執筆者

20210614

FROM 川畑のぶこ

今日は、えとちゃんさん(60代・女性・主婦)のご相談にお答えします。

【Q】
夫は、結婚当初からお酒を飲み歩くのが好きで好きで、
私は、大事にしてもらえていないという不満が
徐々にたまっていきました。

離婚の二文字が頭をよぎったのが20年前。

子どもが育つまで我慢しよう、
浮気とか生活費を入れてくれないとかではないので、
定年後に幸せにしてもらえればそれでいいと、
自分に言い聞かせてやってきました。

でも、定年後も、感謝されることはありません。
労いの言葉もないし、褒めることも、
結婚記念日や誕生日を祝ってくれることもありません。
本当に、大事にしてくれない人です。

いつも怖い顔をして怒ってばかり。
窮屈な生活だなぁと、
悪いことばかり思い出してしまいます。

こんな不満を本人に伝えると、必ず
「出て行け。離婚だ、離婚だ」と返事が帰ってくる始末。
私はどうしたらいいのでしょう?

 
【A】
長年、耐えて耐えて、耐え忍んできた妻像が
浮かんできますね。

えとちゃんはもう不満だらけとのことですが、
ご主人はどうでしょう。
この結婚には満足していらっしゃるのでしょうか?

結婚に何を求めるかということ。

これを、互いにすり合わせをしないまま結婚してしまうこと
もあるし、途中ですり合わせようとしようと思いながら、
なんとなくもう惰性で、

いつもの夫婦関係のコミュニケーションパターンがあって
修正を加えないまま何十年もきてしまったという夫婦も
本当に多いと思います。

えとちゃんとご主人はどうでしょう?

もしかすると、えとちゃんが描く結婚生活と
ご主人が望む結婚生活は違うかもしれませんし、
「大事にする」ということについても、
えとちゃんの理想像とご主人の価値観や
実際の「大事にする仕方」は異なるかもしれませんね。

コミュニケーションの方法、交流の仕方には
みんな個性があります。

人によって違いがあるんだということを認識すること、
これまでとちょっと違ったものの見方をすることは
えとちゃんが今後、よりラクに生きてゆくための
ひとつの課題になってくることでしょう。

続きは、ビデオでお話しします……

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Portrait,Of,A,Nice,Young,Mother,With,Pleasure,Spending,Time

Q.現在中1の娘、小4の息子、2ヶ月の娘の母です。
主人の事が大好きな義両親と完全同居をしております。

長女が小4の時から、不登校気味に。
弟もその影響で不登校気味に。

義母は優しく、心配性。
義父は、真面目で世間体を気にする昔堅気な人。

自由で声も大きなやんちゃな長男に、義父はいつもイライラし、
しつけと称して叩いたり、恐怖で押さえつけて何かをやらせます。

私はそれがたまらなく嫌で、何度もぶつかりました。

ただ、気分次第で、自分の気分が良い時や、
子供達が良い事(テストで良い点を取る等の
義父の価値観の良い事)をする時は、
ニコニコ子供達にも優しくします。

子供達が学校に行けなくなった事も
何度話し合っても子供達を理解出来ない様です。

タチが悪いのが、私や、主人のいない時に!
必ず叩いたり暴言を言います。

息子は怯えて、お漏らしをしたり、
私が居ないと家に帰れない状態にまでなりました。

私も主人も何度も説得したり、話し合いも重ねてきました。

ただ、叩いたりした後は、別人の様に子供達にも私にも
優しく機嫌をとってきます。
(2、3ヶ月)子供達は嬉しそうに、じいじに褒められた♪と言います。

でも、私はずっとDVやないの!と許せずに我慢の日々でした。

それを繰り返して不登校気味になって今まで約3年来ましたが、
4月から登校を頑張っていた息子に対して、
また小言を言いはじめ、手も出してきました。

あまりにも理不尽なので私が、反論しましたが、
とうとう私にも平手打ちや、掴みかかってきました。
正直限界です。

毎日、義父が気になりイライラします。
別居をしようと動きはじめましたが、
子供達は環境の変化に弱く、
学校が変わる事や、自分の家を離れる事が不安で、
引越したくないと言います。

