執筆者

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【Q】40代独身です。10年前に離婚し、
その後ひとり暮らしを続けていますが、

数年前から部屋が洋服や雑貨であふれ返り、
今では足の踏み場もない状態に
なってしまいました。

最近はホコリも増え、
ついに喘息を発症してしまいました。

「このままではいけない、
 捨てよう、片づけよう」と決意したのに、
いざ向き合うと手が止まり、
結局また山積みの服の中で寝ています。

もともと私は片づけが得意ではなく、
むしろストレスがかかると
買い物に走ってしまうタイプです。

30代でうつを患ったときに買い物依存になり、
その頃から服が雪だるま式に増えました。

離婚後、収入も不安定になり
今は無職なので、本当はまず
生活を立て直さなければならない。

それも分かっているのに、部屋に戻ると
現実から目をそらしてしまいます。

「捨てたい」「変わりたい」と思う
気持ちは本当にあるのに、
どうしても途中で諦めてしまう。

緊急事態だと頭ではわかっているのに、
体がついていきません。

私は何から、どこから
手をつければいいのでしょうか。

また、すぐ挫折してしまう自分と
どう向き合えばいいのでしょうか。

この部屋だけでなく、自分自身の人生
も少しずつ立て直していきたい、、、
そんな思いがあります。

どうかアドバイスをいただけたら嬉しいです。

【ミントティー・40代・女性・無職・静岡県】

【A】ミントティーさん
ご相談くださりありがとうございます。

文章の端々から、今のお部屋の状態が
単なるモノの散らかりではなく、

ミントティーさんの「心の疲れ」や
「傷つき」、そして長い年月の蓄積が
形になったものなのだということが
伝わってきました。

同時に、「なんとかしたい」
「このままでは終わりたくない」という
静かな希望も、しっかり感じています。

大丈夫です。なんとかなりますし、
ミントティーさんは、
このままでは終わりません。

どうか今は、
「できていない自分を責める時間」ではなく
「これから自分と一緒に優しく再スタート
を切るための時間」だと思ってみてください。

ミントティーさんは、
部屋が片づかないのは自分の「意志の弱さ」
だと感じておられるかもしれません。

でも、ここまでの経過をうかがうと、
決してそうではありません。

30代でうつを経験され、その後、
離婚前の夫婦関係の困難、離婚後の孤独、
収入の不安定さなど、さまざまなストレス
が重なってきたのだと思います。

そうした体験が、心の中の「安全地帯」
を小さくしてしまい、その不安や孤独を
埋めるための「買い物」や「モノの山」
という形になっている可能性があります。

決して、ミントティーさんが怠けている
わけでも、ダメなわけでもありません。

過去のつらさと不安が、「服の山」として
目に見える形になっている状態だと
考えてみてください。

まずは、「よくここまで生き抜いてきたね」
と、ご自身に優しい言葉をかけてあげて
ほしいのです。

人は、不安や孤独を抱えると、
モノを手に入れることで、心にあいた穴を
埋めようとしてしまうことがあります。

買い物をしてモノを得る瞬間は、
「自分の力で何かをコントロールできている」
「パワーを取り戻している」という感覚が
得られ、一瞬、心のぽっかりが埋まった
ように感じられます。

