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Q:いつも川畑先生の的確かつ、心が癒されるお話、アドバイス等を
このメールマガジンで拝見し、感銘を受けております。

私は夫を5年前に亡くし、現在高1の娘と二人暮らしです。

私の悩みは、自分と全く正反対の性格の娘への
対応の仕方がわからないことです。

私は外交的で、学生時代から運動部に所属し、
いつも友達と遊びに行ったりしていましたし、
今でも習い事やサークル活動に参加するなど、
人と接することが好きな性格です。

しかし、娘は亡くなった夫に似て、人見知りが激しく、
学校でも友達が少ないのか、休日はどこにも出かけず、1日中家にいます。

夏休みなどの長期休みもほとんど出かけません。
家ではスマホゲームや、好きなイラストを描いて過ごしているようです。

私は、人間は人と接し、いろんな見聞を広げることで成長すると思いますし、
特にうちは一人っ子なので、
友達付き合いなどで人とのコミュニケーション術を学んでほしいと思うのですが、
友達がいない娘に、友達と遊びに行きなさいと言うわけにもいかず、
ただ放置している状態です。

週にわずか2回しかない、イラストのクラブすらも、楽しくないと辞めるようです。

学校だけは休まずに行っているとはいうものの、
このままでは、人間的に何も成長できず、いざ社会に出たときに、
コミュニケーションがうまくいかず会社を辞めたり、
引きこもりになったりするのでは、と心配しています。

ひとり親としての自分にも自信が持てず、
どのように性格の違う娘と接していいのかわかりません。
川畑先生のアドバイスをいただけたら幸いです。

【まこ・40代・パート】

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A:

ご自身とまったく正反対の性格の娘さんとお二人で毎日過ごされ、
娘さんの社交性のなさやひきこもりが心配なのですね。

たしかにそれがひきこもりの場合、
助けの手を差し伸べることは大切になってくるかもしれませんが、
もしかしたら娘さんは引きこもっているのではなく、
ご自身のニーズを満たしているだけかもしれません。

臨床カウンセリングの現場では、
社交的でお世話好きなお母さんが、静かで内向的な娘の手を引き、
「おかしい!」と息巻いて相談にくることが少なくありません。

もちろん、日頃は社交的でよく喋る娘がある日を境に、パタリと、
あるいは徐々に人々との関わりを絶ったり、無口になったりする、
それが長期にわたり続くようであればこれは助けが必要なサインです。

ただし、日頃から物静かで一人でいる時間を好む傾向のある人、
それが苦にならない人は、病的だからそのようにしているのではなく、
ただそうしたいからしていることが考えられます。

お母様のように、人と頻繁にかつ闊達に交流することで
心のエネルギーがチャージされる人もいれば、
ひとりの時間と空間、自分自身の世界に浸ることで
心のエネルギーを満たす人もいます。

そのような人は思慮深く想像力が豊かです。
人が退屈してしまうような作業なども
粘り強く取り組むことができたりします。

イラストがお好きとのことですから、
おそらく彼女もそんなひとりなのではないでしょうか。

娘さんは友達がいないのではなく、
少人数(もしかしたら1人や2人)はいて、
その人たちとは調和的に関わっており、
それで十分に心が満たされているのではないでしょうか。

それ以外の人々と関わることにニーズがあるのに
それが出来ないのなら助けは必要ですが、
そもそも本人にその欲求がないのに、
周囲の価値観からその欲求を持てというのは
少々横暴で無理な話です。

私たちは自分と異質な人間を無意識なうちに
排除しようとしてしまいます。

でも、どこかでそのような自分に無い部分も
自分の中に統合していく必要性を感じているからこそ、
互いに魅かれたりもします。
きっとご自身がご主人と一緒になったように。

娘さんは学校だけは休まず行っているとのことですが、
このこと自体が彼女の中ではバランスがとれている証かもしれません。

彼女が社交的になることは、お母様が人と関わらない努力をするのと
同じくらい苦しい取り組みかもしれません。

大切なのは、彼女のニーズを知り、それを理解すること、そして
彼女自身がそのニーズを満たして良いと受け入れてあげることです。

一人の時間が大切なら、その時間をお母様も大切にしてあげてください。
すると彼女の心のエネルギーが充電されて、
「さて、たまには人と交わってみるかな」と
あまり得意としない分野にも時間を費やすゆとりが出てくるでしょう。

正反対の性格の娘さんが人生に現れたことはお母様ご自身に
多様性を学ぶよき機会を与えられているととらえてみてはいかがでしょう。

人とさほど会話をしなくてもよい仕事も世の中にはたくさんあります。
自分の個性と仕事をマッチングするも可能です。
社交的では無いけれども、必要に応じて会話はできるし、
静かで思慮深い彼女の個性を受け入れてみてください。

ご自身と娘さんとの人間関係が豊かになると思います。
娘さんも「私は私で良い」と自己肯定しやすくなるでしょう。

その結果、人と交流することへの抵抗も少なくなるのでは無いでしょうか。
ぜひ今後も、愛ある好奇心をもって大切な娘さんと接してみてください。

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