が、私は離れた方が上手く行くと思います。
のびのび育てたいです。

私が笑顔でいれば子供達も元気になると思いますが、
何が正解か悩んでいます。

【まあ・40代・女性・アルバイト】

―――――――――――――――――

A:FROM 川畑のぶこ

まあさんに第一にお伝えしたいのは、
「暴力は決して我慢してはいけないもの」ということです。

お祖父さんが暴力を正当化し、やめる気が無いのであれば、
離れることは大切です。

日本では、長きに渡り、
「しつけ」という名のもとの体罰が黙認されてきました。

おそらく、お祖父さんも先代からそのように育てられたのでしょう。

ところが、体罰が子どもの心身の成長を促進することはなく、
むしろそれらを阻害し、その子の人格や人権を傷つけてしまいます。

体罰が子どもの心身の発達に悪影響を及ぼすことは、
科学的に明らかです。

子どもを体罰によりコントロールすると、
その瞬間は思い通りになるかもしれませんが、
残念ながらその行為は子どもの健全な自立のための
自発的な行為としてでなく、
諦めの行為として学習されてしまいます。

また、子どもは、親や祖父母との関係性をモデルとして、
暴力により問題を解決することや、
暴力を免れるために自己表現や自己主張を諦めることを
学んでしまう恐れがあります。

暴力は問題の種にすらなれ、解決には繋がらないのです。

近年、虐待により刑事事件がニュースになることが増えましたが、
加害者は「しつけだった」と主張するのに
驚く人も多いのではないでしょうか。

しつけというのは、
その子の発達や人格を健全に形成させたり、才能を発揮させたり、
自律的な社会生活を営めたりするようにするサポートです。

体罰はそれらをもたらさず、
たとえ、親や祖父母がしつけと思っていても、
子どもに身体的苦痛を与え、
子どもの心身のバランスが崩れている状態は
体罰に該当するものです。

日本は、児童虐待に関する法の整備に甘い部分がありましたが、
2020年4月に、児童福祉法等改正法により、
親権者等は、子どものしつけに際して、
体罰を加えてはならないことが法定化されました。

体罰は違法です。

孫がいうことを聞かないので平手打ちをするのは体罰であり、
通報されたら逮捕されることもあります。

体罰を与える保護者は
自身が刑法上の犯罪に加担している意識が薄いでしょう。

「身内だから」、「我が子だから」と、
まるで「自分のモノ」のように子どもを扱う(人権侵害)ことが
多いのです。

体罰と同様に、子どもに怒鳴ったり、暴力の場面を見せたり
(母親が父親や祖父母に殴られるなど)、
心を傷つける暴言(バカにしたり、笑いものにしたり、辱めたりする)
ことも、子どもの人権侵害で虐待に当たります。

まあさんも、これらの情報を整理したうえで、
もういちど義父さんと話し合うことで改善が見込めるのなら、
話し合いをしたら良いでしょう。

話し合いが不可能な場合、親にできることは
シンプルに子どもを暴力から遠ざけることです。

話し合いと同時に、
在住地域の児童相談所や福祉事務所などに
予め相談しておくと良いです。

児童相談所はまあさんのようなケースへの、助言をくれたり、
必要であれば介入もします。

また、虐待をする保護者
(まあさんのケースであればお義父さん)への指導もします。

子どもの安全を守る第三者の存在により、
お義父さんの意識も変わってくるかもしれません。

まあさんが不在のときに義父による虐待があるのであれば
なおさらのこと、いちど相談してみてください。

子どもにとって、引っ越しで、
慣れ親しんだ学校や友達と離れることが苦痛であれば、
上記のような連携の中で、学区内での引っ越しも
検討しても良いのではないでしょうか。

万一、学区が変わってしまったとしても、
引っ越しによる苦しみと、虐待の苦しみを比較したときに、
虐待の苦しみが大きいのは
火を見るより明らかではないでしょうか。

今まで多くの苦難を乗り越えてきている子どもたちです。

引っ越しの苦しみも乗り越えられると
信じてみてはいかがでしょうか。

体罰や虐待の問題は、加害者のみならず、
周囲の一人ひとりが意識を変えていく必要があります。

まあさん一人で抱え込まずに、
サポートの輪を拡充して前進されますように。

応援しています。

ーーー

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20210607

FROM 川畑のぶこ

今日は、まりもさん(40代・女性・専業主婦)のご相談にお答えします。

【Q】
私は自己受容を勉強したくて
本をいろいろ読んでいるのですが、
自己受容どころか
今までの自分の間違った言動ばかりが思い浮かんで、
後悔してばかりです。

自分はなんて無神経で流されやすく、
考えが浅いのかと落ち込んでいます。

娘は中3ですが、小学校高学年から不登校です。
娘の気持ちをやっと分かってきたかなと思う頃には、
娘は昼夜逆転生活で、
一緒に過ごす時間は1日に1時間もないくらいです。

私は料理が苦手で、レパートリーも少なく、
あまり味しくないです。

どうにかまともにできていたメニューも、
最近はうまくできなくなりました。
栄養面でも悪い影響を与えていると思います。

人付き合いも苦手。

娘は絵を描くための本を集めるのが好きで、
週1ペースで書店に行っていたのですが、
外出して帰ると機嫌が悪くなり、当たり散らされるので、
私は彼女と出かけるのが面倒になりました。

娘は今年2月以降、ほぼ家から出ていません。

もっと古い、何十年も前のことでも
ネガティブに考えてしまいます。

どうしたら自分を許すことができるのでしょうか?