ただ、その感覚は長く続かないので、
「まだ満たされない」と感じ、
再び買い物をしてしまう——
その循環が起きやすくなります。

これは、日常の不安や混乱から目をそらす
ための心の自然な防衛反応であり、

「つらい時期をなんとか生き抜くための
ミントティーさんのサバイバル」でも
ありました。

そして今、ミントティーさんは、
そのサバイバルのやり方から
「再生」の段階へ移ろうとしておられます。

だからこそ「もうこのやり方ではつらい」
「変わりたい」と感じ、このように
相談をしてくださったのだと思います。

これは、心が回復のフェーズに入りつつ
ある証拠です。その芽生えを、
どうか大切にしてあげてくださいね。

「何から始めればいいのか」という点ですが、
一度に「部屋全体をなんとかしよう」
とすると、

脳はそれを「脅威」とみなして
シャットダウンし、
動けなくなってしまいがちです。

そこでおすすめしたいのは
「スモールステップ」での片づけです。

「部屋全体」ではなく
「一箇所」に絞ること。

たとえば、今日はベッド(や布団)の上だけ、
テーブルの上だけ、廊下の一角だけ…など。

そして、10〜20分以内で終わる
「小さなエリア」に限定すること。

「全部片づける」ではなく、
「ここだけならやってもいいかも」と
脳が思えるレベルにします。

また、判断にエネルギーを使う
「要る・要らない」の選別よりも、

まずは明らかにゴミ、見てすぐに
「汚れていてもう使わない」とわかるもの
といった「迷わずに捨てられるもの」から
始めると負担が少なくて済みます。

1日10分の片づけでも、3日続けば、
それはもう「新しい習慣の芽」です。

「たった10分しかできなかった」
と責めるのではなく、

「今日も10分、前に進んだ」
「今の自分にできる範囲で、よくやっている」
と、自分を認めてあげてください。

片づけの目的を、
「部屋を完璧にすること」よりも
「片づけとの関係性を優しいものに
 育てること」としてみると、
心がぐっとラクになります。

途中で挫折しそうになったとき、
「またダメだった」と
自分を責めてしまうかもしれません。

でもそれは、「休憩が必要だよ」という
心からのサインでもあります。

これまでの人生で、ミントティーさんは
たくさん踏ん張ってこられたと思います。

力を出し尽くした心が、
「今は少し休ませて」と
言っているだけかもしれません。

挫折したからといって、
努力がゼロに戻るわけではありません。

昨日まで10分ずつ積み重ねていた分は
ちゃんとミントティーさんの中に
残っています。

挫折は「もう一度自分のペースを整え
直すための時間」と捉えてみてください。

これは決して「甘やかし」ではなく、
自己効力感を育てるための
立派な心理的セルフケアです。

寂しさや孤独感を埋めるために、
私たちは買い物だけでなく、食べすぎ、
SNS、過度な仕事など、さまざまなもので
心をまぎらわせようとします。

ミントティーさんの場合は、それが特に
「服」という形を取っていたのだと思います。

それも、心がなんとかバランスを取ろうと
した「生きるための工夫」でした。

ただ、本当の意味で心の穴を満たしてくれる
のは、モノではなく「人とのつながり」です。

ここでいう「つながり」は、
必ずしも異性や恋愛ではなく、

話を聞いてくれる友人や自分を気にかけて
くれる家族、専門家(カウンセラーや支援者)
や同じような悩みを持つ仲間といった、
ささやかでも温かい人間関係です。

そうしたつながりが少しずつ増えることで、
心の穴が本来の温度で満たされ始め、
モノで埋めようとする衝動が
やわらいでいくことがあります。

その意味でも、ミントティーさんには、
片づけを孤独な作業にしないことを
おすすめします。

今のミントティーさんに必要なのは
「もっと頑張ること」ではなく
「支えを借りること」です。

・信頼できる友人・親族に声をかける
・行政の生活支援や相談窓口を利用する
・片づけの専門家(断捨離トレーナーなど)に
伴走してもらう
・心のケアのために
 カウンセリングを活用する

誰かと一緒に取り組むだけで
決断の負担が軽くなり、
「自分ひとりで抱え込まなくていいんだ」
と感じられるようになります。

その経験が自己肯定感や自己効力感を育て、
社会復帰や生活の立て直しへの
大事な一歩にもつながっていきます。

ミントティーさんの今の大きなテーマは、
「ひとりで頑張る」から
「支えを受け取りながら進む」へ
シフトすることかもしれません。

ミントティーさん、今回こうして
言葉にして相談してくださったこと自体が
すでに大きな一歩です。

片づけは「心の回復」と
「人生の再スタート」の土台づくり
でもあります。

どうか、結果を急がずに、
1日10分の小さな片づけ、
誰かの力を素直に借りてみること、

「今日もよくやっているね」と
自分にかける優しいひと言から
始めてみてください。

その小さな一歩が
ミントティーさんの心と生活に少しずつ
あたたかい風を吹き込んでくれるでしょう。

応援しています!

ー川畑のぶこ

       
        
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つきさん(50代・女性・パートタイマー・東京都)
のご相談にお答えします。

【Q】こんにちは。
職場の人間関係の相談です。

上司からのパワハラと
それに加担する同僚の態度で、
適応障害を発症してしまいました。

医師からは、典型的な適応障害だから
職場を辞めれば治るとのことで、
現在は休職しています。

私へのパワハラは、最初が1年前でした。

他のパートさんが終業時間の3-4分前に
挨拶して帰ったことに、上司が後から気づき、

私に挨拶して私が終業時間前に帰らせた、
パートの私に何の権限があるのか?
というものでした。

上司は特に暴言を吐くわけではないのですが、
こちらの意見は聞き入れず、
何か言うと数倍になって返ってきて、
数分間、叱責が続きます。

直近では、私以外のパートさんが遅刻
したのは、その方に事前説明しなかった
私のせいだと注意され、

いつもその上司に加担する同僚からも
同じ態度を取られ、それが今回の
適応障害発症のきっかけとなりました。

私の前にも、1年半以内に3人
パワハラで退職しているのと、現在も
何人か別の職員さんが辛い思いをしていて、

恐らく適応障害なのか?と思われる、
私よりも症状が強く出ている人もいます。

パワハラをする上司は、恐らく
自己愛性パーソナリティ障害なのでは
ないかと思います。

モラハラとか、自己愛とかを調べたら、
症状がかなり一致しています。

弁は立つので、上司の上司が注意しても
逆にやられてしまうので、
改善要望を出していたのに、
配置転換もありませんでした。

調べたところ、
自己愛性パーソナリティ障害の人からは
逃げるのが一番と書いてありましたが、

今のままだと、私が具合悪くなって、
みんなに迷惑かけて逃げてしまった、
となってしまうのが悔しいです。

でも、パワハラ相談窓口に訴えたら
孫の代まで逆恨みされそうで、
今は特に、時々、精神的に辛いので、
訴えるまでの勇気が出ない時もあります。

また、訴えたところで、
上司は自分は優しくて優秀で
皆から信頼されてとても良い人、という
異常なまでの自己評価の高さなので、
恐らく反省はできないと思います。

自分がどうしたいのかわからなくなって
しまい、相談させていただきました。

わからない、のではないですね。

パワハラ上司の顔色をみて、
誰も何も言えない職場ではなく、
安心して意見を言い合える職場、
お互いを尊重し、助け合い支え合える
環境で働きたいです。

【A】つきさんの置かれた状況は、
個人の弱さではなく環境そのものが
病んでいるために起きています。

適応障害になったのも、当然の反応。
まずは「自分を責めなくていい」という
ことをしっかり心に置いてください。

今回のケースは、上司個人だけでなく、
“組織ぐるみの問題”で、
つきさん1人が立ち向かって
どうにかできる範囲を超えています。

そして、もし自己愛性パーソナリティ
障害の傾向が強い上司であれば、
正面から改善を求めるのは逆効果。

注意しても逆恨みされる、
論理が通じない──
これは典型的な特徴でもあります。

だからこそ今は、
戦う時期ではなく「自分を守る」時期。

医師が勧める通り、ストレス源から
離れることが回復の最短ルートです。

「逃げるのは負け」ではありません。
むしろ、勇気ある戦略的撤退です。

回復してから、
より安心して働ける職場を選び取る力
を取り戻していけば大丈夫。

・逃げることが“正しい選択”になる理由

・自己愛性パーソナリティ傾向の人への
 基本的な向き合い方

・パワハラ相談や通報を
 「今やるべきではない」明確な根拠

・回復後の職場選びの視点

など、続きはビデオでお話しします……

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【Q】はじめまして。
「片づけない夫」のことで
相談させてください。

