執筆者

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【Q】都心から東京都内の23区外へ
越して来て、3年半が経過。

今だに自然だけが多く、不便な暮らし
に慣れず、苦しんでいる毎日です。
時に明るい気持ちになる時もありますが、
また消えていきます。

主人が定年を迎える前に、
経済的なことを考え、また、
これから夫婦2人で健康なうちに
いろいろなことを楽しみましょう
という提案がありました。

産まれてから50歳になるまで、
引っ越しはありましたが
全て同じ区内での移動。

実家も近く、多くはありませんが、
気軽に会える友達もいました。

子どもも大学を卒業し
これから楽しみたい時でしたので、
私の本心としては
引越しには反対でした。

が、自宅、マンションも高騰し、
私は感情論でしか話せず、
諦めて承諾しました。

実際、自然が多く、毎日、
観光のような気持ちでおりましたが、
現実は生活が不便。

趣味の手芸材料も気に入った物が
近所では見つからず。

主人はこちらの環境に慣れ、
自然を通し、いろいろな趣味を見つけ、
人との交流も増え、仕事のお休みは
全てそちらに出かけます。

引っ越す前の友達とのお付き合いにも
たまに出かけて行きます。

その主人を憎むようになり、
そんな自分を嫌いになり、
抜け出せない毎日に
体調も崩してしまいました。

何も行動がとれず、このまま人生が
終わってしまうのかなと思いながら、
ただただ家事をする毎日です。

カウンセリングは受け、お薬も処方は
されましたが、原因が明確なので、
私には効きません。

過去の生活に戻りたいです。
これからどう進んでいけば
よいのでしょうか。

【じゅんちゃん・50代・女性】

【A】じゅんちゃんさん、
ご相談ありがとうございます。

慣れ親しんだ土地を離れ、新しい環境
での暮らしに心がついていかない…
その苦しさは、実際に経験した人に
しかわからない深いものがあります。

まして、半世紀にわたり築いてきた
生活、人間関係、安心できる居場所を
一度に手放したのですから、簡単に
適応できないのは当然のことです。

じゅんちゃんさんに起きているのは
「不便な暮らしへの不満」だけではなく、
これまでの人生の連続性が
断ち切られたような感覚、

いわば「心のホームベース」を失った
喪失体験に近いものではないでしょうか。

以前の生活には、気軽に会える人、
通い慣れた場所、自分らしくいられる
空気があったことでしょう。

そうしたものは利便性を超えて、
私たちのアイデンティティの一部に
なります。

ですので、それを失ったとき、
私たちは自分が自分でなくなったような
空虚感に襲われることがあります。

さらに、もう一つ苦しみを深くしている
のは、ご主人との適応の差でしょう。

ご主人は新しい環境で楽しみを見つけ
外へ広がっていく一方で、
じゅんちゃんさんは
内側に閉じ込められてしまう。

この対比は、「置いていかれた」という
孤独感や、説明のつかない憎しみにも
似た感情を生みやすいものです。

そして、その感情を持ってしまう自分
を責めてしまうという、
とてもつらい循環ですね。

ただ、その感情は、心が壊れている
サインではなく、むしろ大切なものを
失ったときに生じる自然な反応であり、
それほどまでに愛着を持てるものが
人生にあった証でもあります。

裏を返せば、そのような愛着を育む
ちからを本質的にじゅんちゃんさんは
お持ちということでもあります。

では、これから
どう進めばよいのでしょうか。

いまのじゅんちゃんさんにとって
鍵となるのは、「元に戻ること」を
目標にしないことです。

私たちは、過去に戻ることはできません。
ですが、過去にあった「大切な要素」を
今の生活に取り入れることはできます。

お見受けするところ、
じゅんちゃんさんのお住まいは
都心にアクセスしようと思えばできる
エリアですね。

そうであれば、たとえば、以前の街に
定期的に出かける日を作るとか、
旧友と会う予定を立てるとか、

好きだった趣味の環境をオンラインや
都心の教室に通うことで再開するなどです。

生活の拠点は変わっても、
生活圏まで狭める必要はありません。
心の居場所は一つでなくていいのです。

ご主人が地元で活動をしているからと
いって、じゅんちゃんさんもそのように
しなければいけないわけではありません。

じゅんちゃんさんなりの適応、
すなわち、地元と都心との
ハイブリッドで適応すればよいのです。

ぜひ、
「以前の生活で何が一番好きだったか」
「何が自分らしさを支えていたか」
を書き出してみてください。

そして、場所ではなく要素として見えて
きたとき、それを新しい形で
再び人生に取り戻す道が見えてきます。

ご主人にも複雑な気持ちをお持ちですが、
彼は決して敵ではなく
上手に新しい環境に適応できた人として、
じゅんちゃんさんを支える側に
回ってもらうこともできる存在です。

「私はまだ慣れていなくて、
 私なりの適応の仕方を模索中だから
 サポートしてくれる?」

と率直に協力のリクエストを
してみてはいかがでしょうか。

それは、弱さではなく、
関係を回復させる勇気でもあります。

また、家事をするだけの毎日と
感じていることが、無力感を
強めている可能性もあります。

人は誰かとのつながりや役割を持つことで
再び生きている実感を取り戻します。

小さくても構いませんので、
趣味の発信、学び直し、ボランティア、
オンラインの活動など、
外とつながる窓をひとつからでいいので
作ってみてください。

じゅんちゃんさんは、
このまま人生が終わってしまうのではと
不安に感じておられますが、実際には、
いまは第二の人生の設計図が
一度白紙になった状態とも言えます。

白紙は不安ですが、同時にこれから
何を描くこともできる余白でもあります。

50代は、義務の人生から選択の人生へと
移行する節目の時期であり、
そのために空白が生じるのは自然です。

じゅんちゃんさんのように人生を真剣に
生きてきた人だからこそ感じる痛みを、
変化に向き合う兆しと受け止め、
一呼吸おいて人生の大切な要素と
向き合ってみてください。

最後に、私自身のシェアを少しさせて
ください。

実は私自身も、港区、世田谷区と
20年以上住み慣れた23区を離れ、
都下に引っ越して1年が経ちました。

そして、その間、我が家を訪れた友人や
親戚の数は、私が都心に暮らしていた
ときの倍以上に増えたのです。

私が都心に出向かずとも
「来てみない?」と声掛けすると、
みんな喜んで遊びにきてくれました。

そう、友人らもまた変化のときで、
私の引っ越しに便乗して
いままでと異なるユニークな土地(価値)
での集いを楽しみにしてくれているのです。

じゅんちゃんさんももしかしたら、
一声かけさえすれば、そんな要素を
潜在的に求めている友たちが
喜んで会いに来るかもしれませんよ?