 
【A】
今いちばん気がかりでいらっしゃるのは娘さんのこと
なのかもしれませんが、それ以外にも、
お料理が苦手だったり、何年も前のことを考えてしまったりと
苦しい思いをされているとのこと。

ネガティブなことを自ら批判して
さらにネガティブになってしまっている、
ダブルネガティブ状態ですね。

ネガティブな感情を持つこと自体は
決して悪いことではありません。

また、まりもさんのように自分を振り返る
「クリティカルシンキング」で、
自分自身を敢えて批判的にチェックしたり、
客観的な視点を育んだりという姿勢はとても有効です。

ですが、何事もバランスです。
批判やネガティブ思考の度が過ぎてしまうと、
これはご自身の人生の質を損なうことにつながってしまいます。

続きは、ビデオでお話しします……

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Q.何事もうまくいかないことは、全て自分のせいだと感じます。

「そんなことはない」と、
私の思い込みだ、妄想だと思っても止まりません。

自分のせいだと思うと、自暴自棄な気持ちになり、
イライラして、全て投げ出したくなったり、
めちゃくちゃにしてしまいたいという
破壊的?破滅的な感情に飲み込まれそうになります。

どうにかそこを思い止まっても、
その後の疲労感、虚無感がずっしりとのしかかり、
ひどい無価値感に苛まれ、

やはり自分のせいだ、私がダメだから、
私ができてないからこんなことになるんだ
と自分責めが止まりません。

これではダメだと思うのです。
ここから抜け出さなくてはと思うのですができません。

だめだと思うのではなく、
そんな自分もOKとしてあるがままを受け入れるなどと
読んだり聞いたりしますが、必ず
「でも、できてないでしょ」という問いかけが浮かんできます。

どうすればこの全て自分が至らないからだという
自分責めから脱出できるのでしょうか?

【断捨るー・40代・女性・子育てインストラクター・カウンセラー】

―――――――――――――――――

A:FROM 川畑のぶこ

何事も自分のせいだと思ってしまう癖があるんですね。

自分の行動を省みることは、
人生を歩む上でときとして大切な要素であり、
私たちの成長にもつながります。

ただし、起きているネガティブなことばかり、
全て自分のせいだと思い込んでしまうと、
人生は辛いものになってきてしまいますね。

ネガティブなことばかりでなく、
起きている好ましいことも、
やっぱり自分のおかげ!と思えていれば、
バランスがとれて、さほど辛くもならないのでしょうが。

おそらく、断捨るーさんの場合、そうではないのでしょう。

断捨るーさんは、
子育てインストラクターをされていらっしゃるとのこと。

もし、ご自身のお子さんが、
起こっていることで悪いことの全ては自分のせいだ、
と悩んでいたら、
いったいどんな言葉を投げかけてあげたいでしょうか。

自分が我が子を愛するように、
断捨るーさんもまた、愛に値する対象であるとすれば、
一体どのような対応をするのでしょうか?

おそらく、断捨るーさんは幼少期に
悪いことはみんな自分のせいだ、と思い込んでしまうような
インパクトのある出来事や生活があって、
その思考パターンでこれまでやってきてしまったのかもしれませんね。

そうであれば、癒されていない、
心の中のリトル・断捨るーちゃんを癒してあげてください。

幼少期のご自身が、
そんなふうに悩んでいる姿を思い浮かべてみてください。

ニックネームがあれば
そのニックネームで呼んであげたらいいでしょう。

リトル・断捨るーちゃんに、
「そういうふうに考えちゃうよね。
でも、それはあなたのせいじゃないよ。」
と伝えてあげてください。

また、物事がうまくいかなくても、そういうこともあるよと、
それでもちゃんと人生は切り開かれるから大丈夫だよと、
小さな傷ついた断捨るーちゃんに語りかけてあげてください。