夫が5年間の単身赴任を終えて
戻ってきました。

もともと買い物が好きな人で、
赴任前の同居時代も夫の持ち物が
リビングや寝室にあふれていました。

赴任時にだいぶ整理したものの、
この5年の間に向こうでまた洋服や雑貨、
健康器具などをたくさん買い込み、
何も捨てずに全部持ち帰ってきました。

最初の1〜2か月は仕方ないと思い、
口を出さずに見守っていましたが、
半年以上たった今もダンボールが
廊下や寝室に積まれたままです。

寒くなってきたので衣替えのついでに
片づけるかと思いきや、
箱から1枚ずつ引っ張り出して着ています。

「荷物どうする? 
手伝えることがあれば一緒にやるよ」
と声をかけても、

「自分でやるから、開けないで」
と言うだけで、少しも進みません。

そんな状況なのに、休日はソファでテレビ。

夫専用の部屋があるわけではないので、
リビングや寝室、納戸にまで荷物が
分散していて、家の中が落ち着きません。

私としては、夫の赴任中に
コツコツ片づけて整えてきた空間が
また乱れていくのを見るのがつらく、
ついイライラしてしまいます。

とはいえ、あまり強く言えば
喧嘩になるのもわかっています。

夫は何を思ってモノを手放せないのか、
片づけない(片づけられない?)のか、
私はどんな声がけをして、
どう関わるのがよいのでしょうか。

アドバイスをいただけたら助かります。

【まーこ・50代・女性・専業主婦・埼玉県】

【A】まーこさん、
ご相談ありがとうございます。

ご相談を読んで、まず強く感じたのは、
まーこさんが、この5年間、
お一人で家を整え、生活空間を丁寧に
守ってこられたのだなぁということ。

そこに夫さんの大量の荷物が
一気に戻ってきて、
生活リズムも空間感覚も
乱されてしまったのですね。

自分のペースで整えてきた場所が
荒れていくのを見る切なさは
とても自然な反応ですし、
イライラするのは悪いことではなく、
それほど家を大事にしてきた証拠かと
思います。

一方で、ご主人の側にも
片づけられない理由がありそうです。

まーこさんの夫が
それらのモノを手放せない背景には、
いくつかの心理が働いているように見えます。

単身赴任の5年間で自分を支えるモノが
当然増えたことと思いますが、
これらのモノは、多くの男性にとって
「がんばった証」や「心の支え」として
心理的な機能を果たしている可能性が
あります。

服・雑貨・健康器具…
これらのモノも、もしかしたら
孤独や不安を解消するための
セルフケアの代用品である可能性もあります。

帰宅後にそれらを一気に手放すのは
まるで5年間の自分の歴史(=生きた証)
を否定するようでつらいという
心理が働くことも多いのです。

箱を開けると、赴任中の思い出、
孤独だったあのとき、
やりたかったけどできなかったこと、
老いへの不安…等々があふれ出し、

それに向き合うのが億劫になって、
箱を開けること自体に無意識な抵抗が
はたらいている場合もあります。

また、片づけ=管理能力というイメージから、
はたして自分が有能か無能か
能力を試されているように感じて、
負担となっているかもしれません。

それがきちんとできないことに
「ダメ出し」されるような気がして、
避けているかもしれません。

「自分でやるから開けないで」というのは
過剰な防衛からかもしれませんね。

では、どのように
はたらきかけたらよいのでしょうか?

まーこさんにはまず、
夫の持っている「モノ」や「空間」ではなく、
彼の抱いている「気持ち」に寄り添う姿勢
を育んでいただきたいと思います。

たとえば、
「早く片づけてよ」「どうするの?」
と言う代わりに、

「あなたのペースでいいのだけれど、
 私はこの家が心落ち着く場所だと嬉しいと
 思っているの。だから一緒に気持ちよく
 暮らせる方法を一緒に考えられたら
 助かるな」

などと伝えてみるのは効果的かもしれません。

「片づけろ」
という指示的なメッセージではなく、
「私はこう感じている」という“I”メッセージ
に変えると、相手の防衛が下がります。

・責めない
・人格を否定しない
・感情の爆発で伝えない

というポイントを大事にしてください。

また、片づけのプロセスも、
一気に全部片づけることを目指すのではなく、
小さく限定された具体的な対象から始める
のは効果的です。

人はあいまいなタスクには手がつきません。

たとえば、

「この段ボール1箱だけ見直す日を
 決めようか?」

「休日の午前中だけ
 15分一緒にやってみようか?」

「残す/捨てるじゃなく、
 分類だけしてみようか?」

片づけではなく、分類とすることで、
ハードルが一気に下がり、
その流れから自然と
片づけに進むことがあります。

また、夫の気持ちに寄り添うのに、
捨てる前に一緒に思い出したり
振り返る時間をつくることも有効です。

ご主人の荷物には、
単身赴任の5年間の物語があります。

箱を開けて、
すぐに捨てようとすると心が拒否します。

まずは、
「これは、赴任のどんな時期のもの?」
「これ、どんな気持ちで買ったの?」と
優しくモノの背景にある物語に耳を傾け、
受け取るだけでも、
相手は手放しやすくなります。

モノは「気持ちの結晶」なので、
言語化されると役目を終えやすいのです。

スペースの使い方に関しては、
二人で話し合いながら、
本人の領域と共有スペースを
明確に分けることも大事です。

たとえば、ご主人専用の小さな棚や
スペースをまず1か所だけ確保して、
「ここはあなたの自由ゾーン」
とするのも非常に有効です。

その上で、

・共有スペースに置けるのは○個まで
・溢れたら自由ゾーンに戻す
・自由ゾーンに入らないものは相談する

などといったルールを
二人で決めてみてください。

「奪われた」という感覚がなくなると、
人は片づけに協力しやすくなります。

まーこさんが
半年以上見守ってこられたことは、
十分すぎるほどの忍耐です。

これ以上ひとり我慢を続ける必要は
ありません。

以上のことを実践しながら、
「私はこの家を大切にしたい」という
自分の価値観を丁寧に主張してください。

片づけの問題は、
単なるモノの問題ではなく、
人生の変化に適応するためのプロセスです。

ご主人は、単身赴任を終え、
「夫」としての役割に戻る移行期の
まっただ中で、荷物が片づかないのは、
心がまだ家に着地しきれていないサイン
でもあります。

だからこそ、
まーこさんの温かい寄り添いと言葉が、
とても力になります。

どうかまーこさん自身の心地よさも
同じだけ大切にしながら、
少しずつ二人の新しい暮らしを
整えていけますように。

応援しています!

