね。

これは、勉強ができないのではなく、
試験をクリアするテクニックを身につけていないという問題のようですね。

学問は好奇心が一番大事ですから、その点では
息子さんはとても豊かな向学心をお持ちなのではないでしょうか。

これはとても大きな宝だと思います。
研究など、何かご自身がとことん掘り下げて「知りたい!」というニーズが
満たされる環境があれば、とても伸びるタイプなのではないでしょうか。

人生の目的は受験に成功することではありませんし、
世間が認める企業に就職することでもありません。
本人が、幸福感や充足感を満たすことができるか否かではないでしょうか。

その点で、息子さんは自分が学びたいことを学びたいし
勉強したいという点では非常に目的意識やモチベーションが高いことが
明確ですから、そこを伸ばすサポートをしてあげてはいかがでしょうか。

おそらく、それを突き詰める過程で、
目標を達成するには、やりたいことばかりではなく、
自分が望むと望まないとに関わらず、やる必要のあることがあるのだ
ということに気づくかもしれません。

親の望むタイミングではないかもしれませんが、
息子さんなりのタイミングで気づく時を待つのも
大事なプロセスではないでしょうか。

苦手を克服しなさいと、まず問題に焦点を当てるのではなく、
得意を伸ばす、すなわち良いところに目を向けて、
それを達成する過程に苦手をクリアする必要があるという、
主従の逆転があれば、もしかしたら、
彼が自分の課題に取り組みやすくなるのかもしれません。

親であれば誰でも、子どもに苦労して欲しくないと思うでしょうが、
子どもには苦労する権利も失敗する権利もあります。

親はそれをむやみに奪ってもいけないのでしょう。
それらの苦労を乗り越えて、より賢く、強くなり、
人生に深みや奥行きが増すことを信頼して手放す勇気が必要となる
のだと思います。

親の思い通りに子どもが生きないので、
自分は親失格だとMさんがご自身を責めることは、
息子さん自身や彼の人生を否定することにもつながります。

「あなたはあなたのままではいけないのよ!受け入れないわよ!」
という間接的で、非言語的なメッセージを送っているのです。

すると、まだ親から精神的に自立していない子どもは、
そのことに反発するか(これは健全です)、
そのメッセージを額面通り受け止めて落ち込み、
自己否定して生きていくかとなるでしょう。

お母さんご自身も、標準や平均に振り回されることなく、
唯一無二の個性を備えた息子は、はたしてどんな人生を切り開くんだろうと、
愛ある好奇心を持って寄り添ってみると、リラックスできるかもしれませんね。

親の思うようには生きないけれども、
子どもなりに人生を切り開く力を生まれながらにして備えていることを信じて。

それはとりもなおさず、母親であるMさんも、
誰とも比較しようのない、唯一無二の個性を備えた豊かな母親であることを
認めることにつながるでしょう。

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170327

こんにちは。川畑のぶこです。

今日は、さゆさん(51歳・パート)からのご相談にお答えします。

~~~~~~~~~~~
結婚して26年が過ぎた熟年夫婦です。
子育ても一段落し、25歳の長男21歳の次男がいます。

傍から見ると仲のいい夫婦に見えるらしいです。
しかし、いつの日からか、夫の嫌なところばかりが目につきます。
話もいつも「お前は知らないだろう」的な上から目線で、
常に私の話を否定してきます。

確かに酒癖が悪いわけでも、女癖が悪いわけでも、ギャンブル癖があるわけ
でもないですが、いつも自分が一番大切で、子供のこともあまり考えません。

そんな夫と暮らす事は諦めていますが、家にいればいつも
私のやる事をじっと見て触ったりと、いろいろ求めて来ます。
そこで私が拒めば、おもむろに嫌な顔をし、子供のように怒ります。

今まで経済的に苦しい時も私一人で乗り切り、夫は好きなように転職したり、
一年近く働かない日々もありました。
私の嫌気は今に始まった事ではないですが、とにかく触られたくない一心です
性交渉を拒否し続けることは法律上やいろいろな観点から無理なのでしょうか。
~~~~~~~~~~~