じゅんちゃんさんが新しい土地で
新しい価値観も取り入れながら
日々穏やかに楽しむことができますように。

応援しています!

ー川畑のぶこ

       
        

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クーさん(40代・女性・パート)のご相談にお答えします。

【Q】永年試行錯誤してきた夫との関係
について、相談させてください。

現在、子どもは学生で家を出ており、
夫婦二人で暮らしています。

最近の私は、普段は自分の気持ちを
落ち着かせられるようになったと
思うのですが、

親戚や友人の集まりで仲良く交流して
いる家庭を目の当たりにすると、
再び、寂しさと夫への失望で
一杯になってしまいます。

夫は元々、
一人で過ごすのが落ち着くタイプ。

更にメンタルの病を経て、一層自分の
ペースを尊重するようになりました。
個人的に繋がり、心許せる友人も
いないようです。

普段の私は、夫の特性に合わせて暮らし、
一緒に外出・外食は一切なしです。

自分を守るためか、上から目線で
視野の狭い発言が多い夫との会話からは
思いやりや共感が感じられず、
夫婦では平和で表面的な会話が
少しある生活です。

私が考えを言うと
夫は非難されたと受け取り怒るので、
私は意見は控え黙っています。

夫との会話や日常に
私は楽しみや穏やかさは感じず、
少し緊張もありますが、安定した生活
は夫のお陰だと感謝しています。

二人でいるのに寂しく感じ、悲しいと
思いますが、気にしないようにして、
自分でできる楽しみを探すことに
気持ちをフォーカスするように
しています。

しかし、他の家庭の温かさを感じた時、
普段抑えている寂しさが顔を出し、
本当は、私は楽しい家族を築きたかった
のに、という寂しさと夫への怒りが
一気に押し寄せてきます。

将来、もし子どもが家族を持っても、
こんな冷めていて楽しくない我が家
にはきっと会いに来てくれないと思い、

これは思いやりがないか、
あっても相手に伝わらない夫のせいだ、
と責めたくなります。

実際、夫は帰省してくる子どもとも
時間を共有しようとしません。

気力体力に余裕のない夫が頑張って
くれていることに感謝する一方、

スーパーで見かける仲良し夫婦、
集まりを楽しむ家庭を見る度に、
独りで夫に失望し、同時に
失望する自分が嫌になります。

この失望との付き合い方を教えて
いただけたら、と思います。
宜しくお願いします。

【A】「夫と二人でいるのに寂しい」
というクーさんの切実なお悩みです。

他の家庭の温かさを目にしたとき、
抑えていた寂しさや失望が
一気にあふれてくる。

「本当は、もっと楽しい家族を
築きたかった」
そんな思いが込み上げてくる。

まずお伝えしたいのは、その寂しさは
とても健全なものだということです。

「愛されたい」
「大切にされていると感じたい」
という欲求は、誰もが持っている
自然なニーズです。

大事なのは、その気持ちを否定せず、
「ああ、私はケアされている感覚を
求めているんだな」と認めてあげること。

そして同時に、ご主人の
「一人で過ごす」
「自分の時間を大切にする」
という在り方を、

“私をないがしろにしている”のではなく、
“ご主人なりの愛の形”なのだと
見直してみることも一つです。

もしかすると、
「私の好みではないやり方で、
愛を表現している」のかもしれません。

さらに、
・夫以外の場で自分を満たすこと
・小さなリクエストを
 一つだけ伝えてみること
についても私なりのアドバイスを
させていただきますね。

失望との付き合い方は、
「我慢」ではなく、自分のニーズを
丁寧に扱うことから始まります。

ぜひ続きはビデオをご覧ください……

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【Q】50代の女性です。
再婚し、その後離婚した元パートナーと
関係だけは切れずに6年が経ちました。