ー川畑のぶこ

       
        
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レモンさん(30代・女性・看護師・岩手県)
のご相談にお答えします。

【Q】私は38歳、夫35歳、10歳長女、
5歳長男の4人家族です。

よくある話かと思いますが…
夫は家事や料理など、非協力的であり、

仕事以外全てを私に任せっぱなしで、
体力的に限界が来ていることに
悩んでおります。

洗濯、お皿洗い、掃除、食材の買い出し、
学校や保育園、習い事の準備・送迎や書き物、
連絡類も全て自分1人で背負っています。

実は問題点は持病が悪化したことで、
今までの家での家事と、仕事の両立がきついと
感じるようになったことが問題です。

私は最近、重症気管支喘息となり、
風邪などが悪化するたび仕事も病休となり、
自分で稼ぐ金額も、体力も
減ってきてしまいました。

2年前にお腹に難病も見つかり、疲れが出ると
そちらも悪化しやすい身体になってしまい、
本当なら仕事もしない方が良いのでは?
と思うような身体ですが、

働く事が生きがいなので、
身体はきついと感じますが、
自分の意思で看護師を続けております。

稼げる金額が減ったことで、
金銭的な話を夫へしようとすると、
「あなたが買いすぎてるから悪い。
無駄な買い物が多いんだ」と責められます。

ですが、
ほとんどみんなが食べている3食の食材や
子ども達が好むおやつやアイスであり、
特に浪費はしていないと感じております。

DVのような気も感じておりますが、
何か訴えるような気もしておりません。

子どもとは良く遊んでくれますが、
私1人でせかせか家で働いており、
病み上がりの疲れが酷い時はさすがに
助けて欲しいと思います。

夫が転勤族のため、実家の両親や兄妹は、
車で2時間かかる場所に住んでおり、
なかなか会えません。

夫との関係の悪さだけが問題なのですが、
私は今後どうやって生活したら良いのか、
本当にわからないため、教えて頂きたく、
メールを送らせて頂きました。

【A】レモンさん、本当によくここまで
一人で抱えてこられましたね。

ご相談文を読むだけで、
どれほど無理をしてご自分を後回しに
してきたかが胸に迫りました。

体が「もう限界だよ」と必死に伝えてきて
いる今こそ、助けを求めていい時です。

ご主人に伝えるときも、
「あなたがやらないから」ではなく、
まずは “私の体がもうもたない” という
事実から。

怒りや責めではなく、命と健康に関わること
として、静かに、丁寧に伝えてみてください。

そして、夫婦だけで
全部を背負う必要はありません。

医療・福祉・地域のサポートを頼ることも、
家族を守る大切な選択。

「助けて」と言えることは弱さではなく、
大事な力です。

具体的な伝え方や、今後の支援の広げ方については
ビデオでお話しします……

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アムさん(50代・女性・会社員・静岡県)
のご相談にお答えします。

【Q】こんにちは。
私は55歳の会社員です。

人の死に直面しても
悲しみの感情が湧かない自分に、
ずっと戸惑いを抱えてきました。

最初にそう感じたのは小学生の頃。

大好きだった叔母が病気で亡くなったとき、
姉と弟が泣きじゃくる横で、
私は「死んじゃったんだ」と
淡々と受け止めているだけでした。

でも大人も子どもも皆、
悲しそうに泣いているので、
自分だけ違うのはいけないことだと思い
悲しんでいる“ふり”をするのを覚えたのも
そのときです。

その後も祖父母や友人など
身近な人との別れを経験してきましたが、
心の底から泣いたり、悲しみに押しつぶされる
ような感情を持ったことは一度もありません。

私にとって「死」は、
生きているけれど長い間会えないだけ、、、
そんな感覚に近いのです。

また、人は死んだら肉体を脱ぎ、魂として
別の人生を生きるという輪廻転生の考え方が
自分の中でとてもしっくりきています。
そのせいもあるのかもしれません。

ただ一方で、大切な家族に
もしものことがあったらと想像すると、
胸が押しつぶされそうになります。

そのギャップに自分でも戸惑い、
時には「自分は冷たい人間なのでは」と
責めてしまうこともあります。

55歳という年齢になり、これから先は
これまで以上に人の死に直面する機会が
増えると考えると、不安が大きくなります。

そのとき、周囲が涙している中で、
自分だけが何も感じずに
立ち尽くしてしまうのではないか、、、
そんな自分をさらけ出すのが怖いです。

この感情をどう受け止め、
どう向き合えばいいのか分からず、
悶々としています。

同じような感覚を持つ人がいるのか、
また専門的な視点からのアドバイスも
いただけたら少しはラクになるかもしれない
と思い、ご相談させていただきました。

【A】アムさん、
ご相談ありがとうございます。

人の死を前に涙が出ない自分を
「冷たいのでは」と責めてしまう——
その優しさこそが、
すでに“感じている”証です。

悲しみの表現には涙以外にも、
静かな受容や祈りの形があります。

スピリチュアルな感性が豊かな人ほど、
涙ではなく「深い理解」として
悲しみを抱くこともあります。

感情の表現方法は人それぞれ。
脳やホルモンの働きによっても違うものです。

どうぞ「私はこれでいい」と
受け止めてください。

涙のしくみや心のしくみについて
ビデオでお話ししますので、
ぜひ参考になさってください。

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【Q】はじめまして。
50代の女性です。
実家の庭のことで悩んでいます。