失敗したり、ズッコケたりしながら、ときとして、這いつくばりながら、
前進したっていいんだよ、と秘密を教えてあげてください。

そして、私はいつもあなたの味方だよ。

たとえ、周りの全ての人が敵に見えても、
私だけはあなたの味方だよと、ひっそりと教えてあげてください。

そして彼女を温かいエネルギーで抱擁してあげてください。

同じ感情がふたたび襲ってきたら、
「あ、心の中のリトル・断捨るーちゃんがまた出てきたな…」と
気づいてあげて、そして優しく微笑んで、
リトル・断捨るーちゃんを包み込んでください。

決して悩んでいることを批判する必要はありません。

あー、やっちゃってるね、と
不器用な愛すべき存在として包み込んであげてください。

やがてリトル・断捨るーちゃんと大人の断捨るーさんが
統合されていくことでしょう。

もちろん焦らず、時間をかけて向き合ってあげてください。

  
ーーー
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20210531

FROM 川畑のぶこ

今日は、あーちゃんさん(50代・女性・会社役員)のご相談にお答えします。

【Q】
私は献身的で、
周りを甘やかしてしまう欠点があるようです。
なんでもしてあげたい自分がいます。

主人と子ども3人の5人家族です。
長男は32歳で一緒に暮らしています。

私はこのまま家族5人で暮らしたいと望んでいますが、
20歳になった末っ子が
長男のことを「子どもは外に出すべきだ」と言います。

「嫌がっても出してあげるのが自立だ。
自分もちゃんと自立を考えている」と言います。

長男は私の連れ子のため、一度家を離れたら
帰って来られなくなるのでは?と、私は不安です。

主人は長男を、結婚当初は可愛がってくれましたが、
下の子が産まれてからは口をきかなくなり
20年が経ちます。
自分の子と格差ができてしまった、と主人は言いました。

無視されている長男を不憫に思いましたが、
長男も仕事をするようになったら自立すればよい、
と思っていました。

ですが、本人は、仕事を始めて給料があっても、
一人を望んでいないようです。
自立しない理由を、長男は、家事が困ると言います。

それならば、もともと私が毎日家事をしているのだし、
長男も一緒にいればよいと思うのですが、
それは甘やかしでしょうか。

彼の仕事のシフトを、私は知りません。
朝は自分で起き仕事に行き、
帰りに翌日のお弁当を買ってきます。

食事はたまに一緒にする程度ですし、
部屋掃除もしてやってはいないので、
これもれっきとした自立だと思うのですが…。

仲の良い末っ子が大人になった発言に驚き、
考えさせられました。

やはり、男子は外に出した方が良いですか? 
私が思う自立は甘いでしょうか? 

親の離婚で、5歳で父を失い、5年生で私が再婚し、
数ヶ月で義父と交流のなくなってしまった長男を、
私は不憫に感じています。

自分から家を出たいと言わないうちは、
そばにいて欲しい自分がいます。

長男を幸せにしたいです。
どうしたらよいでしょうか? 

 
【A】
ある対象に対して両価的な感情を持ったり、
そのような態度を取ることを
心理学用語で「アンビバレンス」と言います。

息子さんへの溢れる愛がある一方で
ご自身の問題にも気づいていて、
どうしていいかわからない……
そんな、あーちゃんの苦しみが伝わってくる
ご相談だなぁと思いました。

家事が困るということをだけを理由に
自立しないというのは、もしかしたら、
自分の息子を近くに置いておきたい
あーちゃんの理由になっていませんか?

育児の最終的な目的は、子どもの自立です。
親が子どもを自分の思い通りにすること、
あるいは、子どもが自分を満たしてくれるような
働きかけをすることではありません。

続きは、ビデオでお話しします……

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Portrait,Of,A,Nice,Young,Mother,With,Pleasure,Spending,Time

Q.子どもが思うように育たなくて
気持ちが沈んでしまいます。

私は正社員で仕事をしながら、
子ども3人を育てました。

主人は単身赴任が多く、ほぼワンオペで育て、
子どもの教育にも熱心に取り組みました。

仕事のキャリアを捨てて
子どもにとって良い環境を整えました。

自分のすべての時間を
子どもを育てることに注ぎ込んできました。

でも、子どもは思ったよりも優秀ではなく、
それは仕方がないとは考えながらも、
こんなに尽くしてきたのにという
気持ちが捨てられません。

子どもは素直で優しい子になってくれたので、
それだけで幸せに思うべきなのですが、
ただ悲しく気持ちが落ち込んでしまうのです。

そして、頑張ってもこの程度しかできないなんてと
子どもの将来も心配してしまいます。

どうやって気持ちを切り替えたら良いのでしょうか。

【くまこ・40代・女性・会社員】

―――――――――――――――――

A:FROM 川畑のぶこ
 

フルタイムで仕事をしながら
ワンオペで3人を育てられてきたくまこさん、
ひたすら頭が下がります。

子どもの教育も手を抜くことなく、
頑張ってこられたのですね。

ご自身のキャリアを断念してまで、
くまこさんがお子さんのために
尽くしてきたとのことですが、
その意図をぜひもういちど
振り返ってみていただきたいと思います。

くまこさんがお子さんの為に
尽くしてきた理由は…

子どもが幸せに生きるためでしょうか?