彼は感情の起伏が激しく、
怒りが爆発して
暴言を吐くことが何度もありました。

そのたびに心が壊れそうになり
距離を取ろうとするのですが、
しばらくすると謝罪と優しさを見せられ、
結局また元に戻ってしまう、、、
その繰り返しでした。

最近になって、ようやくこの関係が
精神的DV、いわゆるモラハラだった
のだと気づきました。

頭では理解できていますし、
「今は自分を大切にすることを
優先する時だ」とも言われています。

それでも、長く続いた関係の影響なのか
完全に離れる決断がなかなかできません。

彼の機嫌に振り回されていた自分、
傷つきながらも期待してしまう自分、
そして迷い続けている自分が、
今も心の中にいます。

自分を守るために距離を取る必要がある
と分かっているのに、不安や罪悪感が
湧いてきて前に進めずにいます。
苦しいです。

このような関係から抜け出そうとして
いるとき、どんな心の持ち方が
助けになるのでしょうか。

「自分を大切にする」とは
具体的にどういうことなのか、
ヒントをいただけたらと思い、
ご相談しました。

【みーゆー・50代・女性】

【A】みーゆーさん、これまで
本当によく耐えてこられましたね。

50代という人生の折り返し地点で
出口の見えないトンネルの中にいるような
感じとでも言いましょうか、

孤独感や不安を抱えながら
過ごしてこられたことと思います。

でも、トンネルの出口も
見えてきているようです。

みーゆーさんが、
「モラハラだったのだと気づいた」
というのは、苦しくも、
とても大きな一歩だと思います。

いままでのみーゆーさんは、
「自分が至らないから」
「私が我慢すればうまくいく」と、
自分を責めることで何とか
心の均衡を保ってこられたと思います。

自分が変わることに努力を惜しまない、
健気なみーゆーさんだったのですね。

ところがここにきて、
問題は私にではなく
相手にあることを知ってしまった。

そして、相手の領域のことなので
自分になす術がないという現実に直面し、
均衡を崩してしまったのでしょう。

頭では分かっているのに離れられない
というのは、決してみーゆーさんの
努力不足でも意志の弱さでもありません
ので、どうかご自身を責めないでください。

感情の爆発や暴言で深く傷つけられた
あと、謝罪や優しさが戻ってくる。

このような関係は、心理学的に
「間欠強化(かんけつきょうか)」
と呼ばれる状態を生みます。

間欠強化とは、毎回ではなく、
たまに・不規則に報酬(強化)が与えられる
ことで、行動がとても続きやすくなる
という心の原理です。

「たまにご褒美が来るほうが、
やめられなくなる」状態ですね。

ギャンブルもゲームもは、毎回ではなく
たまに当たるので、「次こそは」と
刺激を追って続けてしまい、
依存状態になることがあります。

人間関係も、ふだん冷たい人や
振り向いてくれない人が
たまに優しいことで、
強く惹きつけられてしまうことが
あるのです。

いつ報酬が来るかわからないので
脳が「期待」と「予測」をやめられない。

うまくいって報酬が得られると
脳内に快楽物質のドーパミンが放出されて、
その行動をやめられなくなってしまうのです。

ゲームも、毎回勝てるゲームは
つまらなくなって価値を感じなくなりますね。

ギャンブルやゲームのみならず、
恋愛や承認欲求を満たすためにも
依存は生まれ、DVやモラハラ関係でも
同じ機序がはたらいていることが
考えられます。

このような意味で、みーゆーさんは
簡単には自分にOKを出さない
チャレンジャーともいえます。

努力なく自分を愛してくれる優しい人には
物足りなさを感じてしまい、
情念も湧かないので、それは愛ではない、と、

本物の愛はもっと苦労して手に入れる
レアなもののはずだと勘違いしてしまって、
ネガティヴに希少性を求めてしまったかも
しれません。

依存関係から抜け出せないのは
決して意志が弱いからではなく、
脳の仕組みによるものだということを
理解してください。

もし、また彼が優しさを見せたときに
緊張感が一気に解けて、

「やっぱり彼は優しい良い人。
 私が我慢や努力さえすれば
 いつか変わるはず。頑張ろう」
という快楽モードに入ったなら、

一呼吸おいて、
「あ、また脳がバグってるな」と
責めることなく
穏やかに気づいてあげてください。

そして、静かに思い出してください。

愛ある関係とは、
嵐の中に一時的な避難所のように
見出さなくてはいけないものではなく、
一貫した安心がある関係や場であることを。

わざわざ激しい試練を乗り越えることで
愛を確かめる必要はないのです。

このように、期待と現実を
切り分ける作業をしてみてください。

現実は、
「たしかに彼は優しいモードのとき
 もあるが、私が離婚を決意したほど、
 感情をコントロールできずに
 言葉で私を傷つけてきた相手だ」
ということを思い出してください。

罪悪感が湧いてきたら、もしかしたら
相手はみーゆーさんの罪悪感を刺激する
ことでコントロールしているかもしれない
ことも覚えておいてください。

彼のひとときの優しさに揺れたときは、
「現実に戻るための訓練のとき」
と受け止めてみてください。

「自分を大切にする」ことに関しては、
他人軸から自分軸に戻るのに
まず自分はどう感じるのかに
注意を向けてあげてください。

そして、「刺激」よりも「平穏」という
快適さに価値をおいて
敏感になってあげてください。

また、もしも、今みーゆーさんに
起きていることと同じことが
みーゆーさんの大切な人
(たとえば大事な家族や親友など)に
起きていたら、

どんなふうに声をかけてあげたいか、
また相手にどんな変化を起こしてほしいと
思うかを考えてみて、それを
自分自身に当てはめてあげてください。

相手への優しさとは、
なんでも相手の思い通りにしてあげたり、
なんでも許すことではありません。

ときには毅然とした態度でNOを伝え、
相手がその痛みを味わいながらも、
自身の課題に向き合う
(これまでの依存的なパターンから脱して
より健全な振る舞いを身につけていく)
ことを離れて見守ることも
優しさであり強さです。

私たちは、失敗して痛みを伴わないと
学ばないこともあります。
それは建設的な失敗であり痛みです。

みーゆーさんに課題があるように、
相手にも自分で取り組むべき課題が
あります。

その機会を奪わないようにしてあげて
ください。

みーゆーさんは
これまで十分に相手を気づかい、
尽くしてきました。

もうその役割を卒業して、
次のステージに進んで良いと
許可を与えてください。

これまで相手に向けてきた優しさを、
長い間傷ついてきたご自身に
向けてあげてください。

応援しています。

ー川畑のぶこ

       
        