実家には80代の母が
一人で暮らしています。
父は2年前に他界しました。

父は生前、庭をとても大切にしていて、
季節ごとに業者を呼び、
植栽や剪定などを欠かさない人でした。

母はその頃から庭に特別な関心はなく、
父が亡くなってからは
手入れがほとんどされていません。

私は今、実家から車で2時間ほど離れた
所に自分の家族と住んでいます。

日帰りで様子を見に行こうと思えば
行けますが、毎週というわけにもいかず、
季節によっては、行った時には
雑草が伸び放題になっているというのが
現実です。

実家の地域のシルバー人材センターに
依頼したこともありますが、
草取りをしても、しばらくすれば元通り。
いたちごっこです。

「もういっそ、庭をなくして
 コンクリートで固めてしまうのはどう?」
と母に提案したこともあります。

ですが母は、
「お父さんが大事にしていた庭だから…」
と乗り気ではありません。

たしかに父の思い出が詰まった場所
ではありますが、

今の母の気力・体力を考えると、
維持管理は容易ではなく、
かといって放置しておくのも気になります。

結局、私が行くたびに、できる範囲での
草取りや片づけをするのですが、
帰る頃にはぐったり。

母の「ありがとう。お父さんが喜ぶから」
という言葉を聞くたび、
どこかモヤモヤした気持ちになります。

「庭=父の思い出」として
母が手放せない気持ちも分かりますし、
「放っておけない」と
動いてしまう自分もいます。

草取りや剪定だけでも定期的に業者に頼む
という方法が現実的なのかもしれませんが、
それなりに費用がかかりますし、

母が元気なうちはそれで良くても、
将来的には子どもたちである私や兄弟に
管理が任されることになるわけで、、、

それならば、
母がさほど庭にこだわらないのであれば、
早めに手を打った方がいいのでは、
と思ってしまうのも正直なところです。

父の思い出を大切にしつつ、
今の暮らしに合った形で庭を手放す、
あるいは変えていくにはどう考えたり、
動いたりしたらよいでしょうか。

何かヒントをいただけたらうれしいです。

兄が一人いますが、
遠くに住んでいるうえに年中多忙のため、
この話はまだしていません。

【もみじ・50代・女性・パート・群馬県】

【A】ご相談くださりありがとうございます。

お父様が大切にされていたお庭、
それを守りたいお母様の気持ちと、
現実的な維持の大変さとの間で揺れる
もみじさんの複雑なお気持ちが
よく伝わってきます。

お母様にとって庭は、
単なる物理的な空間ではなく、
お父様とともに過ごした時間そのものを
象徴する、大切な思い出の場所になって
いることと思います。

お母様の「お父さんが喜ぶから」という
言葉には、お父様が大切にしてきたもの
を保存することで、いまもなお、
お父様とつながりを保ちたい願いが
込められているのではないでしょうか。

庭は絆の象徴なのかもしれませんね。

ただし、同時に
管理しきれない現実があり、それを
娘であるもみじさんが背負っている…

この構図は、象徴的な遺産を
次世代がどう受け継ぐかという
普遍的なテーマでもあると思います。

まず、実際に庭をどうするかの前に、
お母様にとって、庭にどのような思いが
込められているのかを、
優しく丁寧に対話しながら聴く時間を
持ってみてください。

たとえば、
お父さんが大切にしていた庭の、
どんなところが一番好きか、

または、もしお父さんが今ここにいたら、
どんな庭にしてほしいと思うかなど、
尋ねてみるのも良いかもしれません。

お母様が形よりも気持ちを守りたいのか、
あるいは風景を保ちたいのかによって、
対応の仕方も変わってきます。

今、もみじさんの選択肢は、
庭をこれまでどおり維持するのか、
それともコンクリート化して庭をなくすか
という全か無かの二者択一状態かと
思います。

ここで、もうひとつオプションを
つくってみてください。

それは、
庭を縮小するというやり方です。

お父様が中でも大切にしていた木や
お母様が気に入っている草花など、
象徴的な“一軍”の植物を絞り込んで
維持する方法です。

たとえば、
お気に入りのツツジや松を数本残し、
その周囲を砂利にしたり、季節の草花は
花壇やプランターに移して楽しむことも
できるのではないでしょうか。

お父様の思い出の庭のエッセンスを残す
ことで、お母様も思い出を楽しむことは
できるでしょう。

メンテナンスも、庭の規模を縮小したこと
でお母様ご本人が楽しめるようになるかも
しれませんし、

もみじさんや業者がサポートするにしても
負担が軽減され楽にサポートできるように
なるでしょう。

外注との併用もよいですし、たとえば、
定期的な草刈りを人材センターに、
年2回の剪定だけ業者にお願いするなどの
方法もよいのではないでしょうか。

お父様の思い出が大切であれば、
庭以外にも「お父さんの思い出コーナー」
をお母様が触れられるところに
設置するのも良いかもしれません。

季節ごとの庭の写真や石や樹を
少しだけ記念に残すことで、
お父様の写真を飾ることで、
お父様の息遣いを感じられるでしょう。

庭を残さなくても
思いを残すことはできます。

お父様へのリスペクトを形にできるので、
お母様も納得しやすく、もみじさんの
モヤモヤも軽くなるのではないでしょうか。

また、遠方にお住まいのお兄さんが
サポートをするのは
手軽ではないかもしれませんが、
状態を共有しておくことは大切です。

お兄さんに、お母様の今の様子や
庭の現状、そしてもみじさんの負担感を
率直に伝え、

お母様の気持ちを尊重しつつ、
現実的な方向を探りたいという意図を
共有してみてはいかがでしょうか。

お兄さんはすぐに物理的なサポートは
できないかもしれませんが、
年に1度でも帰省した際に
庭の管理がタスクに入るかもしれません。

また、もみじさんの気持ちを彼なりに
受け止め、互いにアイデアを出し合う
などすることで、もみじさんも
「一人でがんばらなくてよい」と
プレッシャーが緩和されるかもしれません。

