Sunny Close Up Of A Few Daisy Flowers On Flower Meadow

断捨離メルマガ読者の方からいただいた、
川畑のぶこへの相談をあなたにシェアします。
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【Q】一生懸命やってるのに、仕事が遅い?

いつも勉強させていただいています。

看護師と言う職業に就いてから、
気づけば15年以上が過ぎました。

周囲から見れば立派なベテランです。
管理職にこそ就いていませんが、
教育担当だしリーダー業務もします。

でも、上司から残業が多い、夜勤の終わる時間が遅い
と注意を受けます。

確かに仕事の速さは遅めかもしれません。
でもキチンと仕事をしようと思うと
ある程度の時間が必要です。

当初は残業代だけの指摘でした。

職場の人の夜勤の残業の程度を見ていると、
私と同じくらいの人もいて、
私だけが格別に遅いとも思えなかったため、
残業代を請求しない事で対応したら、
就業時間をチェックする指摘が入りました。

私としては自分は精一杯やっていて、
後はケアをしない事くらいしか思い浮かびません。

もちろんそんな事はしたくないから
残業代を請求せずにいたのに…という思いで一杯です。

上司からは、遅いのはあなただけじゃないのよ…
と言われましたが、一方でケアを提供しても
早く終われる人だっているとも言われました。

この問題は、正直もう自分ではお手上げです。

お忙しい所おそれいりますが、
アドバイスいただければうれしく思います。

よろしくお願いいたします。

【40代 看護師 匿名希望】

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FROM 川畑のぶこ

【A】
上司から、夜勤の終わる時間が遅いので、
残業を無くすようにと言われているのですね。

ここで確認をしたいのは、
上司(=病院側)のニーズは、

1)職員の労働環境に配慮して
  残業をしないよう指示しているのか

2)不要な残業で病院への経済負担が大きいこと
  を指示しているのか

3)あなたの仕事が遅いからもっと仕事のスピード
 を速くするよう指示しているのか

ということです。

ご自身は2)がメインと解釈していらっしゃるようですね。

よって、残業代は請求していないのだから、
文句ないでしょうと、上司の対応が不可解なのかと思います。

もし上司が、過労死などの問題もからんで、
組織運営や職員の健全な労働環境の管理や法令遵守の立場から、
1)をメインで対応されている場合は、
単に経済的な問題ではありません。

また、1)の対応は組織として当然のことであって、
管理を怠ると罰則があります。

他の人も残業しているのだから私も…と、
職員の多くが残業をすると、
「無理は続かない」という自然界の法則に従って、
やがて職員は体調を崩し、パフォーマンスも低下、
組織自体が病んでいくことになります。

最悪のケースでは、過労死にもつながります。

残業が多い組織が仕事の生産性が高いかというと
決してそうではなく、
医療現場では、多忙や過労などによる、医療事故や
「ヒヤリ ハット」などは深刻な問題となっています。

このように上司は健全な組織運営に関心があるのであって、
あなたの個人的な能力の問題を指摘しているとは限りません。

逆に、ご自身が健全な医療機関の経営者だったらどうだろうか、
と考えてみてください。

医療者の多くが残業を強いられる組織にしたいでしょうか?

もしご自身やご家族が病気になったときに、
医療者の残業時間が多い病棟に入院させたいと思いますか?

みんなたくさん残業して頑張っている立派な病院だ!
と快く思いますか?

それとも、時間内に仕事をこなし、
ワーク・ライフ・バランスが健全にとれた
ゆとりある職員の働く病棟に入院したいですか?

職員の多くがサービス残業を止めたのなら破綻してしまう組織は、
そもそも経営が脆弱な組織です。

あなたや他の職員が残業をやめたことで、
仕事がまわらないということが露呈されたのなら、
増員するなり仕事の内容やフローを考え直すなりの
対策をとられなければなりません。

職員が黙って耐えながら残業することは、
本来浮き彫りになるべきこれらの問題が包み隠されたまま
になることになり、
一生懸命働いて貢献しようと思っているのに、
図らずも、健全な組織運営を阻む一因となってしまう可能性
もあるのです。

ときどき経営者の視点でものごとを考えてみると
いろいろなバランスがとれてくると思います。

また、このような視点から、いったい何が問題で何が解決策
となるのかを、上司と冷静にコミュニケーションしてみると
良いかと思います。

相手を責めるのではなく、共に考える姿勢で
コミュニケーションすると良いでしょうし、
組織にとってもありがたいはずです。

万一、3)が理由であるとわかったのなら、
そして、これ以上自分の努力では解決できないということならば、
残念ながらプロフェッショナルとして、
仕事を変えることも考えなければいけません。

他の人はスピードが早く、自分だけが遅い場合は、
自分だけ倍の時間をかければいいということでは
問題解決にはなりません。

繰り返し、残業の多い人は
ミスの発生も病む確率も高くなります。

職員が無理をして向いていない環境に身を置くことは
職員自身、組織、サービスを利用する患者さんたちに
とって大きな負担となります。

もし、明らかにご自身の仕事のスピードが
他の人々に比べて劣り、上司もその能力を指摘している
のであれば、事実を受け容れる能力と潔さが必要です。

もっと自分に向いている環境を備えた仕事に就くための
チャンスと切り替えてみることをおすすめします。

これは敗北ではなく、あくまでも転機であり、
あなたにとって好機となり得るのです。