ーーー

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サムネ_20260208

こうめさん(50代・女性・看護師助手)のご相談にお答えします。

【Q】母のことです。
今、実家で母とわんこと3人暮らしです。
母は82歳、私は54歳、ずっと未婚です。

昔から私と母はよく衝突し、
20代の頃「離れた方がうまくいくのでは」
と家を出ることにしました。

少し過保護で心配性な母は渋りましたが、
意図を説明し納得してくれました。

実際離れると、母に対して
優しくなり関係が良くなり、
離れてよかったと思えました。

数年後、実家の近くに転職することになり、
給料面や通勤の便を考えて実家に戻ることに。
母も喜んでくれました。

しかしやはり、一緒に過ごすと衝突の日々。
その後、再び転職することになったため、
また家を出ることになりました。

そして何年か経った頃、
父が脳出血で介護が必要な状態になり、
そこから母一人での父の介護生活が
始まりました。

私はその時の自分の暮らしを変えたくなくて、
電話で母に「帰らなくてもいいよね?」と
尋ねたのです。

母は明るく「いいよ」と言ったので、
そのようにしました。

今思うと、なんてひどい娘かと、
そして、なんて娘想いのやさしい母かと、
情けなさと母への申し訳なさ、
感謝の気持ちが思い返されます。

しばらくして、タロットをしている友人
に相談したところ、介護の資格を取って
実家に帰ることを勧められ、
自分でも納得できたのでそのようにしました。

実家には帰ったものの、私は
自分の仕事(病院勤務)や遊びに忙しく、
父のことはほとんど母任せ。

父は入退院を繰り返し、在宅の時でも
ほとんど母が見てくれていました。
やっぱりひどい娘です。

父は10年ほど前に他界しました。
最後の方は母と手分けして介護しましたが、
そんなのは、その前に母がひとりで
担っていた年月に比べたら些細なものです。

父が亡くなり、母はそんなに
めそめそすることもなく、
そこからわんこと私との3人生活が始まり、
衝突しながらもわりと平和な日々を
過ごしてきました。

しかし、一昨年の12月に母が急に
「メールが打てなくなった」と、
自分でかかりつけ医に相談し検査すると、
脳梗塞を発症していたことが発覚しました。

特段の症状はなかったものの、
軽い認知症もあるとの診断。

普段は普通に生活できていて、
うちのこともやってくれるし
買い物や病院にも行けますが、
病院で先生の説明が頭に入らないので
私が付き添って行くようになりました。

あとは、買い物に行って買ったものを
置いてきてしまうことが数回。
細かい困りごとは
ちょくちょく起こりますが、
笑って済ませられるようなことです。

ただ、精神面にくることがあり、
一人で家にいると不安が募るようで、
私がきちんと伝えて遊びに行っても、
楽しんでいるところに電話をしてきて

「今どこにいるの⁈いつまでいるの⁈」
と怒りと不安がないまぜになったような
言い方をして、楽しい気持ちを
萎えさせられることもありました。

長く留守にできなくなり、趣味の
一泊以上の旅行も行けなくなりました。

家で一人でいると認知機能低下が進む
のではと、昨年秋に介護認定を受けて
要支援1になりました。

気分転換できればと、12月からは
ちょっと運動できる半日のデイサービスを
利用することになり、2回ほど行きました。

あと、いつか母にショートステイを
利用してもらって、たまにでいいから
旅行に行きたいと母とケアマネさんに
話しました。

母は、その時は納得してくれたようでした
が、その後、知らない所に泊まるのは嫌だ、
家でわんこと過ごすのがいいと。

そして、デイサービスも嫌、と言い出す
ようになりました。週一、半日だけの
気分転換と伝えても、家にいたいと。

母の想いも尊重したい。
でも、私も自分の人生を生きたい。

けれど、今まで好きなように
生きさせてもらったから…
とも考えてしまいます。

私も心身共に好不調があり、
母のこともあると自分を保つのが
心配になります。

母とわんことの3人の暮らし自体は
幸せなので、できれば変えたくないです。

今後、母とどのように関わるのが
お互いのためなのか、ご相談したいです。

【A】「私はひどい娘なんです」
こうめさんの相談文には、
何度もこの言葉が出てきます。

でも、この言葉とはまったく違う印象が
私には伝わってきます。

それは、ここまでお母さんのことを
思い続けてきたからこそ、
今の苦しさがあるということです。

長い年月をかけて積み重なった、
愛情と感謝、そして罪悪感。

親を大切にしたい気持ちと、
自分の人生も生きたいという思い。

その間で揺れるのは、
とても人間的で自然なことです。

大切なのは、
「親不孝かどうか」を裁くことではなく、
距離が近くなりすぎたことで
双方の不安が増幅していないか
という視点です。

支えることと、すべてを引き受けること
は同じではありません。

動画の中では、

「いい介護・いい支えとは何か」
「支える側が先に整うことの大切さ」
「自分の人生を生きることと、
 母を大切にすることは対立しない」

などについて、お話ししています。

ショートステイやデイサービスは、
冷たさではなく“思いやりの形”。

そして、こうめさんが自分の時間を持つことは、
結果的にお母さんの安心にも
つながっていきます。

ぜひ続きはビデオをご覧くださいね……

ーーー

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【Q】後悔癖に苦しんでいます。

内容は大小様々ですが、
例えば入手困難な品物が
タッチの差で売り切れた時には、

437日間、寝ても覚めても祈り続け、
数倍の値段ではありましたが、
執念で(!?)手に入れることができました。

それでも、あの時ああしていれば、
苦しまずに済んだ…等の後悔が消えません。

また、人に気を遣い無理をしたことで、
怪我をしたり、病気になったりして、
その後遺症があります。

それは悔やんでも悔やみ切れず、
毎日、自分を責めてしまいます。

思考は現実化する、と聞きますが、
上手く行ったことはスーッと流れ、
失敗と感じることに、必要以上にとらわれる。

だから、そう感じることばかり起こるのでしょうか?

本音を無視した時に強い後悔が出やすいので、
気を付けてはいるのですが、
いろいろ学んでも、なかなか改善しません。

本当に苦しくて、心身共に疲弊するので、
何とかこの癖を手放し楽になりたいのですが、
この沼から抜け出せず、毎日何らかの後悔を
創り出しては苛まれています。

川畑先生、どう考えたら良いのか、
アドバイスをお願い致しますm(_ _)m

【kayon・40代・女性】

【A】胸の内を率直に言葉にしてくださって
ありがとうございます。

読みながら、これはkayonさんの性格の癖
というよりは、心が生き延びるために
身につけた必死の働き=生存戦略なのだな
と感じました。

二度と同じ痛みを繰り返さないために、
脳が必死に検証を続けている状態ですね。

脳の役割は「幸せになること」の前に、
危険を回避し、「生き延びること」を優先します。

kayonさんの脳は、
「もう二度と、あんな苦しみを味わわせたくない」
という一心で、過去を何度も何度も
再生しているのですね。

つまりこれは必ずしも欠点とは言い切れません。
守りの力が過剰に働いてしまっているのだな、
と、まずはご自身の防衛機構を
受け入れてあげてください。

「思考は現実化する」ということに関して、
失敗と感じることに必要以上にとらわれるから、
そう感じることばかり起こるのでしょうか
ということに関しては、少し誤解があるようです。

実際に起きているのは、
現実が悪い方向に引き寄せられているのではなく、
脳のスポットライトが
「失敗に固定されている」という現象です。

たとえば暗い部屋で、
懐中電灯を「後悔」に向け続けていると、
部屋全体が「後悔で満ちている」ように錯覚します。

でも、光を向けていない場所には、
回避できた失敗や、守れたもの、
また、ちゃんと踏みとどまれた瞬間が、
確実に存在しています。

決して、起きている現実が偏っているのではなく、
見えている現実が偏っているのですね。

本音を無視すると後悔が強くなると
kayonさんが気づいていらっしゃる点に関しては、
その理由として、本音を無視した時に、
心の奥では「私は自分自身を裏切った」
という感覚が残ることによると考えられます。

怪我や病気は、後悔の原因ではなく、
結果であることが多いでしょう。

脳は、
「体を壊した=判断が致命的に間違っていた」
と認定し、延々と反省会を終わらせなくするのです。

このような状況から抜け出すにあたって、
まずkayonさんに気をつけていただきたいことは、

後悔をなくそうとしたり、
ポジティブに考えようとしたり、
また、「学んでいるのに改善しない」と
自分を責めることをやめることです。

これらはすべて、後悔癖を
「敵」にしてしまうアプローチです。

代わりにやってみてほしいこととして、
後悔が出たら「止めない」で、
その瞬間、こう言ってみてください。

「あ、今『私を守ろうとする脳』が働いているな」
と。

それ以上は深追いしなくて大丈夫です。
正解を出さず、ラベリングだけで十分です。

そして、問いを
「どうすれば後悔しなかったか?」ではなく、
「あの時の私は、何を守ろうとしていた?」
というふうに変えてみてください。

そして、この問いには、
自分を責める回路ではなく、
理解する回路を起動させます。

「後悔=サイン」と捉え、後悔が強いときは、
「今の私に必要なのは、自責でなく、労わりだ」
ということを思い出してください。

後悔を消そうとする代わりに、
肩や胸に手を当てて
「よくここまで生きてきたね」と声をかけたり、
お気に入りの温かい飲み物を飲むなどして
まずは体へのケアをしてください。