夫婦生活というのは、時間の経過とともにどんどん変わってきますね。
そして、愛情の表現の仕方も変わってきますね。これが、男性側も女性側も、
夫も妻も同じような変化の仕方ならば、割とうまくいくのでしょうが、
愛情表現、特に性的な欲求をどうやって満たしていくかということは、
男女間で差があると、とても難しい夫婦の問題に発展することも多いようです。

一方は性欲が旺盛で頻繁に夫婦生活を持ちたいと思っているのに、一方は
もうそうではなく、そこに迫られるとどんどん嫌な気持ちになってきたり……。
このあたりは本当に難しいのですが、コミュニケーションがとても大事に
なってくる部分でもあります。

まず、さゆさんご自身で、確認してみていただきたいことがあります。

1)「いつの日からか、夫の嫌なところばかりが目につきます」とありますが、
  いつぐらいからでしょう?
2)ご主人に対して、「精神的に私のことを受け入れてくれていない」とか
  「敬意を払ってくれていない」という思いや不満はありますか?

2)について、もし「NO」ならば、すなわち、ご主人に、さゆさんを基本的に
理解しようとする姿勢が少しでも見えるのであれば、今後、精神的なつながり
を深めていける可能性はありますから、その努力をされることをお勧めします。

反対に「YES」ならば、さゆさんが感じていることを率直に伝えることが
望ましいのですが、ご主人は、いつもの癖で「うるさい、お前は黙っていろ」
というようなことを言うかもしれませんし、それを考えると、言い出すのが
億劫になったりもしますね。

そうならずに、話を建設的に進めるためには、コミュニケーションのポイント
がありますので、ぜひそれを押さえておきましょう。

また、それと同時に、さゆさんがご主人との「距離感」を今一度見直し、
少し変化を起こすことで、今後、さゆさんの心持ちや、お二人の関係性が
変わってくるということもあるかもしれません。

続きは、ビデオでお話しします……

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170322_FB_kawabata

Q:小学校一年生の不登校の息子と主人との三人暮らしです。

主人は亭主関白タイプで、子供が生まれてから赤ちゃん返りを起こし、
子供のお世話や遊ぶ事をしない人でした。

ですが、子供が不登校になってからは、心理士さんのアドバイスも有り、
子供と遊ぶ様になり、共感する気持ちも生まれて来て、
今までに比べたら良くなってきました。

心理士さんからは、私へのアドバイスとして、
主人を頼りにしたり、気持ちを合わせて下さい、と言われています。

しかし、主人が今まで私にしてきた、
人の気持ちも考えず、私や私の家族を馬鹿にしたり
子供と遊びに行くときには、事前に相談しろといい、
話すと否定されて、行けなくなってしまうこともあるため、
内緒で出掛けたり、何処にも行かない事を選択したりしていて、
素直に従うことができません。

家族関係を良くする為、なるべく主人とコミュニケーションをしなきゃだとか、
「有難う、貴方が◯◯してくれて助かったわ」等の、声掛けをしようと思うのですが、
主人から傷つけられた心を癒す事が出来ないまま接しているので、
中々目を見て話せなかったりします。

どうしたら主人を許し、自然なコミュニケーションが出来る様になるでしょうか?