このように、子どもたちが親のことに
思いやりや優しさをもって耳を傾け、
提案したり行動することによって、
お母様の心も自然に次の段階へと整う
可能性もあります。

また、もみじさんも、ご自身の思いを
伝えて受け止めてもらえたことによって、
より能動的にお父様の思い出を
大切にする気持ちが生じてくるかも
しれません。

ぜひ、ご自身の気持ちを抑圧することなく、
ご家族と思いをシェアしてください。

そして、積極的に助けを求めてください。

ー川畑のぶこ

       
        
ーーー

 
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サムネ_20251106

おちゃさん(50代・女性・主婦・北海道)
のご相談にお答えします。

【Q】離れた所で一人暮らしをしている
実母との関係に悩んでいます。

父は私が高校生の時に亡くなり、
父が亡くなった年齢と同じ年齢の時に、
兄がアルコール依存からの内臓疾患で
亡くなっています。

小さい頃は、私が喘息で病院通いを
していたからお金がなかった、
親族に借りるほど苦しかったと
聞かされていましたが、

年代が変わると、その頃父が転職して
給料を入れてくれないからなど、
「お金がない」理由も変わってきました。

父の外ヅラの良さや営業職のせいも
あって、外での飲み代でお金がなく、
父の死後は借金も発覚した苦労が
あったようで、そのことを、
去年86歳で圧迫骨折で入院した後から
毎回会うたびに聞かされます。

生まれながらに
身体が丈夫でなかった母は、
なにくそと気丈に生きてきて、
私への要求もきついです。

「娘は黙って聞いているものだ。
 家族しか正直に嫌なことを
 言ってもらえないのだから」と、
会うたびにメンタルを傷つけられます。

今は、週3回ヘルパーを頼み、
長年住んでいる場所で
一人暮らしをしています。

お金のことも、
今は不自由はないようです。

自分の考え方が一番と
揺るがない人です。

私も知的障害の我が子にイライラ
していたこともあり、
先日母のところから帰宅した後には、
「私が生まれなければ良かったかな」と、
自らの環境に涙が出てきました。

健全ではない思考だとわかっています。
 
母も年老いたのと、
一人しかいない子どもの私なので、
放置しっぱなしも気がかりで、
今の環境に心苦しくなります。

義理の母は何でも
「ありがとう」と言う人なので、
私としては、実の母に会うほうが、
何を言われるか怖いです。

会った時も、後半には
たくさんの愚痴をずっと聞かされて、
「もう、聞きたくない!」と
逃げるように帰ってきます。

私もコミュニケーションは
良い方ではないけれど、昔から、
母と居ると食べる物も私の意思は
すんなりは尊重されないので、
息苦しくなり、無口になります。

今は金銭的には問題はなく、
身体的に思うようにならない問題
ばかりの母です。

なんで私はこんな環境なのだろう
と、悲しくなってきます。

【A】おちゃさん、優しさゆえに
毎回心が削られてしまうのは
本当につらいですね。

まず「いい娘=全部応じる」
ではありません。

相手を変えるのは難しいからこそ、
自分側の調整をすることが大切です。

・会う時間を決める
・NOと言う
・話題を選ぶ
・一旦離れて呼吸を整える

こうした境界線が、被害者ではなく
“主体”に戻す力になります。

「娘である前に、私」。

自分の限界とニーズを尊重することは、
関係を壊すのではなく整えることに
つながるということをぜひ知ってください。

具体的な距離の取り方と関わり方は、
ビデオでお話しします……

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【Q】80代後半の母と実家で
約30年ぶりに同居を始めて、
2年半ほどが経ちます。

もともとは、
普通に仲の良い親子関係でした。

母は、身の回りのことや
慣れた料理はできるので助かりますが、
物を溜め込んでキッチンやダイニング、
そしてリビングが狭く乱雑になったり、

母が買い込んで持て余した食材で
冷蔵庫が満杯状態になることに、
私は毎日イライラしています。

共に暮らす私の夫や娘の物を収納したくて
棚や納戸を整理しようとすると、
親が処分を先送りにした物が
後から後から出てきて、
怒りが込み上げてきます。

つい母に嫌味を言ったり、
「自分が手に入れたものは、
自分で責任を持って片付けて」と
強く言ってしまいます。

そして後悔します。
片付け自体がストレスになります。

年齢なりに身体が動きづらいのも
当然ですが、
腰が痛いと漏らすのを聞いても、
最近はあまり親身になれません。

同居前のように気軽なお喋りをする気に
なれず、素っ気ない態度になっています。

休日も家にいるのが気詰まりで、
私が外出しています。

一緒に暮らせるのはあと数年と思いつつ、
穏やかな気持ちや笑顔で過ごせない自分
が情けなく、悲しいです。

何かアドバイスいただけると
とてもありがたいです。

【えだまめ・50代・女性・団体職員・東京都】

【A】ご相談くださりありがとうございます。

えだまめさんのお悩みは、
お母さんとご自身とご家族の暮らしを
大切にしたいからこそ、
きちんと向き合おうとしているからこそ
のお悩みですね。

まず、えだまめさんのご相談を伺って
感じたことは、

お母さんへの苛立ちは、もしかしたら、
えだまめさんが「母の家に戻ってきた」
のでどこかに遠慮があって、
素直に思いを伝えられていないことに
あるのでは?と思いました。

たとえ同居の経済的・介護的理由が
あっても、無意識のうちに
「自分たちはお客さん」
「母の領域に入り込んでいる」という
遠慮や抑圧がないでしょうか?

つまり、自分の居場所なのに
自分の家でない感覚が
ストレスを生んでいないでしょうか?

その結果、言いたいことを飲み込み、
溜め込み、イライラという形で
噴き出している可能性があるのでは
と感じました。

まず、お母さまに「空間の主導権」を
譲ってもらう提案をすることを
お勧めします。

その際、お母さんへの思いやりが伝わる
伝え方を心がけます。

たとえば、

「お母さん、この家の空間をもう少し
 私たち3人も使いやすく整えたいと
 思っているんだけど、私たちに
 譲ってもらってもいいかな?

