160504_FB_kawabata

Q:
母親(68歳)と弟(35歳)の不仲に悩んでいます。
おととし、皮膚アトピー持ちの弟のお嫁さんが、
2週間の予定で湯治にでかけました。

皮膚アトピーがかなり悪化して、お嫁さんも精神的に
かなりまいっていたらしいのですが、
母親に相談もなく予定を決めてしまったにも関わらず、
当時4歳の甥っ子の面倒を母親がひとりで見ることになりました。

甥っ子の面倒を見ることは、母親にとって苦痛ではなかったようですが、
相談もなく湯治の日程を延ばすなどがあり、
母親が楽しみにしていた同窓会やイベントに参加することができなかったそうです。

弟も家のことを手伝っていたようには思えませんが、
妻の不在はそれなりに負担だったのかもしれません。
甥っ子のことで、母親にキツくあたることがありました。

普段からお小言の多い母親ではありますが、
この件は感謝はされても文句をいわれる筋合いはない!と
一挙に関係が悪化してしまいました。

お嫁さんが戻ってきてから、なんとか関係修復がはかれないかと取り組みましたが、
2人とも自分は悪くない、相手が悪いと思っているので
修復どころかますます悪化していきました。

去年、弟が母親に対して「人間として嫌いです」というコトバを発したらしく、
これが決定打となり今は絶縁に近いです。

家族なんだからできれば仲良く過ごしたいのですが、どうしたらいいのでしょうか。
母親が孤立をしているのが心配です。

【あかいこい・38歳・会社員】

―――――――――――――
A:
FROM 川畑のぶこ

あかいこいさんの家族愛がひしひしと伝わるご相談内容ですね。

家族だから仲良く過ごしたい。たしかにそうですよね。
家族ほど自分に近い人間関係はありませんし、
それが幸せと調和に満ちたものであるに越したことはありません。

しかしながら、家族だからこそ表面的な付き合いではなく、
本音でぶつかり合えるというのもまた事実です。

家族にはいろいろな役割があると思います。
愛や思いやりを実践する役割。
自分の影の部分を浮き彫りにしてくれ、その課題に取り組む機会をあたえてくれる役割。

おそらく、あかいこいさんのご家族の場合、
いまは後者が前面に出ている時期なのではないかと思います。

あかいこいさんの文章から、お母様も弟さんも、お互いに
「認めてくれ」と叫び合っているようなイメージが浮かびました。
そして、「あなたが認めてくれないから、自分もあなたを認められない」と
駆け引きをしているのではないかと。

病気というのはメッセンジャーであり、
時として無意識で否定的な問題解決者の役割を果たします。

ニーズ ーたとえば周囲の思いやりを感じるとか、ゆっくり休んで自分自身の時間を取るなど-
を満たしてくれたり、先延ばしにしていた大切な課題を浮き彫りにして
取り組みやすくしてくれたりもします。

お嫁さんの病気は彼女自身、それが個人的なことなのか、
それとも家族との関係においてなのかはわかりませんが、
またそれが物理的なことなのか、身体的なことなのか、
それとも精神的あるいは社会的なことなのか、
それともそれらの複合的なものなのかはわかりませんが、
ストレス下に晒されている状態から、何がしかの調和を取り戻すための
大切な機会であったのではないでしょうか。

それと同時に、彼女の家族、すなわち、夫であるあかいこいさんの弟さんや、
義母であるあかいこいさんのお母様との課題を浮き彫りにする機会でも
あったのではないでしょうか。

家族の中の心理社会的不調和が、家族メンバーの誰かの身体的不調和に
現れることはよくあることです。

すなわち、あかいこいさんにとって、問題はお嫁さんの湯治の予定が
予め調整されなかったことのように見えるかもしれませんが、
それは問題の本質ではないということです。

湯治の予定が延びたと言う出来事が、家族が先延ばしにしていた課題に
取り組むきっかけを作ったというのが本質のように思います。

それがアトピーであれ、がんであれ、病気というのは残念ながら、
私たちの予定通りには癒えてくれませんし、
入院や治療が本人の希望より延びることは一般的にありうることです。

大切な者が、病んだり、傷ついたりした時に、
緊急で助け合うのもまた家族の役割でしょう。

お母様もご自身の娯楽よりも、孫や家族の苦しみを取り除くこと、
すなわち慈悲の実践を自らの意思で優先されたのではないでしょうか。
母親の心理、祖母の心理としては至極自然なことであり、
健全であるかと思います。
もしも娯楽を選択していたら、後々罪悪感で苦しんだのかもしれません。

いずれにせよ、お母様はお母様の意思で選択をする権利がありますし、
そこには敬意を払ってあげることが大切だと思います。

時として痛み(娯楽を諦めるなど)が伴うかもしれませんが、
人生においてすべての痛みが取り除かれる必要は必ずしもないかもしれませんし、
そこから私たちは忍耐という智慧を身につけるのかもしれません。

このように、お母様と弟さんの本質的な課題は、嫁の素行ではなく、
互いをどのように健全に認めあうか、さらに掘り下げるなら、
それぞれが相手(親や子)を使うことなく、自分自身を健全に認めるかということ
にあるように思います。

どこかに「私を認めてよ!でないと良い母親だと自分で認められないのよ!」
あるいは、「俺を認めてくれ!でないと俺は親思いの良い息子だと自分を認められ
ないんだ!」という苦しみの叫びがあるのではないでしょうか。

あかいこいさんご自身は、自分の好みや都合のよいかたちやタイミングでないにせよ、
母親には母親の、弟には弟の課題があり、今彼らに必要なプロセスにいる。
そして、いつかその課題をクリアしていくと信頼して、
表面的な仲良し家族への執着を手放すことが、楽になるための近道かと思います。

このような時に大切なのは、たとえお母様と弟さんの仲が悪くても、
あかいこいさんご自身が、二人を泣き叫ぶ我が子のように暖かく包み込む気持ちで
見守り、それぞれに愛情をかけていくことではないかと思います。

弟さんがどうであれ、お嫁さんがどうであれ、
あかいこいさんがお母様に愛情を注ぐことは可能です。
また、お母さんがどうであれ、
あかいこいさんが弟さんに愛情を注ぐことはできるはずですから。

ーーーーーー

PS
メンタルの整え方がわかる!人生が輝く!
川畑のぶこ公式メルマガ(無料)
ご登録はこちらからどうぞ♪

PPS
あなたが今抱えている『悩み』をお聞かせください。
毎週水曜の「断捨離」メルマガおよび、
毎週月曜の「ココロの学校」メルマガで、
川畑のぶこがお答えします。

ご質問はこちらからどうぞ。

コメントはこちらから

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、 が付いている項目は必須項目となりますので必ずご記入をお願い致します。