【チョコ・41歳・専業主婦】

―――――――――――――――――

A:

FROM 川畑のぶこ

息子さんの不登校を通して、夫婦関係にも変化があったのですね。

病気や事故や事件などは、私たちに苦しみをもたらしますが、
そのことによって、個人や社会に必要な変化をもたらす恩恵もあると思います。

これまで育児に関わらなかったご主人が、お子さんと関わる様になったのは
大きな恩恵ではないでしょうか。

どのようにご主人を許し、どのようにコミュニケーションしたらよいかということに関して、
まず、どの様な時にお二人のコミュニケーションが機能しているか
ということを思い出してみてください。

私たちは、問題を解決しようとする時に、何が悪いかに目を向けがちですが、
何が良いかに目を向ける努力をしてみます。

ご主人は、チョコさんに高圧的な態度をとることはあるかもしれませんが、
互いに機嫌よく話せる時はあるでしょうか。
あるなら、それはどのような時で、どのような話題の時でしょうか。

チョコさんとご主人が機嫌よく会話が出来たり、良い時間が持てる時を
具体的にイメージしてみて、まずは、できる限りそのような状況に身を置く努力を
されてみると良いと思います。

ご主人への許しに関しては、
相手を深く理解する姿勢が大事になってくると思います。

私たちはどうしても表面的な事象で相手や状況を判断しがちですが、
その根底にあるものや背景を深く観察したなら、
物事を単純に良し悪しで判断できないことにも気づくと思います。

この作業はとっても面倒ですが、同時にとてもパワフルです。

ご主人はこれまで何らかの理由で、
健全なコミュニケーションを身につけてこなかったかもしれませんから、
そうならざるをえなかった背景も理解する姿勢を育みます。

たとえば、チョコさんと息子さんが遊びに出かける際、
ご主人が事前の相談を求めることに関して、
「なんでも否定する」と反発的に受け止めることもできますし、
「何か動機があるのかも」と理解ある姿勢で対応することもできます。

まず、愛する我が子が困難を抱えているこの様な時期に、
親が子どもの心配をするのは当然のことです。

心配は常に愛から来ます。
関心のない相手には心配もしないのです。
そして、心配の仕方は人それぞれです。

ご主人は、必ずしもチョコさんを否定しようとしているのではなく、
息子さんに最善のことが起きるように
ご主人なりに(時として不器用に)対応されているのかもしれません。

これは大きな差です。

夫は、決して私の好みのかたちではないが、夫なりに心配をしていて、
家族を思いやっているのだと受け止めてみると楽になり、
コミュニケーションも円滑になるかもしれません。

同時に、夫は、私の好みのかたちやタイミングで変化を起こさないけれども、
彼なりのかたちやタイミングで変化の過程にいる、と信頼することもできますね。

もちろん、チョコさんがご主人の言うこと全てに従う必要はないでしょう。
それは違うなと思えば、健全に「違うと思う」と主張してみたらよいかと思います。

そこで主張を抑えつける態度が頻繁に取られるのであれば、
冷静な時に話をしてみると良いと思います。

もし、ご主人が息子さんの事を心配して、遊びに行くなと言っているのであれば、
彼にとって息子さんのベストチョイスは何かを確認してみたら良いと思います。

「どのようなところなら息子にとって良いと思う?」
と意見を尋ねるのです。そしてその理由も確認してみます。

チョコさんは、理由を確認した上で、
「なるほど、そのような理由でそう思ったのね。」と理解ある姿勢を示します。

これは、迎合するということではありません。
意見は違っても、相手の動機を理解することが大事です。

続いて、ご自身の意見があるのなら、
ご主人を否定することなく、単に意見として伝えてみることをお勧めします。

チョコさんが冷静で機嫌が良いときに、誠意をもって伝えようとしても、
ご主人が反応的で高圧的な態度でねじ伏せようとしてきた場合は、
話し合いをやめ、別な機会に手紙などで思いを伝えてみるのも良いと思います。

その時にも相手を否定するのではなく、自分は困っているということを伝え、
そのことに関して、自分なりの最善を尽くしていることを伝えます。

また、どうしたいと思っているのかを伝え、
そのことに関して協力や助けを求めることを大事にしてみてください。

ただし、それがこれから先もずっとそうであるとは限りませんし、
チョコさんが変化を起こすことで少しずつ変化が起きるかもしれません。

変化を起こすのは難しいことではありますが、不可能なことではありません。

チョコさんご自身が、自分の中に変化を見ることで自信が持てたのなら、
相手の変化も信じやすくなることでしょう。

応援しています!