 お母さんが使いたい場所や必要な場所
 はもちろん、お母さんが使って、
 私たち3人が使って良い場所は自由に
 できたらとても助かるんだけど。」

と、依頼をしてみます。

そのことで、お母さんは自分の領域を
勝手に支配されるのではなく、
ご自身が優先的な選択権を持っている
という安心感を得られると思います。

もし許可が出たなら、
えだまめさん自身も遠慮から解放され、
行動に主体性を取り戻せるでしょう。

同時に、お母さんのモノの整理の手伝い
をオファーしてみてください。

85歳で腰痛があり、特にモノを溜め込む
傾向のある方に「自分で考えて捨てて」
と言っても、現実的には難しいです。

体力のみならず、
脳の処理スピードや執着の構造が、
若いときとはまったく違うからです。

どう手をつけていいか
わからないでしょうし、
助けてほしいけど、恥ずかしかったり
不安だったりするかもしれません。

ですので、えだまめさんから率先して
お母さんが安全で動きやすいように
整理のお手伝いをしたいことを伝え、

「お母さんの好きなものや
 大事なものは残して、
 使わないものだけ一緒に見直そう」
と提案してみてください。

決して怒りからではなく、
思いやりからのアプローチにすることで
空気が和らぎますし、

お母さんも自分が否定されているわけ
ではなく、大切にされていることを
感じられることでしょう。

まずは、
「ここまではお母さんゾーン、
 ここからは私たちのゾーン」
とスペースの区切り方を一緒に決めて、
お互いの安心と自由を確保します。

次に、お母さんのモノを一旦テーブルなど
平面に出して棚卸しをします

これだけあるんだと、量をお母さん自身が
しっかりと視覚で認識することが第一歩です。

そして、一緒に選びます。

「これはまだ使う?」
「これは〇〇さんにあげてもいい?」など、
えだまめさんが決めるというより
相談の姿勢で進めてください。

「捨てる」という言葉に抵抗があるかも
しれないので、不要なものは「卒業する」
と伝えるのも効果的かもしれません。

その際、「今までありがとうね」と
感謝を声に出して処分するのも感情の整理
を促す儀式的プロセスになります。

「片づけ=関係のリセット」でもあります。

お母さんのモノとの関係が
リセットされるのと同時に、
えだまめさんとお母さんの関係も、
思いやりあるモノの片づけ方によって、
良好な関係に整えることができるでしょう。

親子の間に張り詰めた空気が生まれたときは、
モノの整理を通じて関係を整理するチャンス
と捉えてみてください。

「これ、若い頃どうやって使ってたの?」

という声かけから、
お母さんの知らない素敵な過去や、
お母さんが心の中で大切にしているものが
見えてくるかもしれません。

そうであれば、片づけを通して
優しいやり取りを再開する
きっかけになるかもしれません。

関係修復は
空間整理と同時進行できることを
ぜひ覚えておいてください。

ー川畑のぶこ

       
        
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ごきげんちゃんさん
(60代・女性・カフェ経営・岐阜県)
のご相談にお答えします。

【Q】いつもいつも、様々な悩みへの
川畑さんの回答に感動しています。

そんな中、私の悩みなど
ちっぽけだと思いますが、
このところカラダがとても不調なので
聞いて頂きたくてご相談します。

私は、特に夫と、同居している長女に対して、
「もっと優しい言葉、態度はできないの!?」
と思ってしまいます。

長女は結婚しており
姓は違いますが同居していて、
3人の子供もいます。

私は、週4日カフェの仕事をしながら
7人家族の夕食の準備、
孫の保育園の送り迎え、
孫が病気の時は面倒もみています。

しかしながら、長女から
ありがとうとか、いつもごめんね、
とかの言葉はほとんどありません。

数年前に亡くなりましたが、
認知症の義母の面倒も、
夫は転勤中だったので
全て私がしていました。

多分そのストレスで、
10年前にがんにもなりました。

でも、その手術の途中で夫は、
仕事上の付き合いではありますが、
車で2時間以上離れた転勤先に
飲み会に行ってしまいました。

そういったことが私には理解できず、
私ならこうするのに。
私ならこう言うのに。
といった思いが自分を支配します。

相手の態度、言葉そのものもさることながら、
それよりも、自分のそういった
対価を求めて、共感を求めて、

それが満たされなくて、
自分のカラダを苦しめている状況や
被害者意識がたまらなくいやです。

どうしたら、そういった感情を
手放せるのでしょうか?

どうしたら、そんなこと気にもとめずに、
私は私、と軽やかに楽しく生きていける
のでしょうか?

ただ、感謝が足りない(と、私には見える)
長女や夫に対して、そういう態度や
言葉の投げかけをしていたら
本人が幸せにならないのでは?と
これは本気で心配もします。

人として成長して欲しいし、
人の痛みがわかる人であって欲しい
と願います。

それも境界線を引くべきことなの
でしょうか?

