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Q:中学受験で進学校に入学、引っ越して地元の私立高校に進み、
推薦ではなく国立大学志望という本人の強い希望で一浪するも
絶対安全圏の私立大学以外すべて不合格という結果に終わりました。

読書家で雑学知識は豊富、高校でも授業は聞いてほとんど分かる、
友達に教えることもよくあるという利発な子ですが、
何しろ勉強しないので理解は出来ても試験問題が解けず、
劣等感に悩まされていたそうです。

「頭がいいのだからすれば出来るはず」と励ますと、
「努力できるのは才能、一番欲しかった才能を持たずに生まれてきた」
「好きな勉強をしたい。受験勉強は楽しくない」

などと屁理屈ばかりで、高校も予備校も、欠席せずに通うものの
家ではほとんど勉強しませんでした.

思い返せば学校の宿題もせず、
先生に叱られても平気だということも昔からよくありました。

本人の希望による習い事も部活動も長続きしませんでした。

今から思えば、
叱ってでも勉強をさせる習慣を付けさせれば良かった、
甘やかしすぎて、逆に余計なところで小言を言い過ぎた、
と悔やまれてなりません。

また、私が自身の親との関係に悩み、息子とよい関係を結べなかったこと、
以前うつ状態になって苦労を掛けたことも影響したのではないかと
申し訳なくも思います。

しょげる息子には「大学生活を楽しみにするように」と言って、
本人はようやく気持ちが上向きになってきたようですが、
成績が悪いクセに人を馬鹿にしたようなことをよく口にし、
人の言うことを素直に聞く、という人としての基本も出来ていません。

ちゃんとした人間に育て上げられなかったことで、
専業主婦としての私の子育て期間が無駄に終わったと、
虚しい気持ちになります。

受験失敗の結果また4年間一緒に暮らすことになりました。

これから私が息子にしてやれることはあるでしょうか。

【M・51歳・看護師】

―――――――――――――――――

A:

FROM 川畑のぶこ

Mさんの息子さんへの愛が伝わるご相談内容です。

好奇心旺盛で勉強は好きだけれども、
受験勉強が嫌いなのですね。

これは、勉強ができないのではなく、
試験をクリアするテクニックを身につけていないという問題のようですね。

学問は好奇心が一番大事ですから、その点では
息子さんはとても豊かな向学心をお持ちなのではないでしょうか。

これはとても大きな宝だと思います。
研究など、何かご自身がとことん掘り下げて「知りたい!」というニーズが
満たされる環境があれば、とても伸びるタイプなのではないでしょうか。

人生の目的は受験に成功することではありませんし、
世間が認める企業に就職することでもありません。
本人が、幸福感や充足感を満たすことができるか否かではないでしょうか。

その点で、息子さんは自分が学びたいことを学びたいし
勉強したいという点では非常に目的意識やモチベーションが高いことが
明確ですから、そこを伸ばすサポートをしてあげてはいかがでしょうか。

おそらく、それを突き詰める過程で、
目標を達成するには、やりたいことばかりではなく、
自分が望むと望まないとに関わらず、やる必要のあることがあるのだ
ということに気づくかもしれません。

親の望むタイミングではないかもしれませんが、
息子さんなりのタイミングで気づく時を待つのも
大事なプロセスではないでしょうか。

苦手を克服しなさいと、まず問題に焦点を当てるのではなく、
得意を伸ばす、すなわち良いところに目を向けて、
それを達成する過程に苦手をクリアする必要があるという、
主従の逆転があれば、もしかしたら、
彼が自分の課題に取り組みやすくなるのかもしれません。

親であれば誰でも、子どもに苦労して欲しくないと思うでしょうが、
子どもには苦労する権利も失敗する権利もあります。

親はそれをむやみに奪ってもいけないのでしょう。
それらの苦労を乗り越えて、より賢く、強くなり、
人生に深みや奥行きが増すことを信頼して手放す勇気が必要となる
のだと思います。

親の思い通りに子どもが生きないので、
自分は親失格だとMさんがご自身を責めることは、
息子さん自身や彼の人生を否定することにもつながります。

「あなたはあなたのままではいけないのよ!受け入れないわよ!」
という間接的で、非言語的なメッセージを送っているのです。

すると、まだ親から精神的に自立していない子どもは、
そのことに反発するか(これは健全です)、
そのメッセージを額面通り受け止めて落ち込み、
自己否定して生きていくかとなるでしょう。

お母さんご自身も、標準や平均に振り回されることなく、
唯一無二の個性を備えた息子は、はたしてどんな人生を切り開くんだろうと、
愛ある好奇心を持って寄り添ってみると、リラックスできるかもしれませんね。

親の思うようには生きないけれども、
子どもなりに人生を切り開く力を生まれながらにして備えていることを信じて。

それはとりもなおさず、母親であるMさんも、
誰とも比較しようのない、唯一無二の個性を備えた豊かな母親であることを
認めることにつながるでしょう。

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