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こんにちは。川畑のぶこです。

今日は、プリンさん(52歳・金融業アルバイト)からのご相談にお答えします。

~~~~~~~~~~~
集中力、注意力、持続力が欠落しているようです。
気を使わなければいけないお金を扱う仕事をしていますが、注意力が足りないため
ミスが絶えません。気を付けているつもりでも、次の日には同じミスを繰り返しています。

昔より「7つの間違い」などのクイズが苦手だったり(今はある程度見つけられますが)、
漫画のセリフで「たどたどしい」を「どたどたしい」と読んでいたり。
人の話を途中から聞いていなくて、自分の思考にはまっていたり(これは今も時々あります)。

いろいろと検索をしてADDかと思い、ネット上の判断問題をしてみたりしましたが、
それほどの状態ではないようです。

単なる注意ミスなのか、どうしたら持続できるのかわかりません。
職場に迷惑がかかるので、辞めようとも思いますが、
次の職場でも同じことの繰り返しなら元も子もなく、怖くて転職もできません。
ただの甘えなのでしょうか。わからなくなっています。
~~~~~~~~~~~

これは、二つの面からアプローチなさるとよいでしょう。

一つ目。まず、医療機関を受診することをお勧めします。

ADD、ADHDなどの診断がつくような病的な状態になると、
職種によっては、ミスがあったときに影響が大きくなることが考えられますね。
もちろん、そこまでではなく、何とかカバーできるものもあるでしょう。

もし、プリンさんにADDやADHDの診断が下った場合、現在の部署や職種にいること
自体がふさわしくないということも考えられますので、まずは、医療機関を受診して、
きちんと診てもらいましょう。

そして、そうではないという診断結果であれば、二つ目のアプローチです。

集中力がなかったり、おっちょこちょいをしてしまったりする人というのは、
創造的な才能があったりもします。自分の思考にはまって、人の話に集中できないと
いうことですから、想像力やクリエイティビティに長けている人だったりもするのです。

プリンさんも、もしかしたら、事務的な作業よりも、人とふれ合ったり、何かを創造し
たりすることを通して力を発揮するパーソナリティなのかもしれませんね。

そのような人の特徴について、ある事例をご紹介するとともに、それを踏まえたうえで
日常生活で取り組むとよいと思われることを、アドバイスさせていただきます。

続きは、ビデオでお話しします……

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170315_FB_kawabata

Q:今、人生最大級の苦しみに直面しています。
私は看護師でもうすぐ5年目になります。
40歳を超えてから看護学校に入ったので今はもう50歳です。

それでも子どももいませんし頑張って働いています。
でも職場ではあまり馴染めません。

看護師になって驚いたのが、礼儀も何もないなという事でした。
大学を出て長く会社員しかした事がなかった私には、
目上の人に命令口調や挨拶しても無視等がまかり通る等、
信じられない事だらけでした。

又、私のように年齢がいっていると余計いじめの対象になるのです。

同じ事をしても仲間内なら庇い、それ以外だと人のミスまで被らされる日々に
すっかり疲れ果ててしまい、退職を申し出ましたが、
師長には残って欲しいと言われます。

それはそれでありがたい事なのですが、
共に働く人達に嫌がられていてはどうにもなりません。

今回も、ミスが重なったのを機に悪口が拡散し、
有る事無い事大変な事になっています。

理解者もいるし、一緒に考えてくださる方もいます。
でも、そうまでして頑張らないといけないのかと、気力が出ないのです。

因みに母は癌で多数転移があり、
心身ともに疲れていてミスを起こしたという背景はあります。

主人は、私の考え方に原因があるので、
職場を変わっても同じ事だと退職には反対です。

私はどう変わるべきなのでしょうか?