そして、kayonさんの後悔は、
「真剣に生きてきた人」
「自分にも他人にも責任を持とうとしてきた人」
の証しであることを思い出してください。

後悔の沼は力ずくで抜けようとすると、
かえって沈んでしまいます。

まず、力を抜いてひと呼吸。

そして、
「あ、また守ろうとしてくれてるんだね」と
一歩引いて眺めてみます。

すると、自然と足場が見えてくることと思います。

焦らずに、愛ある好奇心をもって
ご自身と向き合ってみてください。

ー川畑のぶこ

       
        
ーーー

 
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ユキさん(50代・女性)のご相談にお答えします。

【Q】私の悩みは、自分らしい時間の
過ごし方がわからないことです。

休日を後悔なく過ごすことに深刻に
なり過ぎて、楽しい計画も楽しめない、
片付け仕事のようになってしまいます。

自分探しに、
かれこれ1年半ほど悶々としています。

これまで夫婦共働きで、自分の時間とか
自分の人生などと考える暇もなく、
仕事に邁進してきました。

子ども達が独立した1年前くらいから、
全く似た環境の、非常に仕事のできる
同僚が、大きな仕事をスマートに片付け
ながら、海外出張も難なくこなしていたり、
プライベートでも海外旅行を楽しむなど、

私がこれまで到底できない、と我慢したり、
夢にも思わなかった楽しみ方を実現している
のを見て、仕事上の劣等感に輪をかけて、
嫉妬のような思いを抱き、苦しんでいます。

私自身、仕事の面では、ここ何年も
私からすると大きな事業を任されて、
かなり頑張ってきましたし、
やりがいもありますが、

年齢的にも自分の身体を休めたり、
趣味も楽しみたい、という意識に
変わってきたところなのです。

しかし、いざ自分を癒そう、楽しもうと
すると、何をすると自分が満足するのか
わからなくなってしまいました。

学生時代は海外留学に憧れ、
語学に力を入れましたが、
いざとなると海外へ出ていく勇気がなく、

また、航空会社の入社試験も
願書を出しながら面接に行かない、
というようなこともありました。

いざとなると弱気になり、願いを諦め、
妥協した人生の中で、子育てや仕事と
いうのは私にとって、そこを見ないで
済む大きな事業だったのです。

そして、そこから少し手が離れたときに、
この同僚が現れました。

彼女は、民間企業の厳しい現場や
海外で働いた経験もあるなど、
自分とは経験値や仕事観のまったく異なる
ところで活躍し、更には、自分の時間を
うまく使って楽しむこともしている、、、

その姿を見ると、良い刺激を通り越して、
私が自分の人生のオーナーシップを
持っていない、そんな感覚に陥るのです。

海外旅行を久しぶりに実現しても、
彼女の足跡を辿っているようで、
惨めで楽しみきれず、

でも数日間の休みができると、
もう2度とチャンスはないかもしれない、
親が倒れないうちに、自分が元気なうちに
海外旅行を、というような、
呪いのような思いが湧いてきます。

また、何もせずにこの休みを過ごしたとき、
後から彼女がまたうまく海外旅行など
大きな楽しみ方をしたことを知ったなら、
私は嫉妬で耐えられない、

そんな思いから、海外旅行のサイトを
見たりしていますが、もう30年も
ひとりで旅をすることなどしていないので、
思いきることも難しいのです。

そうこうしているうちに、その休みに
他から誘いが入り、それに応えると、
自分の信念を曲げた生き方を
またやってしまうようで、
決断できないでいます。

いったい私はどうしたいのか、
それはどうしたらわかるのか?

お金も時間も余裕ができたからこその
贅沢な悩みとわかっていますが、
ひとつひとつの決断が自分の妥協人生を
表現しているようで苦しいのです。

アドバイスをお願いします。

【A】「休日を後悔なく過ごさなきゃ」
と力みすぎて、楽しいはずの計画が
“やるべきタスク”になってしまう——。

ユキさんの悩みは、怠けでも贅沢でもなく、
人生の後半をどう生きたいかに
誠実に向き合っているからこそ出てくる、
大切な問いです。

まずは、ここまで仕事や子育てを
やり切ってきたご自身を、
しっかり労ってあげてください。

お話の中で浮かび上がってくるのは、
同僚の海外旅行などの行動そのものよりも

「こうあるべき」
「こう楽しめていない私はダメなのでは」
という思いに、知らず知らず
縛られてしまっている苦しさです。

人生の前半に思い描いていた理想や
周囲から刷り込まれた価値観が、
今の自分に本当に合っているのか──

そこを見直す時期に
来ているのかもしれません。

本当に満たされる休日は、
派手でなくてもいい。

家でのんびり過ごすこと、
近場で小さな楽しみを味わうこと、
想像の世界で旅をすること、、、

だったりするかもしれません。

人によって「豊かさの形」は違います。

ユキさんがこれまで
「選んでこなかった」ことには、
ちゃんと理由があります。

心の底が同意しないものを、
人は無理に選べないのです。

だから「それでよかった」と
認めてあげることが、
次の一歩につながっていきます。

ぜひ続きはビデオをご覧くださいね……

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ミキさん(40代・女性・会社員)のご相談にお答えします。