ちなみに、私は30年以上前に、
自己中心的でわがままな義母との同居で
パニック障害になり、今も時々、
体調が悪くなることがあります。

【A】ごきげんちゃん、とても優しくて
思いやりがあって、ご家族に誠実に
向き合っていらっしゃるのですね。

ご自身の体調が悪くなるほど
お義母さんにも尽くしてきたとのこと、
もうこれ以上無理しなくていいよって
体が言ってくれているのだと思います。

家族にこんなにも尽くしているのに
感謝されない……
これほど辛いことはないですよね。

でも、それはごきげんちゃんに
大切な家族、愛する対象があるからこそ、
感謝してほしい、フィードバックが欲しい
という思いも生まれてくるわけです。

どうぞそこは素直に認め、
それほどまでに愛する対象があるという
のは恵まれていることだと
捉えてみてください。

私たちは皆、認められたい、感謝されたい
と願う存在ですので、ごきげんちゃんが
対価や共感を求めるのも自然なこと。

ただ、ご家族の反応を
すぐに変えることは難しいでしょう。

ですから、そこは、ごきげんちゃんが
どこまでご家族へ尽くすのか、
どこから先はやらないのかを、
ご自分として決めていく必要があります。

続きは、ビデオでお話しします……

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【Q】「何者か」になる必要があるのか
わかりません。

夫がたびたび学生の甥っ子たちについて
「まだ何者にもなってないから
 兄貴もたいへんだ」
というようなことを言います。

それを聞く度に
「医者です」「◯◯会社の社員です」
「◯◯です」と言えるのがそんなに
必要なのか、私はモヤモヤします。

◯◯になって社会的に
自分の属性を説明できるほうが
何かと都合は良いですけれど。

私は長いこと
「◯◯省事務官」として生きてきましたが、
職業に関係ない「自分は◯◯だ」と
言えるような芯はありません。

生活のために漠然と働いてきて、
特に昇進への意欲や仕事に関する目標
などもありません。

他の同期と自分の扱いの違いや
能力の違いを認識するたびに、

職場から大した期待も役割も
与えられていない自分の立ち位置を
認識し、若い頃はあったやる気は
擦り減ってなくなりました。

既婚ですが子なしで、
プライベートの役割の変化もありません。

世間では、目標を持とう、
幾つになってもチャレンジしよう、
などと言います。

職場でも人事評価の指針の一つとして
目標を立てることが必須になっています。

無駄な規則や事務処理は増える一方で、
減らす方向にはならない組織には
何も期待してないので、
毎回目標を立てるのに苦労しています。

目標を持ちチャレンジをして
「何者か」になる必要があるのでしょうか。

思春期の頃から「自分は何者か」という
問いは自分の中にありますが、
拘束事項や無駄が多い今の仕事を辞めて

「自分のペースで、自分にとっては
 幸福を感じる日常の些細なことを
 大切にして日々を送るただの人」

になりたいと思っているのですが、
それでだけではダメなのでしょうか。

「特に何者かではない自分」では
ダメなのでしょうか。

【かえで・40代・女性・
     国家公務員・神奈川県】

【A】ご相談ありがとうございます。

かえでさんの葛藤がよく伝わってきます。

「何者かにならなければならない」
というプレッシャーについて、社会では、
職業や役職といった外側のラベルで
「自分とは何か」を語ることが多いかと
思います。

組織の中に長く身を置いてきた人に
とってはなおさら、評価・目標・責任
などのシステムの中で生きることは
日常的でしょう。

きっとご主人もそのような環境で、
あるいは、親や周囲の期待に応え
認められることで、ご自身の
アイデンティティを確立しようと必死に
ここまで来られたのかもしれませんね。

それを手放したとき、
自分にはいったい何が残るのだろう?
という問いがふと湧いてくることも、
自然なことではないでしょうか。

何者かにならなくてはいけないのか、
という問いに関しては、
「何者か」には2種類あると考えてみると
モヤモヤが整理されるかもしれません。

まずひとつめに、社会的な「何者か」、
すなわち、外側のアイデンティティが
あります。

たとえば、自分は公務員であるとか、
母親であるとか、
◯◯会社の社員であるとか、
医師や管理職であるなど、

他者から見て分かりやすく、
社会に説明できる自分です。

このようなアイデンティティは
便利な反面、それに縛られ、評価され、
比べられてしまいがちな世界です。

ふたつめに、存在としての「何者か」、
すなわち、内側のアイデンティティが
あります。

こちらはたとえば、
丁寧さを大切にする人、静けさを愛する人、
誠実な人、誰かの小さな支えになる人等々、

「私は◯◯省の人間です」ではなく、
「私はこういう心で世界に触れている
 人間です」という芯の部分。

声高に語る必要はなく、肩書がなくても
そこに宿る静かな核のようなものです。

かえでさんはおそらく
前者(社会的な何者か)ではなく、
後者のことを求めているのだと思います。

かえでさんは、「特に何者でもない私」
とおっしゃいますが、
本当に「何者でもない」のでしょうか?

いいえ、そうではありません。

むしろ、「ただ日常を丁寧に生きたい」
「自分のペースで、
 静かに幸せを味わいたい」
という願いそのものが、

すでに「生き方の選択」であり、
立派な「あり方」です。

社会は目標や成長やチャレンジを
重んじるかもしれませんが、
足りないものを付け加える生き方
だけが人生ではありません。

静かに、満ちるように
「今あるものを味わって生きる」
ことも、立派な人生の形です。

それは怠惰ではなく、
成熟の表れでもあります。

今のままではダメということはなく、
むしろ、そう在りたいと
気づけたこと自体が、
大きな一歩ではないでしょうか。

ただ1つだけ
大切にしていただきたいのは、

「逃げとしての何者でもなさ」ではなく、
「選んだ上での何者でもなさ」である
ことです。

かえでさんの文章には、
後者の真摯さが感じられます。

どう生きればよいのか?
ということに関しては、

少し心を軽くするためには、
「何者かになる」よりも、
「誰として在るか」を育てても良い。

「目標」ではなく
「大切にしたい感覚」を持つことでもいい。

「肩書」ではなく、
「心の姿勢」を生きても良い。

とご自身に許可を与えることです。

そのうえで、

私は丁寧に暮らす人でありたい。
私は小さな誠実を積む人でいたい。
私は誰とも競わず、
損なわれない静けさを大切にしたい。

と日々確認していくのも良いです。

このことで、
かえでさんの人生の「軸」が
ブレなくなってくることと思います。

「何者かになる必要がありますか?」
という問いの奥には、

「このままの私で、
 生きていていいですか?」という
切実な祈りのような声があるように
思います。

その問いへの答えは…

「はい。このままでも、
生きていていいです。」

です。

名乗れる肩書きがなくても、
何者でもないのではなく、

私として生きている人、という、
最も正直な何者かであることを
覚えておいてください。

ー川畑のぶこ

       
        
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