【サチ・50歳・看護師】

―――――――――――――――――

A:

FROM 川畑のぶこ

40歳から看護学校に通い、
現役の看護師として活躍していらっしゃるとのこと。

お母様が闘病中とのことで、
そのような大変な中でよく頑張っていらっしゃいますね。
サチさんが努力家であることが伝わります。

職場で命令口調や無視など礼儀に欠いた行動が横行し、いじめもあるとのこと。
過酷な職場環境であることが伺えます。

確かに、医療現場は一般的な会社組織とは質が全く違うと思います。
ただし、看護師や医療従事者全員が礼儀を欠いており、
相手の人権を傷つけるような行動をする人々かといえば、それは違うでしょう。

それが会社であれ、医療現場であれ、
少なからずその組織の文化や所属する職員のカラーがあると思いますし、
職場環境を職業でひとくくりにするのは無理があります。

ただし、人間はストレスに晒されると、醜い言動をしがちです。

ゆえに、ストレスのかかりやすい職場というのは、
比較的醜い言動が横行しやすいのも事実でしょう。
医療現場がストレスのかかりやすい職場であるのは間違いないですから、
ゆとりがない現場であればあるほど、職員同士の丁寧な言葉遣いや心遣いに
エネルギーを注げないのも事実でしょう。

大病院の救急病棟に勤務しているのか、
街中の小さな皮膚科クリニックに勤務しているのかでも、
職場の力動は全く違うのではないでしょうか。

いじめは論外ですが、言葉遣いに関しては、医療現場は、
効率のために短く明確な指示を出したり出されたりする必要があることも多く、
そのため、尊敬語や丁寧語が端折られても気にしない文化となっている
可能性もあるかもしれません。

極端な例ですが、緊急手術中に
「メスをこちらに渡していただけるでしょうか?」といったやりとりはされません。
これは言うまでもなく、相手を蔑んでいるわけではなく、
仕事の効率、患者のためですね。

また、目上への言葉遣いに関しても、年が上であればオートマチックに目上
という、年功序列型の日本企業に多い考え方もあれば、
年齢に関係なく、その仕事における先輩が目上という考え方もあります。
医療現場では、年は若くてもキャリアのある人や
立場の上の人が目上ということも多いでしょう。

過去の職場の文化を捨てきれず、今の職場にそれを求めると、
苦しくなることもあります。

ここは異文化交流、とサチさんご自身が切り替える必要もあるかもしれません。
ただし、それはいじめや精神的暴力を我慢するということではありません。

もし、いじめやハラスメントが日常的である場合は、
今の職場の人間関係やその医療機関独自の空気であることも考えらます。

そのような流れは、サチさんがご自身に合わない
職場にいるので、ぎこちなくなって起こっている、とも考えられるでしょう。

ただし、今の職場が合わないことが、
即、看護師が向いていないとは言い切れません。
他の現場や他の人間との関わり合いでは、
もっと能力を発揮することもあるかもしれません。