【Q】私はもともと気にしいで、
人の顔色がとても気になる性格です。

学生時代は、仲の良い友達はいて
それなりに楽しくやっていましたが、

私の中ではいつも緊張感がありましたし、
他人と気軽な関係を築くのは
とても苦手でした。

新卒で会社員として働き始めてからは
ずっと、職場での人間関係に強いストレス
を感じながらやってきました。

実際に、入社間もない頃に職場で
心ない扱いを受けた経験もあり、それ以来、

「自分はうまく立ち回れていないのでは」
「何かまずいことを言ったのでは」と
考えてしまう癖が抜けません。

職場で誰かが愚痴や悪口を言っていると、
「私のことでは?」と気になってしまいます。

誰かと話した日や、会議などで発言した後も、
「あの返しは失礼だったのでは」
「あの表情は、私に不満があったのでは」と

帰宅してから何度も
頭の中で再生してしまいます。

また、嫌な出来事があると、
何年も前のことまで思い出しては
勝手に落ち込み、
時には涙が出そうになることもあります。

評価されたり褒められたりしても、
「どうせ社交辞令だろう」
「本音では違うことを思っているのでは」
と素直に受け取れません。

周囲の誰かが評価されると、
自分はダメな人間なのだと比べてしまい、
楽しさよりも不安のほうが先に立ちます。

数年前に「HSP」という言葉を知り、
自分は当てはまるのかもしれないと
思いました。

実際に否定されたわけでもないのに傷つき、
悲観的に受け取ってしまう、
そんな自分に疲れてしまっています。

今48歳ですが、いい歳をして人と気軽に、
楽しく話せないことがとてもつらいです。

「気にしなければいい」と言われますが、
その方法が分かりません。

無理に前向きな言葉を口にしたり、
考えないようにしたりするのも
苦しくなってしまいます。

この考え方の癖と、
どう向き合えばいいのでしょうか。

少しずつでも楽に人と関われるようになる
ための、心の整え方やトレーニングが
あれば教えていただきたいです。

【A】人の顔色が気になって、会話の後も
「あれ失礼だった?」「嫌われた?」と
頭の中で反省会が止まらない…。

ミキさんのしんどさは、
性格が弱いからではなく、むしろ人と
真剣に向き合ってきた証でもあります。

ただ、その力が“過剰警戒モード”になると
心が摩耗してしまいます。

そこで私からは、
「気にしない努力」「前向きに変える努力」
をいったんやめてみることを提案します。

代わりに、ぐるぐるが始まったら、
「あ、また解釈が出てきたな」
とラベリングして、やさしく見守る。

否定しない。責めない。
これだけでも警戒が少しほどけます。

そして、会話は
“話上手”だけが正解ではありません。

聴いて受け止める力は
立派なコミュニケーションで、
ミキさんの強みにもなり得ます。

相手の感情の責任まで背負わず、
「私ができるのは私の心を整えること」
と線引きを。

反すうが始まったら10分だけ考える、
と時間で区切るのも有効です。

ぜひ続きはビデオをご覧くださいね……

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【Q】入信している新興宗教について
の悩みです。

私はいわゆる「宗教2世」です。

幼い頃は親の刷り込みにより、
熱心に活動することが正しいと
思い込んでいましたが、

やらなければならないことや
逆に様々な制限などがあり、
宗教に対しても熱心な親に対しても
疑問を感じることが多くなってきました。

高校生になってからは、
反抗心からほとんどの活動をせず、
そのまま大人になりました。

結婚して実家を出てからは、
親からも宗教団体からも
活動の勧誘や訪問もなくなりました。

解放された喜びを感じてはいますが、
決して脱会したわけではありません。

「うまく逃げているだけ」という
思いがあり、いまだに縛られている
気持ちになります。

子どもも成長し、50代が見えてきた今、
どこかに自分の一部をとらわれている
ような感覚から完全に抜け出し、
本当の自分になりたいのです。

でも、実際に脱会について
調べていくと同時に、

「高齢の両親はどんな反応をするだろうか」
「私が原因で心を病まないだろうか」
「親が会員から責められるのではないか」

など、親に対する不安が生まれ、
躊躇しています。

また、私には兄がいて、彼は
ほどほどに宗教活動しているのですが、

最近、彼から
「辞めるなら親の死後にしてくれ」
と冗談っぽく言われたこともあり、
決意が揺らいでいます。

ちなみに、
夫と中2の長女には相談しており、
2人とも私の決意を応援してくれています。

時々、不安な日には
「『自分には味方がいる』という安心感
さえあれば、わざわざ脱会して
波風立てることもないか…」
と逃げ腰になったり、

「いや、それでも自分の人生は自分で
決めたい!」と奮起したりと、
気持ちが行ったり来たりしています。

こんな状況ですが、何かアドバイス
をいただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。

【とうこ・40代・女性・パート・大阪府】

【A】とうこさん、ご自身の
心の揺れを丁寧に言葉にしてくださり
ありがとうございます。

「自分の人生を生きたい」という
強い思いと、「親を傷つけたくない」
という優しさ。

その両方を大切にしているからこそ
の苦しみですね。

宗教2世の方は、幼い頃から
「自分の気持ちよりも組織や親を
優先すること」を学ばされてきた方
が多いと思います。

だからこそ、「自分で決めたい」と
思えている今のとうこさんは
すでに大きな変化を起こされており、
ご自身の人生の大きな一歩を
歩き始めています。

まず、「脱会するかどうか」は
とうこさんにとって、ゴールではなく、
あくまでもプロセスであることを
忘れないでください。

「完全に抜け出したい」というお気持ち、
すぐに整理したいお気持ちは
よく分かりますし、当然の感情と思います。

ただ、脱会という行動は
あくまでひとつの形態であって、
本当のゴールは、とうこさんが
ご自身の人生を自分の価値観で
生きることです。

つまり、宗教から形式的に抜けても、
心の中に恐れが残ることがあっては
目的は達成できないことになります。

逆に、形式上籍が残っていても
心はすでに自由であれば、
必要なプロセスを踏めていることに
なります。

ですから、「今すぐ決断して
白黒ハッキリさせなければならない」
と焦らなくても大丈夫です。

心の自由が少しずつ広がっていく
過程こそが大事です。

また、親を想う気持ちは「優しさ」
であって「義務」ではありません。

とうこさんは、きっと、
親が責められるのではないかとか、
親の心身に影響が出るのではないかと
心配されていることと思います。

これは思いやりや優しさによるものです。

ここでひとつ忘れないで欲しい
大事な視点があります。

それは、
親の信仰は、親自身の選択である。
ということです。

とうこさんの選択が、親の人生や感情
をすべて左右するわけではありません。

親が何を信じ、どう感じ、
どう受け止めるかは、親の課題であり、
とうこさんには
どうすることもできません。

「自分が親を苦しめてしまうかも
しれない」という思いは、
幼少期から刷り込まれた責任感の
錯覚であることが多いのです。

また、お兄さんの言葉も、あくまで
お兄さんの立場からの願いであり、

「辞めるなら親の死後にしてくれ」
という言葉は、お兄さん自身が
親と宗教の板挟みにあるから
出てくる言葉で、お兄さん自身の
苦しみも感じられるものです。