それとも…

くまこさんの期待に応えてもらうためでしょうか?

親が自分で叶えることができなかった夢を
代理で達成してもらうためでしょうか?

私たちは、ときとして、自分の思い描く理想と
子どもの幸せを混同してしまいます。

くまこさんとしては、

 良い教育を受け
→勉学で成果を残し
→良い大学を卒業すれば
→良い就職ができて
→結果幸せになれる!

…と思い描いていらっしゃったことと思います。

さて、この幸せスキームは
本当にくまこさんのお子さんにとって
正しいのでしょうか?

子育ての最終目標は子どもの自立で、
子どもが自分の人生を切り開く力を
身につけることです。

いったい自分には何が出来て、何が出来ないのか?

何になりたくて、実際何になれるのか?

何を得て、何を手放すのか?

どのような状況下でも幸せの種を見つけ、
それに水やりをすることができるか?

これらを体得するためのサポートが
親の大事な仕事ではないでしょうか。

そうであれば、
勉強ができるようになることもさながら、
自分は何者かに気づくことができる知性を
育むことが大事になってきます。

誰かに敷かれたレールがあったとして、
果たしてそのレールが
本当に自分に合っているのか否かを
見極める力をはぐくむことが、
より重要なこととなるでしょう。

敷かれたレールが合っていないのに、
無理に合わせて
誰かの望む人生を歩んでいたのであれば、
人の心は充たせても、自分の心を
充たすことはできなくなってしまいます。

真のサポートとは自分が望む結果ではなく、
相手が望む結果をサポートすることです。

くまこさんは、その時点で親としてできる
最善を尽くされたことと思います。

結果が思い通りにならないので
すべてが無駄だった、と想うと、
悲しかったり、腹立たしかったり、悔しかったり
といったネガティブな感情が湧いてきて、
辛くなるでしょう。

でも、その結果、
自分に合っているもの、合っていないものが
何かを明確に把握できたのであれば、
それは決して無駄なプロセスではなく
価値の有るプロセスです。

これまでの取り組みも、
必要なだけ身についているはずです。

なので、決して無駄ではないのです。

素直で優しい子に育ったのであれば、
くまこさんの育児は十分
成功しているのではないでしょうか?

相手に思いやりと優しさをもって
接することができるのは、
優れた社会的スキルで、
机上で簡単に学べるものではありません。

くまこさんが子どもに寄り添う姿、
何ごとにも真摯に取り組む背中を
見てきた結果ではないでしょうか。

すなわち、くまこさんが意図しないところで、
子どもたちは人生でもっとも重要なことを
身につけていたのですね。

ぜひ、ご自身とお子さんを称えてあげてください。

「教材ではなく、私自身が子どもの
良き教科書になっていたのだ!」と。

そして、これからは、子どもばかりでなく、
ご自身のためにも尽くしてあげてくださいね。

  
ーーー
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20210524

FROM 川畑のぶこ

今日は、しらすさん(30代・女性・看護師)のご相談にお答えします。

【Q】
母が末期がんで亡くなりました。

私は、本人の思いや意思を支えたいと思って、
そこだけは同じ方向を向きたいと思っていました。

ですが、私の言動は母を優先しすぎている。
一緒に生活してるのは父なのだから、
父の気持ちをもっと思いやれ、
ひとりよがりの言動はやめてくれと家族に叱責されてしまい、

父の想い=母にとってもよい選択という関わり方に、
くやしさと、苦しさ、家族から孤立した感覚をぬぐえないまま、
家にいたいという母の願いは叶わず、
自宅ではなく病院で最期を迎えるという結果になりました。

私と母は同じ看護師で、病気と向き合うこと、
生きることの価値観が父や姉弟とは違ったのだと思います。

ですが、人生の最期を母が望む形で迎えられなかったことに、
後悔と家族を恨めしく思う気持ちが湧いてきて苦しいです。

家族をとても大切にしてきた母の思いを
踏みにじっているような気持ちにもなり、
家族とは距離を置いてしまっています。

このままでは良くないと思い、話をするのですが、
話の途中でやっぱり理解してもらえないと感じてしまい、
責められている気持ちにしかなれず、
気持ちを立て直せずにいます。

気持ちを少しでも切り替えて対話していくには
どうしたらよいでしょうか?