特に、今はお母様のことで、疲れていることもあり、
ストレスが多いことで、ミスも多くなることも考えられます。

そうであれば、働き方を変えてみるのも一つではないでしょうか。

フルタイムなら、頻度を減らして
パートタイムにしてみるのも良いかもしれません。

また、看護師を辞めなくても、今の職場よりもタスクが少なくて済む
職場がないか検討することも良いかもしれません。

ご自身が、別の病院や診療所で受診するときに、
職員がどのように働いているか観察してみるのも良いでしょう。

今、看護師は多くの場で必要とされていますから、
サチさんにあった働き方や現場がないか、
まずは再考してみることをお勧めします。

ーーー
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こんにちは。川畑のぶこです。

今日は、いちごママさん(30代・自営業)からのご相談にお答えします。

~~~~~~~~~~~
夫との別居生活が7年目となります。原因は、私が妊娠中に夫が不倫を始め、
出産後、私がそれに気づき責めた末、逃げるように家を出ていきました。

それから、3ヶ月に1回くらいの割合で子供たちに会いにフラ~っと帰って
きますが、数時間過ごすだけで、すぐに愛人のいる別宅に帰ってしまいます。
夫はそちらの生活を優先し、本妻である私と子供たちを隠すようにしています。
まるで私が愛人のような生活ですが、生活費は入れてくれるので、
子供たちが成人するまではと思い、自分の気持ちを圧し殺し、
子供の将来のためにじっと耐える日々を送っています。

夫は仕事も順調で、高い物を買ったり旅行も沢山しているようで、幸せそう
です。私はここまでされる覚えはないくらい、一生懸命私なりに支えてきた
つもりです。なぜこのように苦しめられるのか分かりません。子供の事も
忘れ、好きなように暮らしている夫が憎くてたまりません。因果応報って
ないのでしょうか。

また私の周りのママ友は、旦那さんに子供を預けて夜飲みにいく人が多い
です。私はそこまでして飲みにいくのはどうなのかと、疑問や軽蔑の思いが
ある一方で、そんな彼女たちが羨ましくもあります。そういう人に限って
ご主人はとても協力的なパパで、私の夫とは真逆です。

結局、真面目にやっているだけ損なのではないか、私もいい加減に好き勝手
やった方が楽に楽しく生きられるのかとか考えてしまいますが、子供たちを
犠牲にすることだけは私には考えられません。なぜ真面目な人だけに試練が
きて、いい加減にやっている人が楽しく暮らせているのか、何を信じたら
いいのか、わからなくなってしまいました。先生のお考えを是非お聞かせ
ください。よろしくお願いいたします。
~~~~~~~~~~~

いちごママさんの真面目で、誠実で、堅実な姿勢が伺われます。
こんな大変な中、よく頑張ってお子さん達を育てていらっしゃいますね。

まず、夫が生活費を入れてくれているので我慢しているとのことですが、
もし、いちごママさんが、ご主人と仲良くやり直したいとか、本当は
今でもすごく愛していて、何とかならないかと思っているのであれば、
その可能性を模索してもよいと思いますが、もうかなり長い間、
ご主人の生活基盤がその愛人の方の所にできてしまっているのであれば、
その可能性は低いのかなとも思われます。

そのあたりはデリケートな部分で分かりませんが、いずれにせよ、今の状況
はご主人が法律を侵していることになりますし、いちごママさんが精神的に
ストレスを感じながら耐えなければ生活費がもらえないのかと言えば、
そんなことはありません。生活費など経済的な問題については、法律家も
巻き込んできちんとお話をされたほうがよいでしょう。

今後、仮に離婚したとしても、生活費はきちんともらえるはずですし、
それこそ育児や家事に協力的な男性が将来現れたときに、お金のことがある
から夫と別れられないというようなことになっても、これはちょっと違いますね。

いちごママさんも堂々と幸せに生きる権利があるのですから、そのときの
ためにも、経済的基盤という意味で自分はちゃんと守られているということ
を確認し、ゆとりを持って前進なさることをお勧めします。

また、子どもというのは、親の生き方を知らず知らずのうちに模倣して
しまいます。いちごママさんの「ひたすら耐える」という姿勢をお子さん達が
モデルにしないためにも、毅然とした態度をとる、従来の価値観を手放して
新しい信念を育むという姿勢も、必要かもしれません。

続きは、ビデオでお話しします……

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170308_FB_kawabata

Q:46歳の主婦です。42歳の時、2歳上の夫と結婚し、
43歳から2年間、不妊治療をしましたが子供ができませんでした。
子供の頃から、親が、家族や親戚の問題で辛い思いをしてきたのを
見て育ちました。