でもそれは、とうこさんの
人生の優先順位を決める権利とは
別のものです。

とうこさんが、自分の人生を
どの時点で切り替えるかは、
とうこさんだけの選択です。

宗教2世の方が一番怖いのは、
「家族も組織も失うのでは」という
孤独感が生まれてくることです。

でも、とうこさんには応援して
くれる夫と娘さんがいます。

つまり、とうこさんは
もう孤立していません。

家族が味方であるということは、
とても大きな支えです。

とうこさんにはすでに新しい
安心できる居場所があり、
未来のためにも守るべきは
こちらでしょう。

もちろん、すぐ脱会しなくても
「自由に生きる練習」はできます。

脱会は大きな決断ですが、
その前にスモールステップで
できることがたくさんあります。

たとえば、

・宗教行事や役割を、
 無理のない範囲で減らしていく

・宗教以外の人間関係や学びを増やす

・「自分の価値観で選ぶ体験」を重ねる

・日記やメモで、
 自分の本当の気持ちを言葉にする

これらはすべて、心の脱会であり、
精神的な独立のプロセスです。

形式的な脱会のタイミングは、
これらのステップを踏んで、
覚悟が整ったときでも遅くありません。

これは決して逃げではなく、
家族と自分を守るための戦略です。

今はまだ、親への罪悪感や
長年の刷り込みによる組織への恐れ
などが残っている状態だと思いますが、

自然なことですから、迷っている
ご自身を否定することなく、
必要な時間をかけてあげてください。

そして、「いつ辞めるか」ではなく
「どう自分の人生を取り戻していくか」
に意識を向けてみてください。

次の問いは助けになるかもしれません。

・私は、何のために脱会したいのだろう?

・私は、どんな人生を生きたいのだろう?

・宗教がなくなったら、
 どんな自分でいたいだろう?

・私は、何を信じて生きたいのだろう?

これらの答えが明確になるほど、
選択は自然に見えてきます。

とうこさんは、すでに
「自分の人生を自分で生きる扉の前」
に立っていらっしゃいます。

今は、無理に決断する時期ではなく
「自分を取り戻す準備期間」
ととらえ、焦らずに、

でもご自身の人生の主導権を
取り戻す歩みを、
少しずつ進めていってください。

そして何より、
「自分の人生を自分で決めたい」
と思っているとうこさんの気持ちは
尊いものです。

とうこさんの歩みを、
心から応援しています。

ー川畑のぶこ

       
        
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【Q】59歳、会社員の女性です。
結婚27年目で、夫も同い年です。

子どもは2人おり、3年前と1年前に
それぞれ独立して家を出たため、
今は夫婦2人だけの生活になりました。

ここ数年、夫が時々、
急に不機嫌になることがあり、
それが地味にストレスです。

普段は他愛ない話をして笑い合うことも
あるのに、ある瞬間からスイッチが
切り替わったように黙り込み、
冷たい態度になります。

その流れで、私の日頃の言動や交友関係、
仕事への向き合い方などを、
細かく指摘してくることもあります。

言われてみると、確かに思い当たる節もあり、
言い返せないことも多いのですが、
続けて言われると心がすり減ってしまいます。

夫は基本的にはおおらかな性格ですが、
細かいところはとても細かいタイプ。

私は全般的に大ざっぱなので、
正直、疲れてしまうことが多く、
めんどくさいです。

そんな中、昨年末に夫がポロッと
「来年はお互い還暦だし、そろそろ卒婚かな」
と言いました。

突然のことで戸惑ってしまい
どう反応してかいいかわからず、
今ではもうはっきり覚えていないのですが
何か曖昧な返事をしたと思います。

それ以来、その話題が再び出ることは
ありませんが、夫は何を思ってそんなことを
言ったのか、考えると怖いような、
不安な気持ちになりますが、

私に対する彼の思いも想像できないこと
もなく、複雑な心境です。

でも、蒸し返したり問い正したりする勇気
は、今の私にはありません。

近年の夫の言動や、若い頃とは少し
違ってきたようにも見える人格など、
私は私で気がかりなことや、
違和感を感じることもあって、

これっていわゆる熟年夫婦がぶち当たる
壁なのかな、という気もしています。

そもそも「卒婚」って、
最近たまに聞くけれど
どういうことかもよくわかりません。

家庭内別居?のようなものなのでしょうか。

この年代、同じような状況のご夫婦も
いらっしゃるような気もして、
川畑さんなら具体的なケースをご存知かも、
とも思い、メールさせていただきました。

夫の本音、心理がわからないので、
今はどうしていいのかもわかりませんが、

私の行動に関してでも、気の持ち方でも、
夫への働きかけ方でも、今の私に何かヒント
やアドバイスをいただけないでしょうか?

よろしくお願いします。

【うさ耳・50代・女性・会社員・神奈川県】

【A】還暦という節目を控えた59歳という
年齢のうさ耳さんとご主人なのですね。

この時期は、多くの人にとって人生を
振り返る静かな転換期となることと思います。

会社員であれば、仕事もいよいよ現役を
退くことを意識し始め、仕事人としての
自分のアイデンティティが揺らぐことも
あるかもしれませんし、未来に不安を
抱きやすい時期でもあるかと思います。

また、子育てを終えた夫婦であれば、
二人だけでの生活に移行するこの時期は、
家庭や夫婦関係における役割を見直す機会
にもなるでしょう。

ご主人の不機嫌さや批判的な言動は、
うさ耳さん個人を否定したいというよりも
ご主人自身の内側の揺らぎが
表に出ている可能性が高いように感じます。

とくに、この年代の男性には、
仕事上の役割の変化や、父親という役割が
薄れること以外にも、老いや体力低下への
不安や人生後半をどう生きるか(=生きがい)
という漠然とした焦りも生じやすい時期です。

こうした、言葉にならない不安が
苛立ちや批判というかたちで
外に出ることが少なくありません。

特に、普段はおおらかだが、
細かいところはとても細かいという
ご主人のような性格の方は、

自分が不安定になるほど
他者をコントロールしてバランスをとろう
とする傾向が出やすいです。

これまで職場で仕事に向けたエネルギーの
はけ口が、無意識に家庭内や夫婦関係に
向けられ、問題解決=仕事(=存在価値)
として現れてくることが考えられます。

細かな指摘は、実は
「自分の足場を確かめたい」行為であり、
「もっと認めてほしい」
「自分の基準を理解してほしい」
「自分に関心を持ってほしい」という欲求の
裏返しの寂しさである可能性もあります。

とはいえ、そのようなご主人のニーズに
ひとつひとつまともに向き合っていたら、
うさ耳さんの心がすり減ってしまうのは
当然ですので、

「わかる部分もあるけれど、続くと辛い」
という感覚は、とても健全な感覚です。

ご主人が発した「卒婚」という言葉について、
「卒婚」自体は、法律上の制度ではありません。

一般的には、籍は入れたまま、
互いの生き方を尊重し、縛り合わない
自由な関係といえるでしょう。

同居はするが、互いに干渉しすぎない関係で
生活は別にして必要なときだけ協力する関係
であったり、

夫婦関係を解消せず、精神的に自立するかたち、
実質的な別居だが離婚はしないケースなどと
言えるかと思います。

家庭内別居のような冷え切った関係を指す
こともあれば、逆に「良い距離感を保つこと
で仲良くし続けよう」というポジティブな
意味で使う人もいますので、かならずしも
卒婚=家庭内別居ではありません。