 
【A】
ナイチンゲールの精神を感じられる医療者、看護師としての、
しらすさんのとても誠実な姿勢が伺えます。
そして、お母様への深い愛が伝わってくるご相談です。

これは、本当に難しい問題ですね。
お母さんと同じ病気を体験していない家族は、
本当の意味でお母さんの気持ちはわかりようがありません。

病人にとって何がベストなのか、
しらすさんのように職業でトレーニングされているわけでもない
素人にとっては、試行錯誤の連続だと思います。

とりわけ、お母さんのいちばん近くにいるお父さんにとっては
とてもショックが大きく、負担も重い出来事ですよね。

そんなお父さんは、「第二の患者」でもあります。
お父さんも患者であると考えたとき、
意見が異なる家族・兄弟はどうしていくべきなのか、、、

そこには、相互理解、相手の立場を理解するという姿勢が
とても大切になってきます。

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Q. 私はいつも、物事を
最悪のことを考えて行動してしまいます。

そうすると、現実は、
そこまでには、ならないからです。

良くと考えて行動すると悪くなるからです。
マイナス思考に、疲れてしまいます。

良いアドバイスを、お願いします。

【ムーミン・60代・女性・無職】

―――――――――――――――――

A:FROM 川畑のぶこ

最初から悪いことを想定していれば、
実際の状況が悪かったときの
ショックを回避できるので、
防衛的に常に悪い状態を想定して
過ごし疲れてしまっているのですね。

このような心理的な防衛機制は
決して悪いものとは限らず、
「備えあれば憂いなし」という文脈で
はたらくことも多々あります。

楽観主義が過ぎて、
アリとキリギリスでいうところの
キリギリスにならないように
してくれたりもします。

何事も、過不足ないバランスは大事です。

ただ、ひとつムーミンさんと確認したいのは、
ムーミンさんは、実際の結果として、
良いことが起こったときはその分
人よりも謳歌して楽しめているのでしょうか?

1から10のスケールで、
10が最高の結果、1が最悪の結果だとします。

ムーミンさんの場合、
常に1を想定しているので、
実際に5だった場合、
差引いた4は得した良い気分になるけれども、
最高の10を想定すると、
差引5のショックが加わるという心理経済が
はたらいていることになるかと思います。

では、常に1を想定しているので、
2から10のときは常に喜べていますか?

実際に10が起きたときに、
「私はラッキー!」とか
「人生素晴らしい!」など、
差引9の喜びを享受しているでしょうか?

それとも、どうせ次は悪くなるに違いない、
と愉悦に浸ることは棚上げして、
次に起こるかもしれない最悪の事態に
備えているのでしょうか?

もし後者であれば、
「備えあれば憂いなし」どころか、
「備えすぎて憂いあり」の状態に
なってしまっています。

期待しているあいだの喜びもなければ、
どの結果であっても喜ぶゆとりがなければ、
結局、常にマイナスばかり
経験していることにならないでしょうか。

私の師であるサイモントン博士は、
「希望を持ちつつ執着を手放す」
というバランスが大切だと説いています。

未来に前進するときに、ムーミンさんが
望む状態が起こることを想像しつつ、
同時に、たとえ最悪の事態が起こっても
大丈夫なように備えるというバランスです。

期待感や希望を持っている人というのは、
そうでない人に比べて
健康度や人生の満足度が高いという
研究報告もあります。

ムーミンさんにおすすめしたいのは、
人生からネガティブなことを
すべて取り除くのではなく、
ネガティブなことがあっても大丈夫
という信頼感を育むということです。

たとえ、望み通りの結果にならなくても、
取り返しがつかなくなるわけではなく、
人生それなりに機能するという姿勢です。

現に、過去を振り返ってみても、
備えていたおかげで
うまく行ったこともあれば、
うまく行かないこともあったかと思います。

それでも、今日、今、ここに
ムーミンさんがきちんと立っているのは
厳然たる事実です。

思い通りでなくても、なんとかなって
人生を切り開いてきていることと思います。

ぜひ、失敗も人生の大切なプロセス
として包みこんでみてください。

失敗やネガティブな部分を受容することで、
それを避けることに
エネルギーを注ぐのではなく、
人生に起きている好ましいことや
喜ばしいことにも目が向けられるようになり、
未来に希望が持てるようになることと思います。