私は、大人になって、人間関係がうまくいったことがありません。
30代の時は、カウンセリングなどを受け、心の悩みと向かい合ってきました。

晩婚だから子供ができなかった、と、今、思い切ることができません。
この数年で、30代後半で2人も子供を産んだ従姉妹、
40代で子供が生まれた義理の姉。

夫は、結婚した直後から鬱気味になり、結婚1年後に持病の手術を
したりで、子供のことは上の空だったように思ってしまいます。

今は、薬の服用のみで健康になりつつありますが、私は嬉しくありません。
夫はとても優しくていい人なのですが、つらく当たってしまいます。

久しぶりに親や親戚に会って、子供のことを聞かれるのもつらくて、
また昔の私みたいに居場所がない、と思いつらくなります。

晩婚になったのも親や親戚が原因ではないか、
夫は結婚前に持病のことを言ってくれなかった。。。

今、うつ状態であり、他の人の幸せを喜べません。
小さな子供を見るのも嫌です。

乱文ですみません。
気持ちの整理の仕方をアドバイスください。お願いします。

【美奈子・46・アルバイト】

――――――――――
A:
FROM 川畑のぶこ

不妊治療は長引くほどに心身の負担も多く、幸せになろうと思って
始めたのに、そのプロセス自体がストレスとなって、
夫婦間に過度な緊張感やプレッシャーをもたらしたり、
時として亀裂をもたらすこともあります。
美奈子さんやご主人も大変な努力をされてきていらっしゃることと思います。

条件が整ってはじめて幸せになれる…この信念は無意識なうちに、
私たちの心の基本となっているようです。

「〇〇さえ整えば…」というあり方は、
その条件とされる〇〇が満たされたのちも引き継がれ、
いつか訪れるはずの幸せはまるで影踏みのように、
手に入ったかと思った瞬間にするりと抜けだしてしまい、
また別な対象を求めてしまうようです。

「恋人さえできれば…」
「結婚さえできれば…」
「子どもさえできれば…」
「あともう一人子どもがいれば…」
「夫が育児に協力的でさえいれば…」
「子どもがもっと従順でさえいれば…」
「子どもをこんなに産まなければ…」
「もっと自分の時間が取れさえすれば…」

私は幸せになれたはずなのに…

以前、都内の閑静な住宅街にある幼児園で、
保護者向けの講演を何度かさせてもらったことがあります。

母親のメンタルケアに言及する際、
どんな時に深い充足感や喜びを感じるかと問い、
周りの人とシェアしてもらい、代表者の方に発表してもらいました。

すると、ほとんどのグループから報告された答えが、
「子どもから解放され、自分だけの自由な時間が持てたとき」
というものでした。

自由な時間の使い方に多少の差こそあれ、
みなさん「子どもから解放されて」というキーワードが出てきて、
「子どもと一緒の時間」という、私の期待していた答えは、
どのグループからもあがらなかったのです。

決して経済的に苦労していて、朝晩働いているお母様方という
わけではありませんし、むしろ環境的には、その反対ではないか
と思われる層のお母様方です。

子どもは手がかかりますし、育児ほど人生でままならないものは
ありませんから、ある視点から見れば、
子どもは苦しみの源にもなり得ます。

そんなお母様方も、子どもができる前は、
未来に自分が子どもよりも自分だけの時間を切望するようになる
など、露ほどもイメージしていなかったことと思います。
皆、子どもができれば、笑顔に溢れ、和やかな時間が訪れることを
イメージしていたことでしょう。

もちろん、このお母様方が、子どもがいるから不幸かと問われれば、
そういうわけではないでしょう。
苦労はあるけれども、基本的に幸せな人がほとんどではないでしょうか。
ただし、一旦手に入ってしまうと、それが当前のこととなり、
幸せを感じにくくなるのは事実でしょう。

人間は無い物ねだりです。
今手元にあるものでありがたいことや喜ばしいことに目を向けるのは
難しく、足りないものばかりに目が行きがちです。

子どもがいることで幸せなこともあれば、苦労もある。
子どもがいないことで幸せなこともあれば、苦労もある。
どちらか一方だけが必ず自分を幸せにしてくれることなどなく、
そのようなこだわりが私たちを最も苦しめているのではないでしょうか。