ご主人が口にした卒婚は、別れたいことの
明確な意思表明というよりは、
「この先も今まで通りでいいのだろうか」
という投げかけだった可能性が高いように
感じます。

それを冗談めかして、あるいは探るように
口にしたというニュアンスも読み取れます。

うさ耳さんがそのことを蒸し返したり
問い正したりする勇気がないことは
決して「弱さ」ではなく、
今は自分を守る智慧かと思います。

人は心の準備ができていないときに
重い話題に向き合うと
かえって傷を広げてしまいますので、
今の段階で無理に話し合わなくても
構いません。

むしろ、まず大切なのは、
うさ耳さん自身がいま何に一番疲れている
のか、何を守りたいのか、
これからの人生で、何を大切にしたいのか
を、ご自身の中で整理することです。

ですので、いまはご主人の不機嫌を
全部正面から受け止めないことです。

ここで大切なのは、夫の不機嫌を
「私のせい」だと思いすぎないことです。

ご主人が細かく指摘してきたときは、
心の中で「これは夫の不安の表現であって
私の価値そのものの評価ではない」
と確認してみてください。

同時に、必要な指摘だけは拾い、
残りはそっと横に置いておきます。

ご主人が不機嫌になる
のは、ご主人の課題です。

うさ耳さんが「私が至らないからだ」と
反省しすぎると、相手の不機嫌を
強化させてしまいます。

指摘された内容に思い当たる節があっても
「それはそれ、これはこれ」と切り離し、
「今はそういう気分なのね」と
一歩引いて眺めてみてください。

同時に、「沈黙」を恐れないことです。

黙り込んだ彼を無理に笑わせようとしたり
機嫌を伺ったりする必要はありません。

うさ耳さんは、うさ耳さんの
心地よいペースで過ごしてよいのです。

ですので、自分の生活・世界を小さくても
持ち続けることを心がけてください。

自分の交友関係や仕事について
指摘されると萎縮しがちですが、
外の世界を保つことは健全なことです。

「私は私の人生をきちんと生きている」
という実感があるほど、
相手の言動に振り回されにくくなります。

すべてを譲って相手に合わせてしまうと
自分の軸がブレて人生のコントロール感が
失われていってしまいます。

もし、ご主人と気がかりなことについて
話すなら、卒婚についてではなく、
今の気持ちから話してみると良いと思います。

「卒婚ってどういうこと?」と問い詰める
よりも、「最近、あなたが時々つらそうに
見えるのが気になっている」といったように、
感情レベルの入り口の方が
対話になりやすいでしょう。

このような状態は、うさ耳さんご指摘の
とおり、まさに「熟年夫婦の壁」で
多くのご夫婦が通る地点です。

ただし、これは決して「終わりのサイン」
ではなく、関係性を再編するタイミング
とも言えます。

一体化しすぎた夫婦から、
「二人の個」として並び直す時期です。

その過程では、
違和感や摩擦が出て当然です。

うさ耳さんは、状況を冷静に見つめ、
ご主人の気持ちも自分の気持ちも
どちらも大切にしようとしておられます。

まさに、このこと自体が
関係を壊さない力です。

今は「答えを出す時期」ではなく、
自分の心をすり減らさずに観察する時期
でもいいのだということを思い出して、
ご自身を大切にされてください。

ー川畑のぶこ

       
        
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レモンレモンさん(60代・女性・個人事業主・京都府)
のご相談にお答えします。

【Q】20年ほど前になりますが、
勤めていた事務所と同じビルの
隣のショップのスタッフから
万引きの嫌疑をかけられ、

そのショップに出入りする関係者らの
ほとんどから総スカンをくらっています。

(その状況を確信する事は多くありますが
 ここで述べると字数オーバーになります。
 とりあえず「李下に冠を正さず」的な
 行動はしてしまいました)

私自身はその事務所をすでに辞めていますが、
私に関係する同じ分野の人達なので、多分、
噂はけっこう広がっていると思われます。

これまでの人生で人さまの物など
一円たりとも取ったことはないです。

その時から現在まで、地獄の苦しみでした。

これまで何度もカウンセリングを受けたり、
不調がひどい時は心療内科にもかかりました
が、ほぼ「やましい事がなければ堂々と
してれば良い」とのアドバイスでした。 

こちらとしてはそういう問題じゃないのです。
いつも考えているわけではありませんが、
一旦考え始めると酷く落ち込みます。 

嫌疑をかけ拡散したと思われる人の
退職後の居所が不明でしたが、
数年前に突き止めました。

話を聞きたくて連絡したいと思いましたが、
カウンセラーには止められました。

いったい私は、この先どうやって
生きていけば良いのでしょう。

疑われたということは、私の性格にも
問題があったのかもしれませんが、、、。

家族は知りません。
ごく親しい人にも言えなかったです。

一分のやましさもないのに
この悩みを抱えて生きていくのは
耐えられない気持ちでいっぱいです。

【A】20年前、身に覚えのない
万引きを疑われた――
それが訂正されないまま、
説明の機会も弁明の機会も奪われ、
沈黙の中に放り込まれた。

これは「気にしすぎ」でも
「堂々としていればいい」でもなく、
名誉と尊厳を傷つけられた深い痛みで、
トラウマとして残って当然です。

心が苦しさをぶり返すのは、
「まだ終わっていない」
「あの場所に取り残されたまま」
というサイン。

性格の問題でも、レモンレモンさんの
価値を決める審判でもありません。

だからこそ、回復の主導権を
“疑った相手”に渡さないで
いただきたいと思います。

相手に連絡して誠実に応じてもらえる
保証はなく、否定や沈黙で
傷が再燃することもあるからです。

大事なのは
「真実を語れる場」を持つこと。

本人でなくてもいい。
安全で、きちんと耳を傾けてくれる人や
支援者に、無実だったこと・辛かったこと
を何度でも語っていいのです。

語られ、受け止められることで、
心の中の“未完了”が
少しずつ収まっていきます。

そして、誤解を解くために力を注ぐ先は、
レモンレモンさんを大切に思う人たちと、
何よりご自身へ。

あの時の自分に手紙を書き、
「あなたはそんなことをしない。
辛かったね」と、親友のように
声をかけてあげてください。

ぜひ続きはビデオをご覧くださいね……

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