  
  
ーーー
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20210517

FROM 川畑のぶこ

今日は、わくさん(50代・女性・主婦)のご相談にお答えします。

【Q】
高校受験の息子が志望校に合格できず、
母親の私の方が落ち込んでいます。

3番目の子どもで、病気がありながらも
たくさんの周りの方に支えられ、
勉強や部活動、生徒会活動など
充実した中学校生活でした。
私もママ友に恵まれ、
受験生の息子を応援していました。

結果はママ友2人のお子さんは
息子と同じ高校を受験し、
お二人とも合格しました。

息子の方が傷ついているはずなのに、
私の方がそのママ友ともう会いたくない
という気持ちにまでなってしまいました。

息子には、長い人生の通過点として
気持ちを切り替えて、
新しい環境で頑張ってほしいと思います。

しかし、心のどこかで、どうしてうちの子が
合格できなかったのだろうと、考えてしまいます。

発表後に偶然、ママ友と会って、
〇〇さんや△△くんは合格したのか?など質問され、
そこでかなり傷つきました。

息子が不合格だったということでいっぱいいっぱいで、
他のお子さんのことなど考えられない状況でした。
今までのお付き合いでは感じたことがない
悔しい、悲しい思いでした。

初めての受験ではないのに、
こんな思いをしてしまう自分が情けないです。

息子はやれるだけのことをやって、
それで届かなかった……頭では分かっていても、
どうしても受け入れることができません。

息子をサポートしていく立場の母親として
恥ずかしいです。息子の出来事を自分のこと
として悩み、考えてしまっています。

また、ママ友とは大人の付き合いとして
今まで通りにお付き合いしないと、
かえって気を遣われたり自分が惨めになるのでは?
と、こんな考えをする自分に驚いています。

無理してお茶やランチをする余裕がない自分を
認めてあげて、気持ちが落ち着くまで、
息子とゆっくり過ごすことが良いのかな?
とも思います。

器の小さな母で情けないです。
アドバイスをお願いいたします。

 
【A】
受験は、人生の浮き沈みを感じる
大きなイベントの一つですね。

私も一人の息子を持つ身として、
わくさんのお気持ちはわかる気がします。

我が家は、高校進学はまだこれからなのですが、
自分もきっとこんな思いを体験するんだろうなぁ
なんて思いながら、お話を聴いていました。

さて、息子さんよりも自分が落ち込んでしまって、
他のママさんとお付き合いもしたくないと
思ってしまうまでになってしまったとのこと。

でも同時に、そんな自分が嫌だなという、
自己嫌悪のような気持ちもあるわけですよね。

エリザベス・キューブラー・ロスという、
アメリカの精神学者で
死に関する研究をしていた人がいますが、彼女は、
「人生には小さな死がたくさん訪れる」と言っています。

自分が期待していたものが挫かれてしまったとき、
信用していた人に裏切られてしまったとき、
あるいは、今回のわくさんの息子さんのように、
受験や就職活動に失敗してしまったとき、、、
このようなときに、
私たちは小さな死を体験すると言っています。

そして、このような小さな死を体験したとき、
喪に服する期間というのが必要です。

すぐに元気になる必要はなく、
しばらくは後悔したり、何が悪かったんだろう、
もっとできたことがあるのではないか、と考えると
思いますが、その過程を受容することが大切です。

5月は特に落ち込む時期でもあります。

五月病などと言われたりしますが、
季節性情動障害と言って、季節が変わると
私たちの心理的・精神的な状態も変わったりする
ということがわかっていますので、まずは、
ご自身に優しくなっていただきたいと思います。

続きは、ビデオでお話しします……

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
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Q.中学二年生になる長男のことで悩んでいます。

長男は、中学受験をしましたが、
第一希望の学校には合格できず、
公立の中学校に通っています。

受験勉強からの反動か、テレビや動画ばかりみて、
試験前でも勉強しません。

サッカー部に入りましたが、
不整脈や息切れを訴え、休部しています。

病院で様々な検査をして、
(心電図を1日装着するなど)異常なしでした。
学校が終わるとまっすぐ帰ってきて
平日も休みの日も、友達と遊ぶことはなく、
家で動画やテレビをみて外出することはないです。

一度、手首をカッターで切って、話し合いをしたときには、
生きていて楽しくない、死にたいといわれました。
(しかし、深くは切れなかったようで
出血はしましたが、今は傷跡が残る程度です)