そして、それら両方をきちんと受け入れる姿勢が、
私たちの人生に穏やかさと豊かさをもたらすのではないでしょうか。

幸せとは条件が整うことではなく、与えられた場で幸せを感じる力
のことをいうのだと思います。

全てが手に入らならなくても人生は機能するものです。
子どもがいたに越したことはないけれど、
子どもがいても、いなくても私の人生はそれなりに機能するし、
幸せに生きていくことは可能…そんな基本姿勢を育むべく、
ぜひ、今美奈子さんの身の回りにあるもので、
ありがたいことや好ましいことに目を向けてみてください。

全てが一気に解決しなくても、きっと新しい気づきが訪れ、
解決の糸口となることと思います。

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170306

こんにちは。川畑のぶこです。

今日は、はるなさん(仮名・40歳・会社員)からのご相談にお答えします。

~~~~~~~~~~~
いつも心に響くお話、楽しみにしています。
子供との接し方でご意見を聞かせていただければ幸いです。

小学校低学年の子供がいます。
子供に接する時、つい子供を「自分の幼い頃」に置き換えている自分がいます。
「今、自分がどうしたいか(どう言いたいか)」よりも
「子供の頃の私だったらこうして(言って)ほしい」という感情が
優先されて発言や行動をしている自分がいます。

それでも愛情をもって接しているのでいいんだ、と思う反面、
「この子は幼い頃の私じゃない、混同するのは良くない」という、
子供への申し訳ない気持ちもあります。

子供の頃、親に否定され、愛情を受け取れずに成長したためか、
我が子を「幼い頃の自分の育て直し」に使っているような気もしてしまいます。

子供を自分とは別の人格、ひとりの人間として認めてはいるつもりですが、
どうしてもかける言葉、接する態度など「自分はこうしてほしかったな」
という気持ちが常にそばにいます。
~~~~~~~~~~~

子育てにはイマジネーションが必要とされますね。これは親子関係に限らず、
友人との関係であれ、夫婦関係であれ、上司・後輩・同僚との関係であれ、
みな同様だと思います。

私たちは、本当の意味で、相手の立場にはなかなか立てませんから、
自分が相手の立場だったらどうかなと、常に想像力を働かせながら人間関係を
構築しています。親子関係においても、「自分が子どもの時、こうだったよな」
というイマジネーションを働かせながら関わり合うことは必要です。

その流れで、自分が子どもの時このような言われ方をしたら、どのように
受け止めるか、どのように伝えたら、より伝わりやすいかなというような
文脈において、自分の幼少期と置き換えてコミュニケーションをするのは、
決して悪いことではありません。

ただ、はるなさんがどのような文脈の中で自分を置き換えているのか、
そして、なぜそれが悩みになるのかと考えたとき、お悩みの背景、根源が
見えてくるように思います。

例えば、子どもの時に親に否定されてばかりで、愛情を受け取ったという思い
がなかった。だから自分の子供のことは否定せず何でも受け入れよう、愛情を
たくさん与えるようにしようというような働きかけが考えられますが、
それが行き過ぎて甘やかしになってしまうと、問題が起こります。

与え過ぎもいけませんし、与えなさ過ぎもいけませんよね。賢い親や祖父母は、
いつ与え、いつ与えないかを知っています。おそらくですが、はるなさんは
常に否定されていたという感覚をお持ちだと思いますから、常に何でも
子どもの思い通りにというように、少々極端な方向に転じてしまっているのかも
しれません。それには注意が必要です。

私たちは、後悔する必要はないですが、反省はしたほうがいいですね。
はるなさんとお子さんとの関わり合いについても、試行錯誤した結果、問題や
疑問が出てくるようであれば、そこは反省して調整し、新たな関係性を構築
していく必要があるでしょう。

その一方で、はるなさん自身が癒されていない部分がきっとありますから、
お子さんを受け入れると同時に、まず、はるなさんがご自身を受け入れていく
というプロセスを大切になさってください。

続きは、ビデオでお話しします……

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