親としては、死にたいなんて考えてほしくない、
部活に行って、友達と遊ぶといった
中学生活が楽しかったと思うような経験をしてほしい、と思います。

学校でのクラスメイトからの印象
(カードにその子供の印象を書いてまとめたものを見た)は
「大人しい」ばかりで、先生との面談でも、大人しいといわれました。

家ではそんなことはなく、気に入らないことがあったり、注意すると、
「チッ」と舌打ちをして無視するか、暴言を吐きます。

話し合いをすると、親を侮辱し、傷つけるようなことを言います。
(クズからはクズしか生まれない、クズとして最後まで育ててください
といわれたのがショックでした)

私も夫も長男のことが心配で、
仕事が手につかなくなることがあります。
素直になって心を開いてほしい、と切実に思っています。

アドバイスをいただけると幸いです。

【RYOKO・40代・女性・会社員】

―――――――――――――――――

A:FROM 川畑のぶこ

我が子が生きるのがつらく死にたいと
訴えるのを聞くのは、この上なく辛いことです。

RYOKOさんの子どもに幸せに生きてもらいたい気持ち、
苦しみを取り除きたい気持ちは、
全世界の母が共有する感情でしょう。

私たちは、自分の本性(自然)から
離れてしまったときに病みます。

医学の父、ヒポクラテスは
「自然から離れるほどに病気に近づく」と説いています。

それでは、息子さんが、息子さんらしく生きるということは
いったいどういうことなのでしょう。

このような己の存在意義に関する問いへの明快な答えというのは、
即座に得られるものでもないと思いますし、
おそらく息子さん自身、同じ問いに悩み、
探求の過程にいるのではないでしょうか。

自己アイデンティティーを確立する過程というのは
もがきがあるものですし、思春期は親への反抗もありますから、
ケアはしつつも、どうか心配しすぎずに、
温かい気持ちで息子さんに寄り添ってください。

そして、幸せの感じ方に関しては、人それぞれ異なり、
親子でも異なるということを認識しておいてください。

親の思い描く幸せが、決して子どもの思い描くそれとは
一致しないこともあります。

誰かにとっての喜びが他の誰かにとっては
苦しみになることもあるのです。

人とワイワイ交流することに喜びを感じる人もいれば、
静かに一人の時間や空間をじっくり味わうことに
深い喜びを感じる人もいます。

このような生まれ持ったパーソナリティーに優劣はなく、
それぞれに長所も短所もあります。

みんなから「大人しい」との印象を持たれる
息子さんとのことなので、
きっと一人の時間や空間を大切にしたい
パーソナリティーなのではないでしょうか。

ご自身のニーズをきちんと満たすために、
学校から早く帰ってきているのかもしれません。

おそらく、RYOKOさんは
人と触れ合うことに喜びを感じる方なのでしょう、
すると「大人しい」というパーソナリティーを
対人交流が苦手と否定的に捉えてしまうかもしれません。

でも、大人しい人にも「思慮深い」「穏やか」
「洞察力がある」「自分の世界を持っている」など、
長所はいくらでもあるはずです。

そうであれば、それを受け入れ認めて
関わり合う姿勢を大事にしてください。

「部活に行って、友達と遊ぶといった
中学生活が楽しかったと思うような経験をしてほしい」
という気持ちを、
「幸せを体験して生きてほしい」という気持ちに切り替えてください。

そして、「彼なりの幸せの体験の仕方」があり、
それは彼はいちばんよく知っていることを受け入れてください。

さもなくば、自分でない自分になることを強いられる、
生きづらい世の中になってしまいます。

学校で多少無理をしてストレスになっているのであれば、
せめて家庭だけでも、彼が彼のままでいられる、
心地よいくつろげる居場所としてあげてください。

そのことで息子さんの心が充電されたのなら、
また明日も学校で頑張ろうというエネルギーに
つながることと思います。

私たちは子どもに対して己のごとく向き合ってしまいますが、
相手は立派な人格をもったひとりの人間であり、
自分とは別の存在であることを思い出してください。

同じものを食べて、同じ空間で過ごしているのに、
しかも私から生まれているのに!?
なんでこんなに違うんだろう?面白い!

と、お互いの違いから何を学べるのか、
愛ある好奇心を持って向き合ってみてください。

違いを好ましくないこととしてでなく、
新たな価値を学ぶ機会として
受け止めることができたなら、
人生は息子さんにとっても、RYOKOさんにとっても
より豊かになることと思います。

  
  
ーーー
★あなたが今抱えている『悩み』をお聞かせください。
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